! 今週の1枚! ! バックナンバー ! ! Vol.16 ! |
CDタイトル Aaron Copland music for two pianos 曲目 A.Copland: ビリー・ザ・キッド(作曲者自編) キューバ舞曲 シェーカー教徒の旋律による変奏曲(作曲者自編) ハリスコの踊り(作曲者自編) 青年の踊り(作曲者自編) 「ロデオ」から2つの楽章(A.Gold,R.Fizdale編曲) エル・サロン・メヒコ 演奏 Marcelo Bratke & Marcela Roggeri CD番号 ETCETERA KTC1223 Aaron Coplandの、主要なピヤノ・デュオを、ほぼ網羅した貴重な1枚です。 Coprandは、オリジナルのピヤノ・デュオは「キューバ舞曲」(これは名作。とてもお洒落ですね)だけですが、自身の手で管弦楽の主要作品を2台ピヤノに編曲しています。その編曲手法は、2台ピヤノを実に効果的に使用したもの。ほとんどオリジナル・デュオといっても差し支えないくらいです。ただ、録音でその全貌を把握する機会は、なかなかありません。「アメリカのピヤノ・デュオ」とか「20世紀の2台ピヤノ曲」といったようなアルバムに、「キューバ舞曲」や「エル・サロン・メヒコ」が、時折収録されているくらいです。その意味でこのCDは、Coplandの2台ピヤノ曲に対する、とても良いアプローチと言えるでしょう。 もっとも、選曲が良くても演奏がアウトなら意味はありません。でもご心配は無用です。こちらで紹介するものは、余程のことがない限り、優秀な演奏ばかりですから。Marcelo Bratke & Marcela Roggeriが演奏するこの録音も、例外ではありません。Coplandの2台ピヤノ曲を実に効果的に演奏しています。 ただし、一般的に言う「アメリカ的」で開放感のある演奏ではありません。どちらかというと冷静で求心的。かなり丁寧な音作りをしているのが感じられます。 どの曲の演奏も素晴らしいのですが、評者がいちばん気に入ったのは「ハリスコの踊り」。この曲は2台ピヤノの合奏と、音色の変化(表情の変化)に富んだ曲なのですが、Bratke & Roggeriは、そのあたりを実に見事に弾き分け表現しています。このアルバムの中では出色の演奏なのではないでしょうか。「ハリスコの踊り」の中では、演奏者が手を叩いて拍子を取る箇所がいくつか出てくるのですが、その入れ方がとても絶妙です。これは素敵な演奏ですね。 「キューバ舞曲」や「エル・サロン・メヒコ」は、ラテンアメリカ風味を強調した演奏も多いのですが、この演奏はそうしたものとは無縁。大変上品な表現です。強烈な熱気を求める方には、やや不満かも知れませんが、かえって演奏者の丁寧な音作りが、曲の実像を端的に表しているように受け止められます。 「青年の踊り」は、演奏者のアプローチが、この曲の持つ緊張感を、とても見事に表現していると言って良いでしょう。「ビリー・ザ・キッド」は、非常にまとまりの良い演奏ですし、その他の演奏も、それぞれの曲の良い意味での模範演奏と言えます。これらの曲をこれから弾こうとなさる方には、大変に参考になるでしょう。 楽譜は、すべて「Boosey & Hawkes」から出ており現役。容易に入手できます。このCDも2005年3月14日時点で現役。オンラインですと「amazon.com」で入手できます。ずばり「これ」です。(2005年3月14日記) |
曲目 J.Brahms: ハイドンの主題による変奏曲
Op.56b 5つのワルツ(Op.39からの2台用編曲) R.Schumann: アンダンテと変奏 Op.46 F.Chopin: ロンド Op.73 P.Tchaikovsky: 金平糖の踊り(C.Noisette編曲) 演奏 Agnes Postec & Romano Pallottini CD番号 Arion PV730116 あるようで、意外とないのがSchumannのピヤノ・デュオの録音です。Schumannは、数こそ少ないけれど、とても魅力的なピヤノ・デュオ作品を残しています。ところが、いざCDで聴こうとすると、なかなか見つかりません。そうした中で、Schumannの名作「アンダンテと変奏曲」を収録したこのディスクは、大変に貴重なものと言えましょう。 いくら貴重な録音だからといって、演奏がダメならアウトです。しかしこのディスク、期待以上に良い演奏でした。Schumannの持つ叙情性と情熱を、それは見事に表現しています。それぞれの変奏における表情の変化が、とても素敵。それでいて、全体をがっちりとした構成感でまとめ、かなり堅牢な曲作りをしています。Schumann特有の“暗さ”はありません。でもそれを補って余りあるものが、この演奏からは感じられます。あえて言えば、ヴィルトーゾ系の演奏でしょう。 ピヤノを結構豪快に鳴らすのですが、2台のピヤノによる対話が実に面白い。もともとこの曲は、そうした構造になっているのですが、この演奏ではそれを極端にまで拡大解釈したようなところが見受けられます。そう、最初から最後まで、2台のピヤノが、それは素敵な“お喋り”を展開します。 これは、Schumannだけでなく、同時収録の他の曲にも言えるのですが、2台のピヤノの音色がかなり異なっていて、それぞれ個性を持った者同士が対話をしている…という姿が見え、それが実に楽しいのです。2台ピヤノ演奏の楽しさを、端的に表している演奏ですね。 その他の曲。あまり期待していなかったのですが、それは面白かった。全体を通じて、「激烈系」の演奏です。Brahms「ハイドンの主題による変奏曲」など、速いこと速いこと。凄いテクニックで、グイグイと演奏を進めて行きます。それでいて、決して雑にならず、むしろ音作りは丁寧。そしてアンサンブルも抜群です。Schumann同様、各変奏がそれぞれしっかりと性格付けられている点など、高く評価できるでしょう。同じBrahmsの「5つのワルツ」も、スケールの大きな演奏です。有名なイ長調のワルツでは、チャーミングな表情も見せます。 Chopinの「ロンド」に至っては、“青春の奔流”といった感覚が、2台のピヤノから溢れ出ます。この曲に関して、最上級の録音と言っても差し支えないでしょう。これほどまでに、この「ロンド」を激烈にやった録音はないと思います。Chopinに関して、こうした曲作りには賛否両論があるでしょう。評者としては、間違いなく「賛」ですね。 CDの最後に入っているTchaikovsky「金平糖の踊り」は、C.Noisetteという人による2台用編曲。初めて聴く編曲ですが、とても合理的で演奏効果の上がる編曲でした。 ちなみにこのCD、楽譜をめくる音や若干のノイズが生々しく入っています。最後の「金平糖の踊り」が終わった後で、熱狂的な拍手。解説書のどこにも書いていないのですが、ライブ録音の編集みたいです。 楽譜ですが、最後のTchaikovskyを除き、どれも容易に入手可能。「ハイドンの主題による変奏曲」は、全音、International、Petersから。「5つのワルツ」は、全音(「ハイドン…」と合本)、Petersから。SchumannとChopinは、それぞれPetersから、現役で出ています。 このCDも2005年2月13日時点で現役。オンラインですと「amazon.de」で購入できます。「これ」です。(2005年2月13日記) |
曲目 C.Saint-Saens: 死の舞踏 Op.40(2台:作曲者自編) ベートーヴェンの主題による変奏曲 Op.35 C.Franck: 前奏曲、フーガと変奏 Op.18(2台:作曲者自編) M.Infante: アンダルシア舞曲 F.Poulenc: エレジー シテール島への船出 カプリチオ 演奏 Claire Chevallier & Jos Van Immerseel CD番号 Zig-Zag: ZZT 030903 抜群のテクニックとアンサンブルを見せながらも、大変にエレガントな演奏です。時に鋭い切り込みがありながらも、決して上品さを失いません。 どの演奏も素晴らしいのですが、なかなか録音に恵まれない、Saint-Saens「死の舞踏」(2台版)と、Franck「前奏曲、フーガと変奏 Op.18」(同)が収録されている点は特筆できます。どちらも編曲物ですが、この優れた演奏を聴くと、2台ピヤノ版が管弦楽やオルガンの代用ではないことが、明確に分かります。原曲とは別の、独立した作品と言って良いでしょう。 「死の舞踏」は、墓場で踊る骸骨の姿が、とてもエレガントに表現されています。もちろん不気味な迫力はあるのですが、原曲に比べて、より洗練された印象を受けます。これは演奏のせいかも知れません。 「前奏曲、フーガと変奏 Op.18」は、あたかも元から2台ピヤノ曲であったかのように聞こえます。旋律や曲の構造はオルガンの原曲と同じですが、聞こえてくる音楽はまったく別物。この曲にはピヤノ独奏用の編曲もあるのですが、2台版はピヤノ・ソロ編曲の表現の幅をさらに広げ、2台の対話と融合を実現させたもののような感じです。Claire Chevallier & Jos Van Immerseelの演奏は、「2台でやるからこそ、こんなに素敵なんだよ」と主張しているのです。この演奏は、荘厳かつ繊細で、本当に素晴らしい! この演奏を聴いたら、「是非、演奏会でやってみたい」と思う、ピヤノ・デュオの方もいらっしゃることでしょう。もっともっと知られても良い編曲です。 Saint-Saens「Beethovenの主題による変奏曲」は、この曲の演奏として最上級に位置づけられるのではないでしょうか。変奏の性格付けに関する処理が素晴らしく、ひとつひとつの変奏が、それぞれ異なった表情を見せる点、Chevallier & Immerseelの曲作りには脱帽です。変奏の性格付けだけではありません。2台のピヤノにおけるフレーズの受け渡しの絶妙なこと! これは聴いていて、とても楽しいですよ。「2台ピヤノでの表現」の、もっとも効果的な一例になるでしょう。 Poulencの3曲は、いずれもやや早めにテンポを取った演奏。それでも、以前こちらで紹介したLabequeと比較すると、エレガントで落ち着いた印象です。Labequeの演奏と比べると、「Poulencでも、ここまで違った表現ができるのか」と、改めて驚かされます。Labequeの熱を含んだ演奏にくらべて、こちらは徹底して爽やかでエレガント。どちらも違った魅力があって、とても面白く感じました。 Infanteは、スペインの香りがしなくて、洗練された演奏です。「強烈なスペイン表現」がお好きな方には不向きかも知れません。評者には、とても面白く聞こえましたが。 演奏を聴いていて、音が古風に聞こえていました。何度聴いても最近のピヤノを使った音ではありません。CDの解説をしっかり読んだら、ありました。2台ともErardのグランド・ピヤノを使っているのですが、Immerseelの弾いているのが1897年製、Chevallierのが1904年製でした。いずれも演奏者本人のコレクションとのこと。もちろん現代のピヤノでも面白い音色はありますが、アンティークの楽器を使っての演奏も、独特の魅力がありますね。その意味で、演奏の素晴らしさに加え、アンティーク楽器の魅力も聴くことができる、素敵な録音だと言えましょう。 楽譜ですが、すべて現役。Saint-SaensとFranckはDurandから(Franckは春秋社からも出ています)、InfanteはSalabertから、Poulencは「エレジー」と「シテール島への船出」がEschigから、「カプリチオ」がSalabertから。 CDも現役。オンラインですと「amazon.de」で購入できます。ずばり「これ」。ちなみにCDのジャケットは、異なる2種類のものが流通しています。(2005年1月23日記) |
CDタイトル: Thalberg, Opera Fantasias for
Piano Duet 曲目 S.Thalberg ウェーバー「オイリアンテ」の主題による幻想曲と変奏 Op.1 ロッシーニ「湖上の美人」による大幻想曲 Op.40 わたしは話せない〜ロッシーニの「モーゼ」による Op.36-3 フェリチェ・ドンツェラ〜デッサゥアのリートによる Op.36-5 ベッリーニ「テンダのベアトリーチェ」の主題による大幻想曲 Op.49 16世紀の舞曲によるロマンス Op.36-4 ベッリーニ「カプレーティ家とモンテッキ家」の主題による大幻想曲と変奏 Op.10 演奏 Duo Egri & Pertis(Monika Egri & Attia Pertis) CD番号 Hungaroton HCD 32154 トランスクリプションの魅力がたっぷり味わえる1枚。 過去に大流行しながら、現在では見向きもされなくなってしまった作曲家、たくさんいますね。Thalbergも、そうしたひとり。ずいぶんとたくさんの作品がありながら、現役の楽譜は皆無。筆者も最初は信じられませんでした。かつては、BreitkopfやBote & Bockあたりからたくさん楽譜が出ていたのですが、改めて調べたところ全滅。 そうしたわけで、いわば「幻の作品」ばかりを集めたのが、このCDです。Thalbergというと、両手の親指(時には人差し指)で内声部で旋律を歌わせ、2本の手なのに3本の手で演奏しているように聴かせる曲作りで有名ですね。こちらに集められた作品は、そうした曲芸的な面はありません(もちろん、かなり煌びやかな技巧を駆使しています)が、連弾曲として大変に充実しています。筆者もこれを聴くまで、Thalbergがこんなに素敵な連弾曲を残しているなんて、存じ上げませんでした。 いずれもトランスクリプションなので、元歌(!?)を知っていると、もっとたくさん楽しめるのでしょう。残念ながら筆者は、こちらで取り上げられている前期ロマン派のイタリヤオペラに関しては真っ暗状態。従って、何がどのようにトランスクリプトされているのか全然分かりません。それでも十分に楽しめましたよ。これを聴く限り、Thalbergは連弾書法にも熟達していたのでしょう。ただし、楽譜を見ていないので、正確なところは何とも申し上げられませんが。 演奏も素晴らしい。Duo Egri & Pertis(Monika Egri & Attia Pertis)は、主に2台ピヤノの作品、それも忘れられてしまったような作品を数多く録音しています。いずれも立派な演奏なのですが、このCDでは彼らが連弾でも非常に構築性の高い演奏を聴かせてくれるのが分かります。煌めくようなテクニックと、抜群のアンサンブルが、このCDから聞こえてきます。 それにしてもこのふたり、楽譜の入手が困難な作品ばかりを取り上げていて・・・。いったいどうやって楽譜を入手するのか、いちど話を伺ってみたいくらいです。 ・・・というわけで、演奏している楽譜は、すべて絶版。中古市場でも見たこともありません。もし偶然にでも、これらの楽譜に出逢ったら、その場で捕獲することを強くお薦めします。 何はともあれ、聴いていて、とても楽しい演奏ですよ。 このCDは、2004年12月31日時点で現役。オンラインですと「amazon.de」で入手できます。ずばり「これ」。サイトでは「Opernfantasien F. 2 Klaviere」となっていますが誤り。連弾です。なお、曲のタイトルは筆者が仮訳したものがあり、こなれていないものがあるかも知れません(イタリヤ語、分かりません:涙)。(2004年12月31日記) |
CDタイトル: Sonja & Shanti Sungkono,
Werk fur 2 Klaviere 曲目 D.Schostakovich: コンチェルティーノ Op.94 S.Rachmaninoff: 組曲第1番「幻想的絵画」 C.Debussy: 牧神の午後への前奏曲 F.Poulenc: 2台のピヤノのためのソナタ 演奏 Souja & Shanti Sungkono CD番号 NCA 601120-215 大変に「濃厚」な演奏です。どの曲も、表情の付け方が大変に豊か。一歩間違うと、単なるジョークになってしまう、ほんのちょっと手前で踏みとどまっています。それほどまでに、個性豊かな演奏と言えましょう。 「個性豊か」と表現すると、一時代前の古めかしい演奏を想像される方もいらっしゃるかも知れません。決してそういう意味ではなく、「ちょっと他では聴くことができないな」という感覚と捉えて下さい。このインドネシア出身の「Soja & Shanti Sungkono」という若手デュオ、なかなか面白いアプローチです。 曲の構築性も面白いですし、両奏者個々の技術に加えて、アンサンブルも大変にしっかりしています。では、どのように個性が強いのか、というと、冒頭に挙げた「濃厚」という表現がぴったりでしょう。とにかく旋律をくっきり出して、かなり強烈に「歌い」ます。 その効果がいちばん良く発揮されているのがRachmaninoff。徹底して旋律を歌い、大きくテンポを揺らします。しかもかなりの重量感が。これには賛否両論があるでしょうけれど、1度聴いて損はないと思います。この曲はたくさんの演奏を耳にしていますが、線が細く鋭くて「湿度」と「粘性」の低い極限がPekinelの演奏(評者は、これが大好きです)としますと、この演奏はその対極にあると言えましょう。とにかく「そこまでやるか???」の演奏です。スタジオ録音でも、この強烈さなので、ライヴならきっと凄いことになるでしょう。とにかく楽譜に記載された指示を、極限まで解釈した演奏とお考え下さい。ただそれが、かなりしっかりしたテクニックの上に構築されており、決して奇をてらったものではないことは、演奏を一度聴いただけでも把握できました。 こうした重量級のアプローチで弾いたPoulenc。Rachmaninoffに輪を掛けて、賛否両論になることでしょう。Poulencといえば、まず「軽快洒脱」なイメージがあります。しかしそれを期待して、この演奏を聴くと、完全に裏切られます。こちらで展開されているのは、徹底してシリアスで重厚なPoulenc。評者は「こうした表現もあるのか」と、大変に面白く受け取ったのですが、万人受けする演奏かと問われると、答えは「?」です。本当に、あるぎりぎりの一線で踏みとどまっているような演奏なので。ただ、「曲の全貌をがっちりと捉えよう」という姿勢が、演奏の随所に見えるのには好感が持てます。 冒頭に収録してあるSchostakovichと、途中のDebussyは水準の出来。RachmaninoffやPourancほど強烈な演奏ではありません。が、何とも言えない、異様な熱気が感じられますね。こうしたデュオ、実演で聴いてみたいと思うのは評者だけではないでしょう。何はともあれ、強烈な印象を受けた1枚でした。 楽譜に関しては、すべて現役。あちこちで解説されているので、こちらでは省略します。このCDも2004年12月15日現在で現役。オンラインですと「amazon.de」で購入できます。ずばり「これ」です。(2004年12月16日記) |
CDタイトル: 現代日本二台ピアノ作品セレクション 〜Piano Duo Concert 2003 曲目 (1)赤石直哉:Fantasia II (2)清水篤:Duo concertante (3)正門憲也:遊戯第14番「鐘」 (4)塚本一実:2台ピアノのための光芒 (5)鈴木静哉:2台ピアノのための3つのインテルメッゾ (6)佐藤眞:2台ピアノのためのブルレスク 演奏 (1)赤石直哉+佐藤美歌 (2)田尻桂+清水篤 (3)小澤英世+松浦真沙 (4)土田英介+小池ちとせ (5)藤原亜美+長尾洋史 (6)佐藤眞+佐藤智子 CD番号 ART-3087 現代日本の、さまざまなジェネレーションの作曲家が「2台ピヤノ」という演奏形態に対して、どのようなアプローチを取り、何を表現したいのかを俯瞰できる、興味深いCDです。2003年9月16日に埼玉県・川口市総合文化センターリリア・音楽ホールで行われたコンサートの実況録音。 評者にとって、このCD、全部の曲が初体験。真っ新な状態で聴きました。何の先入観もなく。 でも、そこには、やはり世代ごとの表現がありました。若い方は、かなり先鋭的ですし、中堅の方は御自身の方向性を定めようとしている。ベテランの作品になると、やはり音楽的にも完成度が高いです。 皆さん現役の作曲家なので、こうしたレポートを書くのは、大変に難しいです。何度か聴いただけでは、作品の評価は、なかなかできないものですから。ただ、総じて言えば、それほど難解な作品集ではありません。(注:ゆみこは「全然理解できなかった」と申しておりますが) 個人的に「これは、面白いかな」と思ったのが、塚本一実氏の作品と、佐藤眞氏の作品。塚本作品は、師(松村禎三氏)の影響がかなり聞こえてきましたが、ネオロマンの香りもする、聴き易い作品。完成度から言ったら、佐藤作品がダントツでしょう。佐藤眞氏というと、合唱曲の方が一般には知られていますが、これは大変に残念なこと。正統的な作曲の世界で、とても充実した作品をたくさん書いていらっしゃるのですよ。その一端を知らせる録音として、これは貴重でしょう。 若手では清水篤氏の作品が面白い。聴いていて書法に「若さ」を感じましたが、2台ピヤノの響きをどのように扱うのかを、さまざま工夫していて、とても好感が持てました。 他の作品に関しては、評者自身の中で未消化であるため、コメントは差し控えます。ただ、もう少し工夫があってもいいのでは・・・と思うものも。 先般、三善晃先生と対談させて頂いたときのこと。三善先生は、こんなことをおっしゃっていました。 「ピアノ・デュオは、作曲の過程で音をデッサンして、それをそのまま完成品にしてしまう傾向が多く見られます。本当に自分が要求しているものに出逢う前も、作品として完成されてしまうのです。これがピアノ・デュオ作品を作る上での大きな落とし穴であり、危険なところです。連弾や2台ピアノは作曲家にとってある意味便利なので、きちんと意識しないと、そうしたところに陥りがちです」。 このCDを聴いて、一部の作品で、その言葉をちょっと思い出したものがありました。 ちなみに、このCDに収録されている曲、どれもかなり伝統的な手法によった2台ピヤノ曲です。2台ピヤノの使い方は、本当にオーソドックスなものばかりです。何はともあれ、20世紀以降の2台ピヤノ曲にご興味のある方、お聴きになることをお薦めします。おもしろいですよ。 なお、楽譜ですが、正門氏の「遊戯第14番『鐘』」のみが、アイティエス・クリエイトからのレンタル譜というかたちで入手出来ます。その他は2004年11月30日時点で未出版。楽譜は作曲者の元にあります。ただし、この中に収録された作品の作曲者である清水篤氏にメールで連絡すれば、清水氏が同氏以外の作品に関しても、作曲家の方と橋渡しになってくださるとのことです。清水氏の連絡先は「こちら」。 このCDは、2004年11月30日時点で現役。発売元である、アートユニオン・レコードのWebサイトから、直接購入できます。ずばり「これ」です。(2004年11月30日記) |
曲目 J.Brahms: ドイツ・レクイエム Op.45(作曲者自編の連弾版) 演奏 Silke-Thora Matthies & Christioan Kohn CD番号 NAXOS 8.554115 ピヤノ・デュオ編曲の世界には、いわゆる「トンデモ系」というのがあります。「こんな曲、何でピヤノ・デュオにしたの?」という類のもの。Wagner「ニーベルンクの指輪」はA.Heintzという人の手で全曲が連弾に編曲されていますが、これは管弦楽パートのみを連弾にしたもの。推測ですが、舞台稽古のために作られたのではないでしょうか。これは「トンデモ系」には入りません。用途がはっきりしているので。 連弾トンデモ系の代表格は、A.Bergが編曲したMahler「交響曲第8番」(千人の交響曲)や、A.v.Zemlinsky編曲のHaydn「オラトリオ・天地創造」「オラトリオ・四季」(いずれも全曲・全パート含む)、A.Schoenberg編曲のRossini「歌劇・セビーリャの理髪師」(同)などが挙げられます。Berg編曲のMahlerは楽譜が未見なのでコメントできませんが、他の曲はいずれも大変に優れた編曲です。連弾曲として見ても、実に充実した作品です。 でも、どんなに優れていても、「これ、全曲を連弾用に編曲する必要があったのかしら?」と、さすがのわたしたちでも疑問を持ってしまいます。何せ、全パートを連弾の中に組み込んでいるので、管弦楽の代用にならず、純粋に連弾曲としてしか使えないからです。 そうした「トンデモ系」の1つに、今回取り上げた、Brahmsの「ドイツレクイエム」があります。作曲者自身の手による編曲です。これは、管弦楽の部分を主体に、必要最小限の声楽部分を盛り込んだ模様。「模様」としたのは楽譜が未見なためです。演奏を聴いた限り、この連弾に声楽をかぶせても不自然ではないかも知れません。でもこの編曲は、あくまでも連弾(あるいは2台ピヤノ)のみで演奏することを前提に編曲しています。その意味で「トンデモ系」と言えるでしょう。 さて、「一種のキワモノかしら」と思って購入したこのCD。聴いてみたところ、なかなか面白い! あの分厚いオーケストレーションと声楽による音楽が、その「骸骨」だけになって響いてきます。曲の構造がとてもよく分かり、その意味でも興味深い編曲でした。演奏者の意図もあるのかも知れませんが、あまり重厚さは感じられず、むしろ大変にピヤニスティック。 そう、演奏が実に立派なのです。実に優れた連弾曲として響いてくるので。約70分という長時間ですが、ピヤノだけの演奏にも関わらず、一気に聴き通してしまいました。Silke-Thora Matthies & Christioan Kohnというドイツのデュオですが、この大曲を「聴くに耐えられる物」として、がっちりとした構成で演奏しています。派手ではありませんが、聴いていてとても心地よい演奏です。 別の見方をすれば、この連弾版、編曲物としてもとても優れていることを、この演奏が示しているのではないでしょうか。Brahmsと言えば、多くの連弾曲を書いた人。その経験が存分に生かされていることが分かります。この後、4つの交響曲の連弾および2台用編曲も、作曲者自身が手掛けることになります。そこから生まれた編曲は、大変に秀逸な連弾曲なのですが。 そして、曲そのものも、管弦楽+声楽という大規模な編成から連弾に移し替えたとしても、聴き手に何かを訴える「普遍的な力」を持っていることが、この連弾用編曲からも明らかになります。 評者にとってBrahmsは、決して「親しい作曲家」ではありません。むしろ苦手系。しかしそれでも演奏を楽しむことができたのは、この編曲と演奏の優秀さのなせる技かも知れません。なお、このSilke-Thora Matthies & Christioan Kohnという演奏者は、編曲物も含むBrahmsのピヤノ・デュオをシリーズで出しています。 楽譜はG.Schirmerから出ており現役。G.Schirmer版は、連弾・2台兼用の楽譜です。このほかにもCarusという出版社から出ており、こちらは連弾用と2台用が別々になっています。 このCDは、2004年11月15日時点で現役。オンラインですと「amazon.com」で入手できます。ずばり「これ」です。(2004年11月15日記) |
曲目 M.Reger: 6つの小品 Op.94 6つのブルレスケ Op.58 Beethovenの主題による変奏曲とフーガ Op.86 演奏 Duo d'Accord(Shao-Yin Huang & Sebastian Euler) CD番号 Oehms OC 353 とても、爽やかなRegerです。 Regerの連弾や2台曲なんて、10年前まではほとんど録音がありませんでした。それが今となっては、出るわ、出るわ。もっとも、出てこない曲は、いつまでたっても出てこないのですが。例えば作品34の「5つの絵画的小品」。これなど、待てど暮らせど出てきません。決して凡庸な作品ではないのに。「ある悲劇への交響的プロローグ」の作曲者自身による連弾用編曲が録音として出ないのは何となく分かりますが、作品34など、あちこちから出てきても良いと思うのですが。 それはそれとしてRegerのピヤノ・デュオです。 このCDの「Duo d'Accord」は、台湾出身のShao-Yin Huangとドイツ出身のSebastian Eulerという人の組み合わせ。2001年のマレイ・ドラノフ国際コンクールの優勝者です。年齢は分かりませんが、若い人たちのようです。このCDでの演奏も、若さいっぱい。とても爽やかです。 作品94の「6つの小品」、その第1曲を、もの凄く速く弾いていることを除けば、ごくごく普通の表現です。でも、これまでのReger像というと「重厚長大」ですね。ここに収録された演奏からは、そうした旧来のイメージはまったく感じられません。実にさっぱりしています。それを「心地よい」と感じるか、「物足りない」と感じるかは、受け手の感性によるものなのですが。 評者らは、この録音の全部には賛成できないとしても、爽やかで軽やかなReger像を示したという点では、大変に評価できると思いました。 もちろん「軽やか」といっても、弾き飛ばしているわけではありません。Regerの対位法を、じっくりと実にきれいに処理しています。それでいて、こじんまりと纏まっているわけでなく、それぞれの演奏はスケールの大きさを感じさせます。 作品94もそうですが、作品58の「6つのブルレスケ」も、各曲の性格を実にうまくつかんで、それぞれの表情を出しています。また、作品86「Beethovenの主題による変奏曲」も、各変奏を鮮やかに弾き分けています。Yaara Tal & Andreas Groethuysenのような衝撃感はありません。あくの強さもありません。でも「新感覚のReger」と言う意味で、評価できる演奏ではないか…そう考えて紹介することにしました。 楽譜は、すべて現役。「6つのブルレスケ」と「6つの小品」はC.F.Petersから、「Beethovenの主題による変奏曲」はBote & Bockから出ています。このCDも2004年11月1日時点で現役。オンラインですと「amazon.de」で入手できます。ずばり「これ」。(2004年11月1日記) |
曲目 M.Reger: 6つのワルツ Op.22 E.Schulhoff: 皮肉 Op.34 G.Sherwood: ソナタ・イン・ブルー C.Debussy: バラード(Samazeuilhによる連弾版) F.Mendelssohn: アンダンテとアレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ op.92 演奏 Henning Lucius & Matthias Veit CD番号 Telos Music TLS 063 収録されている曲に惹かれ、購入したCDです。「お、これは面白いな」という演奏も、「これは“?”だな」という演奏もあり、ちょっと複雑な心境で紹介しています。 そもそもこれを購入しようと思ったのは、Reger:6つのワルツ、Debussy:バラード(連弾版)、そしてMendelssohn:アンダンテとアレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェが含まれていたからです。これだけ見ても、結構支離滅裂な組み合わせですよね。加えてSchulhoffの「皮肉」、Sherwoodの「ソナタ・イン・ブルー」という曲が入っており、曲目的には何だかよく分からないディスクです。 聴いてみて、期待以上に面白かったのはSherwoodの「ソナタ・イン・ブルー」。形式面で見ると、第1楽章:ソナタ形式、第2楽章:スケルツオ、第3楽章:3部形式のアンダンテ、第4楽章:ロンド・・・と古典的な形式をばっちり踏襲しています。それが全編、ブルーノートで書かれているのですね。これは面白い。第2楽章などBeethoven:第9交響曲のスケルツオを模していて何とも愉快。大変にピヤニスティックでもあります。1981年の作品なのですが、全然現代的ではありません。ジャズ、特にモダン・ジャズがお好きな方には受けるでしょう。あまりに面白かったので楽譜を入手したかったのですが、出版元が全然分かりませんでした。御存知の方がいらっしゃいましたら、ご一報下さい。 なかなかイケルのは、Debussyの「バラード」。これは1890年作のピヤノ独奏曲をG.Samazeuilhが連弾に編曲したもの。原曲より音が厚いのですが、とても可愛い連弾曲になっています。原曲の良さをそのままに、よりピヤニスティックで華麗にした編曲です。これも残念なことに、楽譜の出版元が分かりませんでした。 Regerの6つのワルツ。ピヤノ・デュオの作品としては大変に有名ですが、何故か録音がほとんどないという悲しい作品。曲そのものは、とてもロマンティックで充実しているのですが。現在入手可能なのは、角野裕・怜子先生による日本のライヴノーツ盤と、この演奏のみ。大変に貴重です。 で、演奏ですがアンサンブルも高度で、それなりの表現力なのですが、個人的にはフレーズの作り方に疑問を感じました。ひとつのフレーズを終わりにするときのタッチというか音の持続のさせかたに、ちょっと唐突な感じがするのです。フレーズの消し方、あるいは切り方にかなりの問題があると見ました。それとフレーズとフレーズの間の連結方法についても。もっともこれは個人的な主観なので「これでいいのだ」と仰るかたもいらっしゃることでしょう。・・・というわけで、この演奏は聴き手の好みに大きく左右されるかも知れません。評者は「・・ちょっと・・・」でした。 看板に偽りありなのはMendelssohn。CDのインデックスには「アンダンテとアレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ」とあります。すなわち「アレグロ・・」の部分を、改訂前の原典版で聴けると思ったのです。ところが表記は大ウソ。アンダンテはともかく、アレグロの部分に入って、最初の9小節は確かに原典のアレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェを弾いているのですが、それ以降は改訂版「華麗なアレグロ」の10小節目に受け渡されます。Henle版の楽譜で言うと、プリモが33ページで9小節弾いたら、そのまま53ページの10小節目に飛ぶのです。完全にインチキ。アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェをほとんど弾かず、華麗なアレグロの方を弾いています。 実はこれ、Tal & GroethuysenがMendelssohnの作品ばかりを集めたディスクでやっているのと全く同じ。ただTal & Groethuysenの場合、CDの表記が「アンダンテと華麗なアレグロ」になっているので、こちらは問題ありません。せっかくアレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェを聴こうと思って購入したのに、こちらのディスクはインチキでした。演奏は水準の出来。まずまずでしょう。ただ、Tal & Groethuysenの目の覚めるような演奏を聴いた後には、ちょっと物足りない感じがしてしまいます。淡泊な演奏がお好みの方には、こちらでも良いのかも知れません。 全然面白くなかったのは、Schulhoffの「皮肉」。新古典主義的な曲なのですが、何だか出来損ないのHindemithみたいで、どうにもよろしくありませんでした。まあ、これも好き好きかも知れませんね。ちなみに楽譜の出版元は分かりませんでした。 このCD、2004年10月18日時点で現役。オンラインですと「amazon.de」で入手できます。ずばり「これ」。(2004年10月18日記) |
曲目 L.Aubert: 2台ピアノのための小組曲
Op.6 F.Schmitt: 2台ピアノのための3つのラプソディ Op.53 M.Ravel: マ・メール・ロア ダフニスとクロエ 第2組曲(2台、Garban=Achatz編) E.Chabrier: 道化た行進 演奏 佐々木素+山内知子 CD番号 MSTY-1 エレガント、そして爽やかな1枚。フランス物ばかりを集めました。選曲は、かなり凝っています。いわるるフランスの「定番物」は、Ravelの「マ・メール・ロア」だけ。後は演奏者の選曲個性が光っています。 ピヤノ・デュオ愛好家にとって嬉しいのは、ほとんど録音がないL.Aubertの「小組曲」と、F.Schmittの「3つのラプソディ」が収録されていることでしょう。この2曲は、2台ピヤノの名曲ですが、現在現役の録音は、これしかありません。録音が希少だからといって、演奏がダメならアウトですが、そこはご心配なく。こちらでは評者の「お薦め演奏」しかご紹介しませんから。この2曲、作品の本質を突いた、素晴らしい演奏です。 Aubertの「小組曲」、3つの小品で構成しますが、それを非常に対照的に仕上げており、曲の個性が存分に出ています。ただ、どこまでも洗練された演奏。ダイナミズムを感じさせる第1曲ですら、爽やか感があります。第2曲と第3曲は本当にロマンティックな表現。でも、過度にべたつくことはなく、あくまでも清楚で好感が持てます。 F.Schmittの「3つのラプソディ」は、「フランス風」(Chabrierが背後にいる)、「ポーランド風」(背後はChopin)、「ウイーン風」(J.Strauss以降のワルツ)という3曲で構成していますが、音楽そのものはF.Schmitt以外の何物でもありません。Ravelが「ラ・ヴァルス」でウイーンを描こうとして、結局はRavel以外の何物でもなくなったように。この曲にも同じことが言えます。その意味で各曲の弾き分けが難しくなるのですが、佐々木+山内組は、各曲の性格を見事に弾き分けています。この演奏でも決して「××風」ということはないのですが、リズムの処理が上手なのでしょうか、各曲の異なった局面がきれいに出ています。面白いですよ、この演奏。ちなみに評者はこの曲が大好きなのですが、演奏会や録音で取り上げられる機会は極めて稀です。とても素敵な曲なのに。それを上質な演奏で聴かせて下さっている佐々木+山内組に拍手です。 Ravelの「ダフニスとクロエ」は、一般に世に出ているGarban版をベースに、適宜D.Achatzのアレンジを加えています。演奏者の佐々木さんに、なぜAchatz編曲を使ったのか伺ったところ、例えば冒頭の「夜明け」で、あの素敵な鳥の声が省略されているなど、もっと効果的に原曲の良さを出したかったから、とのことでした。その意図は、この演奏でも十分に発揮されています。このAchatz版を作ったD.Achatz氏+永井幸枝氏の演奏と比べてみるのも面白いです。 そのほか、Ravelの「マ・メール・ロア」とChabrier「道化た行進」も、均整の取れた素敵な演奏です。 楽譜ですが、AubertとF.SchmittはDurandから出ており現役。「ダフニスとクロエ」のGarban版は絶版。評者も未見。ほぼ同様と見られるL.Roque版がDurandから出ています。ただ、L.Roque版も「夜明け」の「鳥の声」が省略されております。残念ながらAchatz版は未出版。「マ・メール・ロア」は、あちこちから出ているので省略。ChabrierはBillaudotから出ており現役です。 CDですが、これも現役。ただし、入手方法が限られています。ヤマハミュージック東京銀座店および山野楽器銀座店には置いてあり、地方発送も可能とのこと。また演奏者の佐々木さんに直接メールで申し込んでも入手することができます。(2004年10月4日記) |
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(c) Yumiko & Kazumi 2003