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曲目 A.Arensky
        (1) 組曲 第1番 Op.15
        (2) 組曲 第2番 Op.23
        (3) 組曲 第3番 Op.33
        (4) 組曲 第4番 Op.62
        (5) 組曲 第5番 「カノン形式による組曲」 Op.65
演奏 Daniel Blumenthal & Robeert Groslot
CD番号 MARCO POLO 8.223497

Arenskyの2台ピヤノのためのオリジナル作品をすべてまとめて聴くことができる貴重なCD・・・にも関わらず、本当は当欄で取り上げるかどうか、随分迷いました。何せ。個々の奏者のタッチが荒く、もう少しなんとかしてもらいたかった、との思いがあるからです。アンサンブルも「まあ、国際的にCDを販売していくレヴェルとして、ごくごく平均水準かしら」と評価した次第です。確かに元気のある演奏なのですが、どうしてもタッチの荒さが気になってしまいます

録音そのものと左右の分離の良さ、そしてピヤノの音像が非常にクリアであることのほか1点を除き、同じArenskyの2台のピヤノのための組曲をお聴きになるのでしたら、以前本欄でご紹介した、「Stephen Coombs & Ian Munro」バックナンバー Vol.1をご参照下さい)の演奏の方が、抜群に素晴らしいです。アレンスキーの組曲の魅力で購入するならそちらがお勧めです。

では何故、そんなCDを「今週の1枚」で、あえて紹介するのか・・・。実はこのCDには、このCDでしか聴けない曲が入っているのです。それは「組曲第5番」。「カノン形式による組曲」が他の4曲の「組曲」と一緒に収録されております。現在、この曲のCDは、これ1点だけです。過去に遡ってみても、この曲全曲の録音は見当たりません。それが、このCDを、あえてこちらで取り上げた理由です。

この組曲第5番、子供たちが2台ピヤノを楽しむために作られた作品のようですが、聴いていて、なかなか面白い1曲です。タイトルに「カノン形式による組曲」とありますが、8曲のうち、すべてがカノンで出来ているのですね。しかも、第1曲は1度のカノン、第2曲は2度のカノン・・・と、カノンが曲を追って1度づつずれて行きます。この過程を続けて聴くのは、本当に面白いです。

こんな面白い曲を、やや雑ながら、より面白く聴かせようとしているのが、Daniel Blumenthal & Robeert Groslotの2人組です。これでタッチが雑でなければ、資料として完璧だったことでしょう。この演奏を聴いていると、とても子供向けに作った作品ではないことが良く理解できます。この組曲第5番を除けば格段に優秀な録音があるのに、この曲が収録されているだけで、一応の評価ができる1枚です。折角なら、もっと一つ一つの音を丁寧に弾いてほしかった録音であります。

さて、楽譜。(1)はInternationalやSchirmerから出ており現役。(2)はForbergおよび全音楽譜出版社から出ており現役。(3)はMusique de l'etatから、(4)はJurgensonからでておりましたが、いずれも絶版。中古市場や各国のライブラリでも全然見当たりませんので、入手は諦めて下さい。当方の作業に余裕ができましたら、これらの絶版譜をサイトからダウンロードできるようにしたい、と考えております。いましばらくお待ち下さい。(5)はSchirmerから出ておりましたが現在絶版。中古市場にも全然出てきません。幸い日本ですと、北海道教育大学函館校舎に原本があります。ご興味のある方は、北海道教育大学(分校がたくさんあるので、要注意です)にお問い合わせしてみては如何でしょう。ちなみに、わたしたちの手元にあるこの曲のコピー譜も、北海道教育大学函館校舎から取り寄せたものであります。

このCDは2002年5月20日時点で現役。オンラインですと「amazon.com」などで取り寄せられます。(2002年5月20日記)

曲目 O.Messiaen : アーメンの幻影
演奏 Martha Argerich & Alexandre Rabinovitch
CD番号 EMI CDC 7 54050 2

最初に聴いたとき、脳天に強烈な一撃を喰らった演奏です。今でこそ、この録音に似た演奏が増えてきましたが、聴いた当初は度肝を抜かれました。それほどインパクトが強く、評者が聴く限りは、これを超える演奏は、まずない、と存じます。

何がそんなに驚かされたのか? このCDが出現する前にも、多くの演奏がありました。それぞれに個性的ではあったのですが、この曲の原点であるYvonne Loriod & Olivier Messiaenの演奏の影響---ある意味で“呪縛”と言い換えられるのかも知れませんが---の傘下に、多かれ少なかれあったものばかりです。どんな演奏を聴いても、その背後にLoriod・Messiaen組の演奏が、陰のようにつきまとっておりました。

それがどうでしょう、この演奏。テンポの設計、フレーズの作り方、ペダリング・・・ありとあらゆる面からLoriod・Messiaen組の演奏から、完全に解放され、新たな解釈を打ち出しております。ここまで大胆に、この曲を解釈し、弾きこなしている演奏は皆無でありました。

病み上がりや、長期の休暇明け。見慣れた街を歩いているはずなのに、これまでとは、どこか違う。異次元の世界に迷い込んだみたい。この通い慣れた街が、こんなに新鮮な魅力に溢れていたかしら・・・? ふと、そんな感覚に陥った、Argerich様・Rabinovitch組の演奏です。

そして、何度も何度も聴くうちに、「これじゃなければ、ダメなんだ」と聴き手に思わせてしまう説得力。それは凄まじいものがあります。単に、伝統の呪縛からこの曲を解放しただけでなく、確実に新たな生命を吹き込んだ演奏。この二人、曲を完全に咀嚼していて、自分達のものとして再構築しているのです。Messiaenの背後霊を完璧に除霊しています。バロックから近代に至るまで、さまざま作品が演奏家によって解釈を加えられ、それが繰り返されて、“古典”として定着していきました。Messiaenの「アーメン」も、この演奏が出現したことで、作曲者の呪縛から完全に逃れ、新たな古典として歩き出した感があるのです。

この演奏を聴きながら、曲のあちこちで頭をぶん殴られる思いでした。そして最後に評者をノックアウトしたのは、「成就のアーメン」。このフィナーレの演奏は、評者の精神をボコボコにして下さいました。Loriod・Messiaen組がペダルをたっぷりと使いながら、悠々と曲を響かせるのに対し、Argerich様・Rabinovitch組は、リズミックに、かつ強烈な推進力でグイグイと聴き手を引っ張っていきます。ちなみに演奏時間を比較すると、Loriod・Messiaen組が8分10秒、Argerich様・Rabinovitch組が6分27秒。これだけ演奏時間が違うと、解釈もまったくことなってきます。Argerich様・Rabinovitch組は、ただ快速に曲を演奏したのではありません。演奏を聴く限りでは、徹底的に考察を加え、聴き手を叩きのめそうとしているかのようです。これには大変に驚かされました。

なにはともあれ、このCDを聴いて以来、他の演奏が“生ぬるく”聞こえてしまって、どうにもならなくなった評者です。

楽譜はDurandから出ており現役。演奏するには2冊購入することが必要です。このCDも2002年5月7日時点で現役。オンラインですと「amazon.com」で購入できます。(2002年5月7日記)

CDタイトル: Russian Music for 2 Pianos
曲目 D.Shostakovich : 2台のピヤノのための組曲 Op.4
               2台のピヤノのための小協奏曲 Op.94
    A.Khachaturian : 2台のピヤノのための組曲
    A.Arutiunian+A.Babadjanian :
               2台のピヤノのための「アルメニヤ狂詩曲」
演奏 Seta Tanyel & Jeremy Brown
CD番号 Chandos CHAN 8466

旧ソヴィエト連邦の作曲家による作品を、非常にスマートにまとめた1枚。しかも1曲を除き、ほとんど録音が存在しない曲ばかり。なかなか聴き応えがあり、資料的にも貴重なCDです。2台ピヤノ演奏としては水準以上の出来。アンサンブルも完璧です。ただ、濃厚なロシヤ、あるいはアルメニヤ情緒をお求めの方には、ちょっと適さない演奏かも知れません。

まずはSchostakovich。2曲が収録されております。うち「組曲」は、作曲者16歳のときの作品。しかし「若書き」とおっしゃることなかれ。2台のピヤノを実に効果的に使った、非常にピヤニスティックな作品です。不思議と演奏される機会も少なく、現役のCDも評者が探した範囲では、これ1種類です。このSeta TanyelとJeremy Brownの演奏を聴かれたら、きっとご自身でも弾きたくなる方も多くいらっしゃることでしょう。他の曲もそうですが、演奏のダイナミック・レンジが広い割には、“熱く”なっていない演奏です。切れ味の良いタッチでバリバリと弾き進みますが、常に冷静さを保っております。この組曲で最も旋律美の溢れる第3楽章ですら、かなり淡々と弾いています。かといって無味乾燥な演奏ではありません。曲の魅力は存分に伝わってきます。

同じ作曲者の「小協奏曲」の演奏も、傾向は「組曲」と一緒。この曲は他にも数種類の録音があるようですが、少なくとも評者には、この演奏があれば十分です。・・・というより他の録音を聴いていないので、きちんとした比較はできないのですが・・・。

Schostakovichというと、豪快な交響曲や、渋〜い弦楽四重奏曲、厳格な「24の前奏曲」「24の前奏曲とフーガ」となどが有名ですが、ここに収められたような、とても親しみやすいピヤニスティックな作品があることを、もっと多くの方に知って頂きたく存じます。この演奏は、そうした魅力を的確に伝えてくれています。

Khachaturianの「組曲」。この曲は、もとから2台ピヤノ用だったとか、バレエ音楽からの編曲だとか、作曲年も1942年説、1944年説、1945年説、と諸説紛々です。何はともあれ、楽しい2台ピヤノ曲であることだけは、事実です。TanyelとBrown、この曲でも終始冷静さを保っています。華々しい局面と叙情性との交錯。それは見事な演奏です。しかしKhachaturian独特のアルメニヤの香がほとんどしません。まるでLisztの曲で言えば浪漫性を極度にまで押さえたような弾き方をしています。とにかくあか抜けたKhachaturianです。それでも、ちゃんと歌うべきところは、思い切り歌っているのですよ。それでもどこか、聴き手を突き放したような、別の言い方をすれば感情の注入を極度に押さえた感じがいたします。こうしたKhachaturianの演奏には賛否両論があることでしょう。評者は、濃厚なアルメニヤ情緒の表現ばかりでなく、たまにはこうしたスマートなKhachaturianがあっても、それはそれでこの作曲家の普段見えない面が見えるという点で、面白いと感じる次第です。

ただし、Arutiunian+Babadjanian共作の「アルメニヤ狂詩曲」の演奏は、ちょっとあか抜けをやりすぎた感があります。「アルメニヤ旋律・命」みたいな曲からアルメニア臭を脱臭してしまったら・・・そもそもこの曲にはアルメニアの香を楽しむ以外、あまり価値はないと評者は考えているのですが・・・曲の魅力はなくなってしまうでしょう。確かにアンサンブルや個々のテクニックは素晴らしいのですが、この曲をこんなにスマートに弾いてしまっていいのかどうか、ちょっと考えてしまった評者です。

さて楽譜。Schostakovichの2つの作品は、いずれもSikorskiから出ており現役。KhachaturianはThe Well Tempered Pressから出ていましたが、本日時点で現役かどうか確認できませんでした。情報をお持ちの方、どうぞご一報下さい。Arutiunian+Babadjanianは全音楽譜出版社から出ており、これは現役です。

このCDも現役。オンラインでは「Chandos Records」のWebサイトで購入できます。ちなみにChandosのWebサイトは、Internet Explorerでないときちんと表示されません。Netscapeではダメです。(2002年5月1日記)

CDタイトル: Tchaikovsky Original Works for Piano 4 Hands
曲目 P.Tchaikovsky : 交響曲第6番 「悲愴」 (作曲者による連弾版)
               50のロシヤ民謡 (連弾オリジナル)
演奏 Duo Crommelynck
CD番号 Claves CD 50-8805

Tchaikovskyの「連弾曲」をまとめた名盤。かなり広く知られている名演奏なので、改めてこちらで取り上げるかどうか迷いました。でも、やはりこの名盤をこのコーナーで紹介しないのも如何なものかと思い、アップしました。

まず、悲愴交響曲。最初にこのCDを聴いたとき、およそピヤノ向きでない曲が、こんなに壮麗に「鳴る」のか、と驚嘆した評者です。実にピヤニスティックで、連弾曲として聴いても抜群に面白い。ダイナミクスと繊細さの両方を持ち合わせた演奏! 今のところ現役で存在するこの曲のCDは、当該盤と他に1〜2種類ありますが、今のところこの演奏だけで十分。曲の持つ魅力を120%出し切って、「これで、どうだ!」と聴き手に迫ってきます。迫力も満点です。また第4楽章、など聴いていると泣けてきますね(弾いても泣けてきます)。

ちなみにこの「連弾・悲愴」、演奏者であるPatrick Crommelynck氏の解説によれば、作曲者自身の手によるもので、オーケストレーションに先立って書かれたものとのことです。しかしながら、現在では作曲者だけでなく、この編曲にはSergei Taneyevらが関わっているのではないか、というのが定説になってきました。厳密に比較していないので明言はできませんが、Taneyev編曲のTchaikovsky・交響曲第4番、第5番の連弾用編曲と並べてみると、ピヤノ書法や両奏者への音の配分の手法などが、この「悲愴」とかなり似通っていることに気付かされます。

なお、この連弾・悲愴の発想表記、および第3楽章が2小節多い(連弾譜でいうと334小節と335小節)のは、(うろ覚えで申し訳ないのですが)管弦楽版の「原典版」と、ほぼ共通(だったはず)です。

この演奏をお聴きになって、「わたしも弾きたい」と仰るかたも多いでしょう。それほど、素晴らしい演奏ですから。現に、評者のところにはかなり多くの方から「楽譜をコピーして欲しい」(著作権が切れているので問題はないのですが)という要望がたくさん来ます。申し訳ありませんが、こうした方々のご要望にお応えできないのが現状です。この曲の楽譜、以前はKalmusから出ていて容易に入手できたのですが、現在は絶版です。

やや入手しにくいのですが(そして出版社が分からないのですが)「Tchaikovsky全集」なるものがあり、この第48巻に「マンフレッド交響曲」の連弾版と合本で収録されております。こちらの方は現役で「アカデミアミュージック」によれば、全集全部ではなくても、この巻単独でも購入が可能、とのことでした。「Tchaikovsky全集」の出版元をご存じの方、どうぞご一報下さい。ちなみにKalmus版は、「Tchaikovsky全集」のコピーです。当然のことながら両者は同一。このCDの演奏も、どちらかは分かりませんが、この楽譜を使用しております。

もう1曲の、50のロシヤ民謡。これは可愛い小品を集めた、それは素敵な連弾曲です。いくつかの資料によれば、ロシヤの民謡を「生に近い形」で連弾曲に仕上げたもの、とのこと。そんな可愛い曲たちを、Duo Crommelynckは実に楽しげに弾いています。もっとも、この演奏のように様々な表情を曲につけようとすると、曲そのものが単純なので、一工夫いります。易しく単純な曲なので、そのままただ音にしただけでは、聴いてる側は、何の面白みもない演奏になってしまうでしょう。そこは演奏者の腕の見せ所です。

楽譜は、方々から出ているので、容易に入手可能。C.F.Peters、International、音楽之友社などが、出版しております。ただし、出版社によって曲の並び順が異なるので、演奏の際には注意して下さい。

このCDも2002年4月21日時点で現役。オンラインですと「Claves」のWebサイトで発注ができます。クレジットカード番号を伝えるためにファクシミリを併用することが必須となります。サイトの注意書きを良くお読みになって発注して下さい。(2002年4月22日記)

曲目 N.Rimsky-Korsakov :
            交響組曲「シェエラザード」 Op.35
            スペイン奇想曲 Op.34
            ナポリの歌 Op.63
            (いずれも作曲者自編による連弾版)
演奏 Caroline Clemmow & Anthony Goldstone
CD番号 OLIMPIA OCD 630

Rinsky-Korsakovの管弦楽を、作曲者自身が連弾に編曲した作品ばかりを集めた1枚。3曲いずれも楽しく聴くことができます。演奏はかなりの高水準。10年以上前の録音ですが、資料的価値も高く、注目できるCDです。

最初の「シェエラザード」。前回紹介したStefano Malferrari+Carlo Mazzoli組と、同じ楽譜を使っております。ただし演奏はまったく異なります。スピード感溢れるMalferrari+Mazzoli組に対し、こちらCaroline Clemmow+Anthony Goldstone組は、ズッシリと、かつ一つ一つのフレーズの呼吸を大きくとった演奏をしています。極端に演奏時間が異なるのは、第一楽章「海とシンドバットの船」。Malferrari+Mazzoli組が8分35秒で演奏しているのに対し、Clemmow+Goldstone組は9分43秒かけています。他の3つの楽章も何から何まで全く異なるので、聴き比べると非常に面白いです。どちらが良いのかは、聴き手の好みによるでしょう。どちらの組み合わせを聴いても、それぞれの面白さがあります。録音の違いもあるのでしょうが、Malferrari+Mazzoli組はやや遠めで線の細い音像、Clemmow+Goldstone組はやや近めで線の太い音像です。録音はClemmow+Goldstone組のほうがやや良いようです。もっとも、どちらの組み合わせでも、名演であることには変わりありません。

「スペイン奇想曲」は、とても華やかな演奏。そもそも、この曲を連弾に編曲したら、こんなに効果的である、ということを思い知らされるような演奏です。こんなに連弾向きだなんて、ちょっと意外でした。とても明るく、楽しく聴ける演奏です。編曲そのものも、非常にピヤニスティックです。

上記2曲は、いずれも「連弾用編曲」ということを聴き手に意識させない程の名編曲であり、それを十分にこなしての名演奏と言えましょう。

「最初から連弾曲だよ」と言っても、何の不思議もないのが、最後に収録されている「ナポリの歌」です。有名な「フニクリ・フニクラ」の、それは楽しいトランスクリプション。元々管弦楽曲ですが、原曲自体がそれほど有名でないので、いきなりこの連弾用編曲を聴かされると、原曲の存在など何処へやら。もう、この編曲だけで十分・・・という感じです。途中の転調処理がとても面白く、それが連弾編曲と妙にマッチしている点が、とても楽しい! とにかく聴いて楽しめます。転調のたびに表情を絶妙に変えているこの演奏、実に見事です。

さて楽譜。「シェエラザード」は前回ご説明したようにWarnerから出ており現役。他の2曲は、かつてKalmusから出ておりましたが、残念ながら現在絶版です。

このCDは、2002年4月15日時点で現役。オンラインですと「amazon.com」で入手できます。(2002年4月15日記)

曲目 N.Rimsky-Korsakov :交響組曲「シェエラザード」 Op.35
            (作曲者自編による連弾版)
    M.Ravel :「シェエラザード」--夢幻劇の序曲 
            (作曲者自編による連弾版)

演奏 Stefano Malferrari & Carlo Mazzoli
CD番号 NUOVA ERA 7205

それはピヤニスティックな「シェエラザード」二題。非常に面白いカップリングです。タイトルこそ“同じ”ですが、全く異なった音楽性を持つ、この2曲を鮮やかに弾き分けております。しかも連弾を聴く楽しさいっぱい。

まずは、Rimsky-Korsakov。原曲はおよそピヤノ向きではないような気もしますが、実際弾いてみたり、こうした優れた演奏で聴くと、作曲者自身によるこの版が、実に優れた連弾曲であることがよく把握できます。時折、「Rimsky-Korsakovは和声構成の弱点を楽器を非常にうまく使うことでカヴァーしている」との評論を読みます。この編曲の場合も、ピヤノ連弾の持つ特性を最大限にまで生かし切っております。

この演奏、全体としてやや速め。切れの良いタッチで、演奏を推進しています。聴き手をグイグイと惹き付ける点など、さすがです。編曲そのものもももちろん良いのでしょうが、このデュオの表現力には舌を巻きます。しかも完璧なアンサンブル!

「海とシンドバットの船」では、大きなうねりの中に高音が煌めいて。迫力も満点。4本の手だけで、ここまで表現できるのか・・・! との驚きを感じさせます。続く「カレンダール王子の物語」では、一転してエキゾチックな表情。とてもチャーミングな演奏です。「若い王子と若い王女」では、プリモが大活躍。リズミックな中間部では、セコンダがリズムを刻みますが、その処理が絶妙。実はこの部分、かなり長い間、プリモの左手とセコンダの右手が大きく交差し、ペダリングも難しい箇所なのですが、録音を聴く限りでは、こうした“苦労”は全く感じさせません。最後の「バグダットの祭り・・・」は、終止線に向かって、一気に演奏が進みます。場面ごとの表情の変化の多彩さ。急速な連打音の完璧な処理。畳み掛けるように終曲に持っていき、最後は大きく呼吸して全曲をまとめます。

一方のRavel。この作曲者最初の管弦楽曲を、作曲者自身が連弾用に編曲したものです。こちらは繊細さが全曲を覆います。曲のそこここでトレモロが効果的に使われておりますが、その処理が絶妙です。松永晴紀先生によれば「特に、複雑なリズムの柔軟な表現が難しい」曲ですが、そんな障害は何のその。楽譜を見つつ聴かなければ、そんな障害があるなんて、聴き手に気付かせないくらいの余裕を持った演奏です。そして演奏全体を輝かしい音色が支配しています。この曲でもアンサンブルは完璧です。

ちなみにこの編曲、手の交差や接近が非常に多いため、楽譜には「連弾または2台ピヤノのための」と明記されています。それをこのデュオ、正直に連弾で演奏しております。

演奏をしているのは、Stefano MalferrariとCarlo Mazzoliという2人のイタリヤ人男性ピヤニスト。このCDを聴く限り非常に優れた連弾奏者です。他に録音があれば聴きたい、と思ったのですが、どうやらこのCDしか現役盤では出ていないようです。残念。

さて、これらの楽譜。両方とも現役です。Rimsky-KorsakovはWarnerから、RavelはSalabertから出ております。このCDも2002年4月9日時点で現役。オンラインで入手できるのは、「amazon.de」のみのようです。何はともあれ、聴いて損はないCDです。そしてお聴きになって、「楽譜を見てみたい」「演奏してみたい」という誘惑にかられる方も、きっと多いことでしょう。(2002年4月9日記)

曲目 L.Bernstein :ウエストサイド・ストーリーによる「シンフォニック・ダンス」
            (Irwin Kostalによる2台+打楽器用編曲)
    L.Bernstein :ウエストサイド・ストーリーによる「歌」
演奏 Katia & Marielle Labeque 他
CD番号 Sony MK 45531

このデュオ特有の熱気と生きの良さが支配する録音。それは楽しいBernsteinです。先週紹介したPekinelによる演奏も素晴らしいものですが、こちらも勝るとも劣らない見事な演奏と言えましょう。

Pekinelの演奏を良い意味での“優等生”とすると、Labequeのは“楽しさいっぱいのお転婆娘”。どちらの演奏もリズム感抜群ですが、その感覚には相当な相違が。Pekinelには鋭利なものを、Labequeには“熱い”ものを、それぞれ感じさせます。編曲そのものもアプローチが異なるのですが、やはりリズム感の違いを聴き比べる、という点に面白さがあります。もちろん、比較などしなくても、それぞれ単独で聴いても十分に楽しめます。

「ウエストサイド・ストーリー」による「シンフォニック・ダンス」は、2台ピヤノ+打楽器3人の組み合わせ。編曲もなかなかですが、それを完全にコントロールし、「こんなに楽しいんだよ!」と、一気に聴かせてしまうところが、この演奏の特徴です。所々で、凄味すら感じさせます。一歩間違えば、ただただピアノを打ち鳴らす、あるいはバーバリズムが全面に出てしまうところですが、それをぎりぎりの線で押さえ、かつピヤニスティックな魅力を徹底的に追及しているところが素晴らしい。原曲の持つ魅力は、もちろん備えたままです。

録音も秀逸。2台のピヤノと打楽器群のバランスが絶妙です。この演奏は、とにかく聴き応えがありますね。

同じ「ウエストサイド・ストーリー」から「歌」も、楽しい演奏。上記シンフォニック・ダンスに含まれない、このミュージカルの主立ったナンバーを2台ピヤノに編曲しての演奏です。演奏しているのは以下の8曲。(1) Something's Comming、(2) Maria、(3) America、(4) Jet Song、(5) One hand, One heart、(6) IFeel Pretty、(7)Tonight、(8) A boy like htat。

どれもくっきりと旋律を際だたせた演奏。それでいて、2台ピヤノ特有のデュオの楽しさを終止感じさせてくれます。時折Katia Labequeが文字通り“歌って”いるのが聞こえます。編曲もなかなか良くできていて、“編曲物を聴く”という面白さも味わえます。

ちなみに、ここで収録されている「Tonight」は、例のバルコニーのシーンではなく、ジェットとシャークスの決闘シーンの前に演奏される、5声の対位法を駆使した緊迫した場面のTonightです。この編曲処理が、収録された8曲の中でも抜群に面白い! 何はともあれ、一聴に価する録音です。

だた、このデュオ特有の“灰汁の強さ”があるため、好き嫌いが分かれるかも知れません。

このCDに収録された全ての曲を編曲したのは、Irwin Kostalという人。このCDを聴いて、「レパートリにしたい」と思われる方がたくさんいらっしゃると思います。残念ながら、この編曲は楽譜として出版されておりません。この録音のために編曲されたもののようです。楽譜の入手は諦めて下さい。

CDは、2002年4月2日時点で現役。オンラインですと、「amazon.com」、「amazon.fr」、「amazon.de」で入手できます。(2002年4月2日記)

追記:日本では「amazon.co.jp」で入手できます。同サイトの「クラシック・パワーサーチ」で「キーワード」の項目に欧文で「Labeque」と入れると出てきます。「演奏者」の項目に「ラベック」と入れても出てきません。ちょっと“コツ”がいります。(2002年4月9日記)

曲目 L.Bernstein :ウエストサイド・ストーリーによる「シンフォニック・ダンス」
            (P.McKibbinns & R.Philippによる2台+打楽器用編曲)
    G.Gershwin :3つの前奏曲(2台:G.Stone編曲)
    B.Bartok  :2台のピヤノと打楽器のためのソナタ Sz 110
演奏 Guher & Shuer Pekinel 他
CD番号 TELDEC 8.44146 243 719-2

一貫してシャープな演奏を聴かせてくれるCD。どの曲も鋭いタッチと幅広い表現力、そして抜群のアンサンブルを持って弾かれております。こうした特徴は、このデュオの持ち味でもあるのですが、それが非常に良い結果を生んでいます。

このCDを聴いて、まず驚いたのは、Bernsteinの「ウエストサイド・ストーリーによるシンフォニック・ダンス」を、2台のピヤノと打楽器という編成で、ものの見事に聴かせてくれている、という点---その後、Labequeによる同編成/別編曲の録音を聴くことになるのですが---。拡大された2管編成による原曲(オリジナルのWWSではなく、シンフォニック・ダンスの方)を聞き慣れた耳には、何とも新鮮に響きました。その感動は、このCDを手にしてから10年以上たった今も変わりません。原曲よりもリズム感が強調され---考えてみれば当たり前ですね。“打楽器”だけで演奏しているのですから---それでいて、原曲の持つ旋律の美しさを存分に呈示してくれているのです。ピヤノ・デュオと打楽器デュオの、それは素敵なコラボレーション! とても楽しい演奏です。ちなみにこの編曲は、当録音のためになされたものの模様。残念ながら、現在に至るまで未出版です。

続くGershwinも、曲の特性をうまくキャッチした胸のすくような、見事な演奏。第1曲のエネルギッシュな表現、第2曲の物憂げさ、そして第3曲のリズミックでピヤニスティックな味わい。この曲の持つ良さを、極限まで追求しているといっても過言ではないでしょう。とにかく輝くようなタッチと緻密なアンサンブル、それでいて曲ごとに上手に表情を変えている点、一聴に値します。ただ、非常に洗練された演奏なので、“泥臭い”Gershwinをお好きな方には、ちょっと物足りないかも知れません。評者自身は、この演奏を大変に気に入っているのですが。楽譜はWarner Brothersから出ており現役です。

最後のBartok。これも楽しい演奏です。鋭利な刃物で斬りつけるような、そしてリズム感抜群のピヤノ・デュオに、鮮やかな打楽器が被さります。特に若鮎のように飛び跳ねるピヤノ・デュオが魅力的。録音面で見ると、ピヤノ・デュオと打楽器のバランスが絶妙で素晴らしい! 評者はこの演奏で十分満足なのですが、Gershwinと同様、上品で非常に洗練されております。野性的なBartokをお好みの方は「×」を付けるかも知れません。もっとも、洗練されている、といっても非人間的、あるいは機械的に演奏している訳では決してありません。この演奏からは、流れるような“歌”が聞こえてきます。ある意味で、ハンガリーの民謡をベースにしたこの曲を、極端にまでピヤニスティックに昇華させた演奏と言えましょう。楽譜はBoosey & Hawkesから出ており現役です。

このCDは2002年3月25日時点で現役です。オンラインですと、「amazon.de」で入手可能です。初出から10年以上たった録音ですが、いま聴いても、少しも古さを感じさせません。
(2002年3月25日記)

追記:このCDは、現在国内盤が出ております。オンラインですと「amazon.co.jp」で入手可能。「クラシック」の検索欄で、「演奏者」の項目に「ペキネル」と入れると出てきます。ジャケットのデザインは異なりますが、内容は完全に同一です。(2002年3月26日記)

CDタイトル:Tanze fur vier Hande / Dances for four hands
曲目 M.Moszkowski : (1) アルバム・エスパニョール Op.21
              (2) ポーランド舞曲 Op.55
               (3) 外地から Op.23
              (4) ドイツ風ロンド Op.25
              (5) スペイン舞曲 Op.12
演奏 Das Kolner Klavier-Duo (Elzbieta Kalvelage & Michael Krucker)
CD番号 Koch Schwann 3-1239-2 H1

M.Moszkowskiのオリジナル連弾曲をまとめて聴くことができる貴重なCD。この作曲家の連弾曲を1枚にまとめたCDは、まず見当たりません。曲はある程度の知名度はありますが、録音としては珍品の部類に入ります。いくら貴重な録音であっても、演奏がダメならアウトです。正直言って、あまり期待せず購入したCDでした。ところがどっこい、さにあらず。期待は嬉しい方向に裏切られました。

実に鮮やかな演奏です。例えば、LabequeやArgerich様のような強烈な個性はありませんが、透明感のある音色で、素敵な舞曲が奏でられています。何と言ってもリズムが重くならず、軽やかで、かつ、しっかりと地に足のついた演奏であることに、感動を覚えます。このElzbieta KalvelageとMichael Kruckerによる「Das Kolner Klavier-Duo」は、初めて耳にするチームですが、なかなか優れたデュオです。

同じ曲集の中でも曲ごとに、見事に表情を変えて演奏するあたり、さすがです。Moszkowskiの連弾曲の場合、よほど工夫をしないと曲ごとの表情が一辺倒になり平板に聞こえてしまうケースが、ままあります。平板な演奏ですと、1枚のCDを聴いていて途中で飽きてしまうのですが、この録音は1枚まるごと連続で聴いても、聴き手を飽きさせません。少なくとも評者は飽きずに楽しく聴くことができました。しかも、あまり表現的にしつこくならず、さらりと弾いており、聴いた後に爽やか感が残ります。テクニック面でもアンサンブルの呼吸もばっちりです。早春の日差しのような、透明な柔らかさと、ほのかな愉悦を含んだ音楽が、このCDから聞こえてきます。

まだMoszkowskiの連弾曲をお聴きになったことのない方も、これからお弾きになろうとする方も、今までこれらの曲をお弾きになったことがある方も、それぞれ参考録音として、是非とも聴いて頂きたい1枚です。

楽譜は(1)がHainauerから、(3)がStainer and Bellから出ていましたが、現在絶版。(2)、(4)、(5)は、いずれも現役です。(2)と(5)はC.F.Petersから、(4)はInternationalから出ております。このCDは2002年3月19日時点で現役。オンラインでは「amazon.de」で入手できます。
(2002年3月19日記)

曲目 A.Schoemberg:(1) 5つの管弦楽曲 Op.16 (2台ピヤノ:A.v.Webern編曲)
              (2) 第一室内交響曲 Op.9 (連弾:作曲者自編)
              (3) 第二室内交響曲 Op.38b (2台ピヤノ:作曲者自編)
演奏 Prague Piano Duo (Zdenka & Martin Hrsel)
CD番号 Praga PRD 250 119

A.Schoembergの管弦楽をピヤノ・デュオ用に編曲した作品を纏めた1枚。演奏者は、まだ録音数は少ないものの、毎回意欲的なプログラムを組んでいる「Prague Piano Duo」---Zdenka & Martin Hrselのお二方。このCDでも、曲の存在そのものは比較的知られていながら、滅多に演奏も録音もされない曲を加えております。

まず聴き物は、作曲者の「同志」であるA.v.Webern編曲による「5つの管弦楽曲 Op.16」。これは2台用の編曲です。原曲は、機能和声を放棄しての作品を生み出した時期の傑作。4管編成の大管弦楽による音のパノラマが魅力的。原曲だけを知っていると、およそピヤノ向きではない曲に聞こえますが、さすがに編曲者がWebernだけあって、編曲に当たってはぬかりありません。2台ピヤノ用のスコアを見ながら聴いていると、よくも、まあ、ここまでピヤノ向きに編曲できたものだ、と思わず感心してしまいます。考えてみれば、Schoenberg作曲/Webern編曲なんて、とても豪華な「共作」ですね。

原曲と比較すると、音色における変化の幅が小さいのは仕方がありません。それを言うのは野暮ですね。むしろ、非常にピヤニスティックに響くところに、新鮮な驚きを感じます。原曲で聞き取りにくかった複雑な対位法も、2台のピヤノという楽器だけで表現しているせいか、手に取るように分かるのも、この編曲を聴く楽しみでしょう。

こうしたこの編曲の良い点を、Prague Piano Duoは存分に聴かせてくれます。切れ味のよいタッチ、完璧なアンサンブル、表情の幅の大きさ。なかなか演奏される機会に恵まれないこの曲を、2台ピヤノ曲の隠れた名曲として再評価するのに、もってこいの録音です。ちなみにこのCDの解説によれば、この演奏がこの曲の初録音になるとのこと。今のところ、この録音以外に同曲のCDはありません。

ただ、ちょっと演奏が上品すぎてしまうかな・・・というところが、欠点と言えば欠点です。この録音に刺激され、もっともっといろんなところで演奏/録音がなされて、また別の表現---例えば、もっと曲に起伏をつけた激烈な演奏---などが聴ければ楽しいな・・・と考える次第です。「じゃ、お前たち、やってみたら?」って? ダメです。わたしたちデュオの片方はともかく、「下手くそな方」には、こんな難しい曲、手も足も出ませんから。

同時収録の「第1室内交響曲」の作曲者自身による連弾版は、現在、複数の演奏を聴き比べできます。この演奏は、全体のテンポをややゆったり目にとって、旋律を綺麗に浮き出させております。それはそれで面白いのですが、贅沢を言わせていただければ、やはりちょっと上品過ぎるところが難。この曲の持つ、むせ返るような浪漫性が引き出し切れておりません。「5つの管弦楽曲」の演奏と同様、アンサンブルは完璧ですし、個々の音の作り方は実に綺麗です。楽曲全体の構成力も優れており立派。

ただ、評者の好みから申し上げたら、この連載の第1回目で書いた「Mendelsson Duo」の録音に軍配が上がります。Prague Piano Duoは水準以上の、この曲の魅力を的確に伝える演奏をしており、他になければこの演奏だけで十分なのです。しかし、有力な対抗馬があるので、ちょっと損をしているかも知れません。もっともこれは演奏の好みなので、「Prague Piano Duoの方が良い」と仰る方がいらしても不思議はありません。

もう1曲の「第2室内交響曲」(作曲者による2台ピヤノ版)は、水準の演奏です。可もなく不可もなく、といったところでしょうか。もちろん、構成力とアンサンブルがしっかりした立派な演奏ですが。

楽譜は全て現役。(1)はPetersから(1冊購入すると第1/第2用の1ペアの楽譜がついていますので、2冊購入する必要はありません)、(2)と(3)はUniversalから出ています。(3)は演奏の際に2冊購入する必要があります。CDも2002年3月12日時点で現役。オンラインでは「amazon.com」などで入手できます。(2002年3月12日記)

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