好っきやねんっ!
L.v.ベートーヴェン
Ludwig v.Beethoven
ピヤノ・ソナタ 第17番 ニ短調 「テンペスト」 作品31-2
Piano sonata No.17 "Tempest" Op.31-2
(1802)
ギレリスだろうがケンプだろうが関係ない。この曲の第3楽章は、誰が弾いても、こんなふうに「聞こえて」しまうのです。
好っきやねん 好きっやねん 好っきやねん あ'たしは〜
好っきやねん 好きっやねん 好っきやねん あ'んたがぁ〜
ですから自宅では、会話中でこの曲を示すとき「ベートーヴェンのピヤノ・ソナタ・・・云々」とは言いません。「あのさぁ、“好っきやねん”の楽譜、どこにあったっけ?」といった具合。
以前、友人のピヤニスト・中畑淳さん(現・福島大学助教授)が、この曲をリサイタルで取り上げました。非常に端正な、美しい演奏でした。それでも第3楽章の主題は、こんなふうに聞こえてしまったのです。打ち上げ飲み会の時、わたくしは言いました。「あの、好っきやねん、実に良かったよ」。一同、きょとん???。「だからさ、あれよ」と、酔っぱらったわたくしは、ピヤノ演奏/教育界の「偉い人たち」が大勢いる中で、歌ってやったのです。
好っきやねん 好きっやねん 好っきやねん あ'たしは〜
好っきやねん 好きっやねん 好っきやねん あ'んたがぁ〜
「偉い人たち」からは、完全に顰蹙を買いました。中畑さんも。苦笑い。
さあ、皆さんも弾いてみましょう。8分音符=92くらいのテンポで。頭の中で歌詞を歌いながら、小節(こぶし)を利かせ、テンポを揺らし。グレン・グールドもびっくりの、それは「泥臭い」演奏になること請け合いです。それは崇高な「テンペスト」の世界から、「道頓堀裏の汚いスナック・カウンタ」へ、世界は一気に転換いたします。
好っきやねん 好きっやねん 好っきやねん あ'たしは〜
好っきやねん 好きっやねん 好っきやねん あ'んたがぁ〜
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