フランスの作曲家。独学で作曲を習得したこと、サクスホンの作品を多少書いたことしか分かりません。本名は「Pierre」ではなく「Rousseau」とのこと。ちなみに「The
New Grove Dictionary of Music & Musicians」には、1行の記述すらありません。C.McGrawの「Piano
duet repertoire」には、作品データの記載がありますが、作曲者に関する詳細は明記してありません。
連弾のレッスンはもとより、発表会や肩のこらないコンサートに、もってこいの、楽しい連弾作品です。
フランスの絵本童話「ゾウのババール」(J.
de ブリュノフ Brunhoff作:L'historire de
Babar, le petit elephant)をベースとした、楽しい連弾曲です。この絵本、日本語版も出ていますね。この絵本は、シリーズ化されておりますが、その最初の1巻「ババールの冒険」を題材にしたのがこの曲です。ちなみにプーランク(Francis
Poulenc)も、「ゾウのババール」を題材とした、朗読とピヤノ・ソロのための作品を書いています。
この作品は以下の7曲で構成します。要求する技術レヴェルは、プリモ/セコンダともに、バイエル修了程度。子供が弾くことを考慮して、オクターヴ以上の音域はありません。また、オクターヴや大きな跳躍を避ける工夫がなされています。
1 | 笛を吹くルドゥドゥ | Lududu joeu de la flute douce |
2 | アドリエンヌ(ダチョウ)の入場と長大な歌 | Entree et grand air d'adrienne |
3 | ふるさとの子守歌 | Berceuse du pays natal |
4 | ケンタウルスの住む山里 | Pastorale du Centaure |
5 | 夜明け | Le lever du jour |
6 | 裁判所 | Le temple de la justice |
7 | 和解と喜びの行進 | Marche de la reconciliation |
なお、楽譜は全音楽譜出版社から出ていますが、中身は原本である仏Henry
Lemoine版そのもの。ただし、フランス語による表記は、すべて括弧書きで日本語訳がついています。フランス語が分からない人でも、原著で指定した「微妙なニュアンス」が出せるように工夫してある点は、楽譜として評価できましょう。
とても楽しい曲ですよ。レッスンや「連弾遊び」で、一度ご活用されては如何でしょう。