...... 2005年 3月 01日 の日記 ......
■[ NO. 528 ]
午前様 Part2
晴れ。

所用にて午前8時前に出勤。恐ろしく寒いところで、コートもマフラーもなしで打ち合わせをしていたら、からだが冷え切ってしまった。10時から室内で会議があったのだが、そのときも、寒くて寒くて震えていた。

お昼ご飯を食べても、寒気と震えが止まらない。診療所に駆け込む。熱が37度6分あり。たまたま予定が入っていなかったので、薬を処方していただき、それを服用、ベッドで横にならせていただく。念のためインフルエンザに罹患しているかどうか検査してもらったが、こちらはセーフ。2時間ほど眠ったら、だいぶ元気になった。

夜は音楽学者の「加藤浩子」さんと、4月から某所で始めるリレーエッセイの打ち合わせ。しばらく(といっても短期間だが)ドイツに出張する加藤さんのご希望で、和食をセッティング。

双方のカバー分野や、対象読者の絞り込みなど、かなり綿密に検討する。主な分担は、ジャンルから見ると、加藤さんがオペラ・声楽、わたくしが管弦楽・器楽。時代的に見ると、加藤さんが古典派以前、わたくしがロマン派から現代。もちろん、そうした領域を超えたテーマで書くことはあるだろうけれど、まったく重なることはないだろう…というのが2人の見解。どうやら面白いものが出来そうだ。

ざっくばらんに話をしていたら、あっという間に時間が過ぎた。午前0時半帰宅。シャワーだけ浴びて、そのまま沈没。


...... 2005年 3月 02日 の日記 ......
■[ NO. 529 ]
無力感
晴れ。

あの「知らせ」から、1週間が過ぎた。あっという間の1週間だった。何だか昨日のことのように思える。

ショックを受けたわたくしたちだが、何人もの方が励ましの言葉を頂いた。有り難いことである。この場を借りて、御礼申し上げたい。

でも、本当に癒してさしあげなければならないのは、最愛の人を失ったローベルトさんだろう。わたくしたちには、そのためのことばが見つからない。

普段、文章を書いて生計を立てているわたくしだが、どのように接し、どのようなことばをかけて差し上げたらいいのか、暗中模索である。

無力感を覚える。


...... 2005年 3月 03日 の日記 ......
■[ NO. 530 ]
名ピヤニストの教本
晴れ。

春秋社から、とても興味深いピアノ教本が出た。「シャンドール ピヤノ教本」である。著者はジョルジ・シャンドール氏。シャンドールと聞いて、「おっ!」と思った方は、相当にピヤノがお好きな方か、クラシック音楽のオールドファンの方である。そう、バルトークと親交があり、一世を風靡した、ハンガリー出身のあの名ピヤニストである。

この本は、1995年に出版された「On Piano Playing: Motion,Sound and Expression」の邦訳である。原著は未読だが、この邦訳、なかなか面白い。「ピアノ演奏技術の本質」から説き起こし、演奏に必要な基礎技術をほぼ完全に網羅し解説している。譜例や写真を多用し、読者の理解を助けようとしている点も評価できる。

邦訳に寄せて著者は述べている。

この本は、「音の本質」および「人の身体の仕組み」という二つの要素を絶えず考慮しながら、総合的なピアノ技術を示そうとするものです。ここでは、我々がピアノ・レパートリにおいて出逢う技術上の問題を解決するために必要な、五つの基本的動作が説明されます。これらの動作パターンを適切に用いれば、鍵盤を不用意に押し込んだりすることはなくなりますし、個々の筋肉を適切にコーディネートすれば、腕に疲れを感じたりすることもないでしょう。また、この本で詳しく説明しているように、前腕の筋肉と指とをまっすぐにして、ねじれないよう気をつければ、腱鞘炎になることもありません。

演奏技術ばかりではない。最後には公開演奏のやり方や、舞台マナーにまで言及しており、大変に面白い。是非とも多くの方に読んで頂きたい本である。特にこれからピヤノの技術を本格的に学ぼうとされる方には。それから、ピヤノ講師の方も、手に取っていただけたら、と思う。もちろん新しいことばかりではないけれど、きっと「目からうろこ」みたいな箇所があるに違いない。


...... 2005年 3月 04日 の日記 ......
■[ NO. 531 ]
名著復活
雪。一時強く降る。夕方になって、ようやく止む。

昨日に続いて新刊書の紹介。今日は楽譜。厳密に言うと新刊ではなく、復刻である。曲は、ラフマニノフ:ピヤノ協奏曲第2番。2台ピヤノ用の楽譜だ。

これだけ書くと「何が珍しいの?」と言われる向きもあるだろう。実はこの楽譜、絶版になって久しく、演奏家や研究者、愛好家の間で、「幻の名著」と言われていた楽譜なのだ。出版社は全音楽譜出版社。校訂・解説は、あの故・矢代秋雄氏である。

この解説が凄い。わたくしもあるところで、この解説だけを読んだことがあるのだが、微に入り細に入り、詳細かつ的確に解説をしている。演奏者にとっても、愛好家にとっても大変に参考になることばかりだ。この曲の解説で、日本語になっているものの中では最上級のものだろう。しかもオーケストラ・パートの編曲には、矢代氏が大幅に手を入れ、ちゃんと2台のピヤノで演奏できるようにしてあるのだ。

この楽譜、30年ほど前に、全音がBoosey & Hawkesとライセンス契約を結んで出版していたもの。ところが、あまりに評判が良くて、日本でBooseyのこの曲の楽譜が全然売れなくなり、突如契約が打ち切られ絶版になってしまった、曰く付きの楽譜なのである。

2004年5月、ラフマニノフの楽譜に関して、著作権の保護期間が切れた。これでようやく、どこの出版社もラフマニノフの楽譜が出せることになったのだが、ここにきて、ついにその名著が復活したのだ。

日本において、楽譜が一度絶版になると、滅多なことでは復刻されない。この楽譜がそうなったのは、いかに多くの方が、その復刊を望んでいたかの現れでもあるのだ。日本の出版社も、たまには味なことをやる…ふと、そう思ったわたくしである。


...... 2005年 3月 05日 の日記 ......
■[ NO. 532 ]
春は名のみの
曇り。時々晴れ。

雪は止んだものの、今日も冷え込む。

連弾庵の周りでは、梅が咲き乱れている。
…あまり良い写真じゃないなぁ…


「シャンドール氏の指摘は、正論だらけなのよ」。ゆみこが、つぶやいている。3月3日の本欄で紹介した「シャンドール ピアノ教本」(春秋社刊)の読後感だ。

「問題はね、基礎の基礎から、こうした教え方をしないと、変なクセがついてしまい、後になってから矯正するのが、ほとんど不可能なことよ。つまりね、教師の側が、ここに書かれたことを、初心者に向けてしっかり教えることができなければ、意味がないのよ」。

さらに続ける。「端的な例が、あなたよ。自分で、その本を読んでいて、分かるでしょう? 最初に、いかにいい加減なレッスンを受けて来たかが。変な基礎が出来てから、この本を読んでもダメ。あなただって、頭では分かっているけど、できないでしょ? ある程度、ピヤノのことや音楽の表現法を分かってから、この本を読めば“なるほど!”と思うことは多い。でもね、それを実践するのは、もの凄く大変だよ。あなたなら、そのこと、きちんと理解できるよね?」。

確かに、ゆみこの指摘は的を射ている。この本は、ピヤノを教える側こそ、マスターしておかなければならないことばかりなのだ。もちろん、それ以上に高度なことが書かれているので、演奏者を目指す人にとっても参考になるのは、ゆみこも分かっているが。その意味では、あらゆる層のピヤノ弾きにとって、たくさんの教訓をもたらすことができる本である。それに、ピヤノ演奏のさまざまな側面が、体系的に纏められているところは、大変に評価できよう。

「やっぱり、教える側こそ、この本をしっかり読んで理解してほしいよね」(ゆみこ)。

うう、寒い。ホントに3月かよっ!
シャツを着てても、ぶるぶる震えるぜっ!


...... 2005年 3月 06日 の日記 ......
■[ NO. 533 ]
最悪のローレライ
曇り。大変に冷え込む。

期待していたものが、大ハズレだと、大変に落胆する。今日の映画がそうだった。

「ローレライ」。

福井晴敏氏の小説「終戦のローレライ」の映画版だ。もともと映画化を前提に書かれた小説だったので、あの感動的な小説を、そのまま視覚と聴覚で体感できるものと思っていた。本当に期待していた。

しかし、結果はアウト!

ハズレの映画はあるが、ここまで外れるのは珍しい。この10年間で観た映画の中で、最悪だった。

ストーリーはねじ曲げられ、おおよそのアウトラインだけを映像にしただけ。そのため、小説で得られた感動はなく、単なるダイジェスト。役者の大半は大根で、演技は下手。わたくしもお金と時間を無駄にしたくないので、映画もかなり選んで観に行っている。それでも、こんなに凄まじく外れたのは初めてだ。

原作の大切な部分、日系ドイツ人将校・フリッツと彼の妹・パウラの兄弟愛、フリッツと日本軍人のせめぎ合いや奇妙な友情といった、物語を構成する上で大変重要な要素が、そっくりそのまま落ちている。原作では大活躍(?)したフリッツが、ほとんど出てこないのは、もうそれだけでアウトである。

それに、日系ドイツ人と日本軍人の“心の架け橋”となった「椰子の実」の歌が、(伝)モーツアルトの「子守歌」に差し替えられている。物語で最も“泣ける”部分が、完全に欠落しているではないか!

役者もアウトだ。役所広司は、まだしも、最悪なのは、妻夫木聡、新人の香椎由宇、石黒賢だ。はっきりいって、演技も何もあったものではない。「あんたたち、役者なんか、辞めた方がいいよ」のレベルだ。この程度で映像として固定するなんて、監督の手腕も疑われよう。

特撮やCGもお粗末。作り物であることが、一目瞭然だ。貧相極まりない。

こんなものを見せられて「感動しろ」、と言われても無理である。まあ、原作を読まずに映画だけ観た方には、そこそこ楽しめるかも知れない。だけどね、「これ、映画化するから、原作を是非読んでよ」みたいな宣伝方法で、やられた側にとっては「何やってんだ、この映画は! 馬鹿野郎!」である。演奏会だった、間違いなくブーイングを飛ばすところである。

原作をお読みになって、この映画をご覧になる方。覚悟して行かれた方が良いだろう。それから、新聞各紙で、この映画を絶賛していた評論家の皆様。あなたたちは、善良な映画ファンをミスリードするつもりか? この程度のものを観て誉めていたのでは、あなたたちの見識が疑われるぞ。

お金と時間を無駄にした。そして、原作で得た感動も。ああ、観なければよかった。

寒くてたまらん! 何とかしてくれ!
鼻水は出るが、雲故が出ないぞ!



...... 2005年 3月 07日 の日記 ......
■[ NO. 534 ]
発熱
晴れ。

ぽかぽか陽気のはずなのに、お昼前から、ものすごい寒気。オフィスの中だというのにコートとマフラーなしでは過ごせない。それでも寒い。

午後になって、またまた診療所に駆け込む。微熱あり。37度7分。あまりに寒く、からだもだるいので、病室(個室)の温度を上げていただいて、お薬を服用し、しばらく毛布を被って眠らせてもらうことにする。

寒気は消えたけれど、今日は3月1日のように、眠っても元気が戻らなかった。オフィスに戻り、やらなければならない最小限の仕事だけこなして脱出。

帰宅して沈没。


...... 2005年 3月 08日 の日記 ......
■[ NO. 535 ]
沈没
晴れ。

朝、起きると、微熱。無理すれば出勤できないことはないけれど、止める。このまま家を出たら、絶対に悪化するような予感がした。

・・・と言うわけで、朝から沈没。体調不良で仕事を休むなんて、何年ぶりだろう。ついこの間までは、熱があろうが吐こうが、仕事など休めなかった。

案の定、午後になって、熱が上がる。でも、自宅なので気分は楽。勤務日に家で過ごしているのに、不思議と罪悪感はない。こんなことは、初めてだ。

からだと神経が疲れるといけないので、音楽はいっさい流さない。そもそも「からだに良い音楽」なんてないのだから。眼と頭が疲れるから、読書もいっさいなし。ただ、ニュースを見ないと落ち着かないのは、なかなか悲しいものがあるが。

思い切り眠った。


...... 2005年 3月 09日 の日記 ......
■[ NO. 536 ]
開拓
晴れ。

3月4日の本欄で紹介した、2台用「ラフマニノフ:ピヤノ協奏曲第2番」の楽譜を購入。改めて、矢代秋雄氏による解説を読んだが、やはり凄い。

ラフマニノフの略歴から、曲の成り立ち、楽曲の特徴、さらには詳細な「演奏のためのアドヴァイス」。もう、これは読んでいて飽きない。別にわたくしは「全音楽譜出版社」の回し者ではないが、ラフマニノフ好きにとって、これは読んで損はないだろう。

この楽譜、例によってオンライン経由で購入した。前々から知っているショップだが、今回はその「楽譜ネット」というサイトを試してみた。国内の大手楽譜出版社だと、それぞれサイトからオンラインで購入できる。これは確実だ。だが、複数の出版社のものを同時に購入となると、サードパーティに頼らざるを得ない。

このサイトのケチンボなところは、購入金額の合計が3000円以上でないと、送料が460円もかかる。「amazon.co.jp」だと、1500円以上で送料無料になると言うのに。おまけにオンライン決済ができず、品物と一緒に請求書と振り込み伝票が付いてくる。代金は、コンビニ、郵便局、銀行で支払わなければならない。その手数料は、こちら持ちだ。今回は62円だったけど、やはり不満である。

で、目的とするラフマニノフは2520円。送料が無料でないと、何だか損な気持ちになる。そこで、買いたかった書籍も一緒に注文。シンコー・ミュージックが出している「音楽用語・楽器名由来事典」というものだ。先日「コレペティトル・のりこちゃん」が、「演奏会前に銀座のヤマハに行って購入したのですよ」と見せて下さり、内容が面白そうだったので思わず欲しくなってしまった書籍である。これが1260円。合計で3780円となり、めでたく送料は無料。

サイトから注文したのは6日(日)、到着は8日(火)。なかなか素早い対応で、この点は評価できた。それに、品揃えも良い。時間がなくてなかなか楽譜店に行けない方や、地方にお住まいの方には便利だろう。楽譜によっては、下手に楽譜店に取り寄せるより早く入手できるかも知れない。わたくしのように、1冊の楽譜のために、わざわざ交通費をかけて楽譜店に行くのが面倒だ・・・という人にも向いている。楽譜と音楽書に限って言えば、amazon.co.jpより格段に品揃えが良く、最新刊まで網羅している。国内の楽譜を購入するなら、こちらが良いのでは・・・と思った、わたくしである。

以上、ご参考までに。


...... 2005年 3月 10日 の日記 ......
■[ NO. 537 ]
疫病神は粛正されるべき
曇り。

旧・陸軍記念日。そして、ヒロシマ、ナガサキに並ぶ、国際法を無視した日本民族に対する無差別大量殺戮「東京大空襲」の日である。わたくしたちは、決してこの日を忘れてはいけない。慰霊の気持ちで起床する。

今日も、良くない知らせが入った。あくまで、個人的なもので、本人とわたくし以外には、あまり関係のないことなのだが。でも、悪い知らせには違いない。

最近、要所要所で、自分が大切な人に不幸をばらまいているような気がする。何だか、疫病神にでもなったようだ。それなのに、自分では何もプラスになることができないでいる。

自己嫌悪に陥る。


...... 2005年 3月 11日 の日記 ......
■[ NO. 538 ]
愉快なクッション
雨。

帰宅すると、ゆみこが「ほら、こんなの見つけてきたよ」と嬉しそうだ。

ワンワンのコーラス(?)


クッションである。何と1つ280円(!)。「パグ犬も、2つ、いるんだよ」。

パグ犬も2ついる


画像はちょっとモアレがかかってしまっているが、現物の絵はもっと鮮明である。こうした写真、巧く撮る手段はないのかな? ライティングがいけないのだろうか?

そうそう、「amazon.com」から、CDも届いていた。その話は、また今度。でも早かったなぁ。いちばん送料が安いのを選んだのだけど、「発送しましたメール」から、わずか6日での到着だ。


...... 2005年 3月 12日 の日記 ......
■[ NO. 539 ]
鍋パーティー
曇り。昼間は暖かいが、夕方になって冷え込む。

今日は夕方から「鍋パーティー」だ。連弾庵でやってもよかったのだが、ゲストに小さなお子さんがいらっしゃるので、こちらまで来られるのは、ちょっと大変。そこで東京・両国で実施とする。

今日は「ちゃんこ鍋」。これなら外国の方でも、子供さんでも一緒に楽しめる。

メンバーは、友人の「ゆきひささん」ご一家。ゆきひささんと、奥様のマリーナさん、2人のご子息「グレゴくん」と「アンちゃん」、ピヤノ・デュオ研究の松永晴紀教授、それにわたくしたちである。

メールではしばしばやりとりをしているゆきひささんだが、お目にかかるのは4年ぶり。あらかじめ、ゆきひささんから「上の子(グレゴくん)が、とても大きくなっているので、驚きますよ。それに、大人と同じ量の食事を食べますから」とメールを頂いていたのだが、ホントだホントだ、立派な小学生になっている!

「日本語、ずいぶん上手になったね」(ゆみこ)
「うん、それに英語もできるんだ!」(グレゴくん)

ちなみに、2人のご子息は、お母様とはロシア語で会話をしている。

さてさて、鍋を囲みながら、みんなでワイワイ・ガヤガヤお喋りだ。ピヤノ・デュオのこと、楽譜に関する情報交換、音楽業界人の消息をはじめとする裏話…この面子になると、お喋りの中身が濃くて、かなりヲタク的になる。これは楽しい。

途中、「こちらの座敷」に飽きてしまった人が約2名。座敷を抜け出して、別の座敷へ乱入していた。でも、あちこちで可愛がられていた模様。

あっという間に2時間半が経過し、鍋パーティーは終了。例によって「集合写真」を撮影するつもりだったのだが、座敷ではうまく撮れそうもなかったので、お店の前で、と後回し。これがいけなかった。

お店を出たところで空手を習い始めたグレゴくんが、いきなり「行くぞっ!」と、わたくしに「突き」と「蹴り」を喰らわして来た。「何を! やるかぁ!」と、わたくしも相手をしていたら、駅に着いてしまった。駅で散会してから「あ、写真撮るの忘れた」。

…というわけで、本日は「写真なし」である。

ご参加頂いたみなさま、ありがとうございました。


...... 2005年 3月 13日 の日記 ......
■[ NO. 540 ]
生かされている
晴れ。時々曇り。

風は冷たくても、空気は3月。街のあちこちで、沈丁花が香っている。

この1カ月間で、人生のいろいろな側面を見てしまった。それらは、個々バラバラにみたことはあっても、さまざまなものが一気に押し寄せてきて。それなのに、何もできない自分自身が苦しかった。

でも、大勢の方から、暖かいメッセージを頂いた。これらが、どれだけわたくしの心を癒して下さったことか。こんなわたくしに対しても、支えとなるメッセージを下さった方々、心から感謝いたします。

やはり、わたくしは、ゆみこを含む周囲の方々によって「生かされている」ことを実感した、昨今である。

俯いたり、振り返ったりするだけでなく、しっかり前を見て歩かなければならないのだ…そんなことを思ったわたくしである。

みなさん、ありがとうございます。

大切な人と一緒に買いに行った文房具
(糊入れ)。
14年間、ずっとわたくしの机の上にある。
大切な存在との、想い出の、ひとつ。



...... 2005年 3月 14日 の日記 ......
■[ NO. 541 ]
注目度、No.1
晴れ。

1日中、疲労感が取れない。

そうそう、演奏会のチケットを確保した。6月、タン・ドゥンが来日、NHK交響楽団を振る。タン・ドゥンは、わたくしが、いま、最も注目している作曲家。恐らく現在の作曲業界では、スーパースター的存在ではないだろうか。以前、ウイーンで氏の自作自演を聴き、大変に感動して、ゆみこ共々ファンになってしまった。このときのオケはウイーン放送交響楽団。もの凄く巧かった。

あの感動をもう一度・・・というわけで、チケットを購入。ゆみこは「N響が、ウイーンの、あの素晴らしいオケのように鳴るかしら?」と、懐疑度98.756%なのだが。

プログラムは2種類。

ひとつは、「Music Tomorrow 2005」というもので
・望月 京:クラウド・ナイン
・国枝春恵:地上の平和(初演)
・タン・ドゥン:紙楽器のための協奏曲

もうひとつは、N響サントリーホール定期で
・チャイコフスキー:ロメオとジュリエット
・ボロディン:ダッタン人の踊り
・タン・ドゥン:ザ・マップ
  〜チェロとビデオとオーケストラのための協奏曲

わたくしとしては、前者が圧倒的に興味があるのだが、ゆみこの趣味でない。それに会場がオペラシティーなので、連弾庵から遠い。必然的に後者になった。しかしN響に電話してびっくり。1階の比較的前の方で、2席連番で取れるのは、たった1カ所しかない、とのこと。ほぼ完売状態だそうだ。N響って、今でもそんなに人気があるのかなぁ。意外だった。

帰宅して、ほとんど何もせず、沈没。

腹が減ったぞ。何かくれよ!
(撮影:ゆみこ)


...... 2005年 3月 15日 の日記 ......
■[ NO. 542 ]
陽光の中で
晴れ。

今日も体調が、いまひとつ。ぱぐたちのように、一日中眠っていたい気分である。でも、わたくしも一応人間なので、やらなければならないことが、たくさん。

かなり疲労気味で、沈没。

春の陽光は、気持ちがいいぜっ!
(撮影:ゆみこ)



...... 2005年 3月 16日 の日記 ......
■[ NO. 543 ]
里親探し
曇り。

うさぎさんの里親探しを依頼された。とある事情があって、3羽のうさぎさんの里親になって下さる方を探すことになった。

わたくしたちの大切な友人が、家族として大切に育てていた、うさぎさんだ。何とか良い里親を見つけて差し上げたい。

今日は時間がなくてできないけれど、近日中にサイト内で「うさぎさん、里親募集」の告知を出すことにしよう。

本来ならば、わたくしたちが引き取りたい。でも、拙宅には「ぱぐ」と「あかね」がいる。今は、この子たちの世話で手一杯。それに元の飼い主と同様に家の中で大切に飼いたいが、そうしたら、ぱぐたちが「領土侵犯ぢゃっ!」と、うさぎさんに猛攻撃を加えることは明らかである。かと言って、室内で大切に扱われていたうさぎさんを庭で飼うわけにもいかない。

週末に「告知ページ」を作ることにしよう。


...... 2005年 3月 17日 の日記 ......
■[ NO. 544 ]
悲喜劇
雨。

携帯電話機をダメにした。1月に買い換えたばかりの端末である。

オフィスの便所で落とした。それも、見事に大便器の中に飛び込んだ。慌てて便器の中に手を突っ込んで拾い上げたが、アウトだった。電源も全然入らない。

慌てて、オフィスにいちばん近いボーダフォン・ショップに飛び込む。何せ、携帯電話なしでは、仕事や生活に支障をきたすからだ。

「どのくらい、水に浸かっていました?」
「十数秒」
「ああ、液晶のこの部分と、こちらにも水が入っていますね。
 恐らく電源が入ったとしても、ダメでしょう」
「修理、できませんかね。その間の代替機のレンタルも」
「水関係は、補償の範囲外なのですよ。修理には端末1台分以上の
 費用がかかってしまいます。それに修理も難しいですし」

仕方ない。新しい端末を購入することにした。

端末を買うこと自体は何でもないが、便器に落ちた端末、登録したデータを、どこにも保存していなかった。おかげで、何十件という電話番号やメールアドレスが消えてしまった。まさかこんなことになるとは思わなかったので、SDカードに保存しておかなかったのだ。

帰宅して、かなりの時間をかけて、データを全て打ち込み直した。

「便器に落ちた端末、買ってからトラブル続きじゃん。ご縁がなかったんだよ。それに、このところ起こった“良くないこと”をみんな持っていってくれたと思えばいいじゃん」(ゆみこ)。

どいうわけで、気に入っていた端末は、逝ってしまった。

便器から“救出”した端末。
電源がほとんど入らず、データも死んでしまった。
電源が入っても、誤動作ばかりする。もう、ダメ。
折角気に入って、使い慣れ始めたのに…



...... 2005年 3月 18日 の日記 ......
■[ NO. 545 ]
ベルティーニ氏逝去
晴れ。

ガリー・ベルティーニ氏が17日(現地時間)、テルアビブにて逝去した。享年77歳。何度もその名演に接しているだけに、とても寂しい。

最初に演奏に接したのは1984年のこと。NHKのFMで聴いた、マーラーの9番。確か、ケルン放送交響楽団のライヴだったと記憶する。これが強烈だった。特に第4楽章の表現。極端に遅いテンポを取りながら、大きなうねりを作って行く。それまで好んで聴いていたワルターやバーンスタインとはまったく違った曲作り。放送を1度聴いただけで、のめり込んでしまったわたくしである。

いつかライヴで聴きたい。

そう思っていたら、機会は意外と早く訪れた。85年2月、東京都交響楽団を指揮するために来日、この演奏会に駆けつけた。しかも1週間に2回も。2月21日はマーラー「復活」、そして26日には第9番。21日は1階中央2列目で、26日は同じく最前列で、ベルティーニ氏に接した。この演奏は、いまだに忘れられない。音楽も凄かったが、視覚的にも強烈だった。わたくしの眼にはベルティーニ氏が、まるで優秀な軍隊を統率する圧倒的指導力を持った指揮官、というように映った。そして、それまで聴いていた都響とは思えないほど(失礼!)豊饒でダイナミックな音楽を耳にした。もう、完全に氏の虜になってしまった、わたくしである。

その後、機会があるたび、氏の名演に接し、録音を楽しんできた。最近では、あまりチャンスに恵まれず、98年11月22日、サントリーホールでマーラーの3番を聴いたのが最後になった。この演奏も円熟した上に独特の鋭さを備えた名演だったことは言うまでもない。

もっと機会を作って、氏の演奏をたくさん聴いておけばよかった。

合掌。


...... 2005年 3月 19日 の日記 ......
■[ NO. 546 ]
お得なリスト
晴れ。

連休1日目。「Seetmusic Plus」に頼んでいた楽譜が届く。小包の中身は…

・チャイコフスキー:弦楽セレナード
・リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
・キュイ:ミニアチュール組曲
・リスト:交響詩集

いずれも連弾で、出版社はKalmusだ。「弦楽セレナード」はコピーを持っていたのだが、「ちゃんとした楽譜」が出ていることを知り、CDも入手したこともありあえて購入。リストの交響詩集は何が入っているのか分からなかったけれど、「えい、やっ!」で購入。いずれも作曲者自編で、(1)レ・プレリュード、(2)オルフェウス、(3)プロメテウス、(4)山上にて聞きしこと、(5)マゼッパ…である。(1)は「G.Schiemer」からも出ているが、中身は一緒。せっかく購入するのだったら、Kalmus版の方がお得である。ご参考までに。

ちなみに今回も「共同購入」だ。「コレペティトル・のりこちゃん」に「チャイコフスキーの弦楽セレナードと悲愴交響曲の連弾楽譜があるよ」と教えて差し上げたところ、「一緒に買います!」。というわけで、送料の一部を負担していただいた。有り難い次第。

…でも…未整理の楽譜が、どんどん溜まって行く。そろそろ整理しないと楽譜に申し訳ない。

反省。

春の散歩は、楽しいぜっ!



...... 2005年 3月 20日 の日記 ......
■[ NO. 547 ]
街を歩けば…
晴れ。

連休2日目。妙なところで地震が起きた。福岡沖。M7である。このあたり、さまざまな理由から、ほとんど地震が起きない。正直言って、福岡沖でM7クラスの地震が起きたことには、本当に驚いた。やはり日本は「地震国」であることを実感する。

被災された皆様には、こころからお見舞いを申し上げたい。

さて、とても良く晴れて気持ちが良いので外出とする。1カ月ぶりの銀座。ブラブラ歩いていたら、またまた人だかりが。デジカメを抱えて走り寄ったら、いたいた、こんな人が!

わしが誰だか知ってるか?
「チャイニーズ・シャーペイ」という
珍しいワンワンだぞ! 参ったかっ!


「話には聞いたことがあるけど、現物にお目にかかったのは初めてだよ」(ゆみこ)

無論、わたくしも初めてである。それも2つも一緒に(2つ並んだ写真は撮影できなかった。残念)。

銀座を歩いていると、いろんな人に会うものだ。


...... 2005年 3月 21日 の日記 ......
■[ NO. 548 ]
まだだよ、まだだよ
晴れ。

連休3日目。穏やかな日。

散歩の途中で、木立を見上げる。いま満開は梅。それに沈丁花が香ってくる。あちこちでミモザアカシアが咲き始めた。街に黄色の彩りを添えている。いつもなら、もう盛りの木蓮はまだ。開花まで、もう3〜4日かかるかな。今年は、ちょっと遅いみたい。

桜は、まだまだ。去年の今頃。もう、咲き始めていたっけ。丁度、わたくしは久しぶりのドイツへ。「ドイツに行ってる間に、散ってしまうのではないの?」と、みんなから言われていたけれど、桜は4月まで咲き誇っていた。今年は、まだ蕾も姿を見せない。春の訪れが、ゆっくりなのだろうか。

…まだだよ、まだだよ… 白木蓮



...... 2005年 3月 22日 の日記 ......
■[ NO. 549 ]
思わぬ出会い
雨。

昨日までとは、打って変わってのお天気だ。

最近、大変珍しい楽譜を一度に入手した。内訳は、以下の通り。

・ラフマニノフ:交響曲第3番(連弾)
・ドヴォルザーク:交響曲第7番(連弾)
・ドヴォルザーク:交響曲第8番(連弾)
・ミャスコフスキー:交響曲第6番(連弾)
・ベートーヴェン:交響曲第5番(2台)
・ベートーヴェン:交響曲第9番(2台)
・チャイコフスキー:交響曲第6番(2台)
・ブルックナー:交響曲第4番(2台)

ラフマニノフの交響曲は、ロシア人のどなたかの編曲。速度指示や発想、奏法などは普通のアルファベットなのだが、人名・作品名・出版社等の表現は、すべてロシア文字。全然分からず、四苦八苦している。そのため、どなたの編曲か分からない。どこか、ロシア文字を普通のアルファベットに変換してくれるサイトを見つけて、文字を置き換えないと。きっとどこかにそうしたサイトがあると思う。探してみよう。

ドヴォルザークは、2曲とも編曲者は明記されていないが、編曲手法を見る限りでは、作曲者自編と思われる。複数の文献で、第7番〜第9番の交響曲を自編していることを確認しているので、この楽譜はその確率が高い。

ミャスコフスキーの編曲者は、何とカバレフスキー。非常にピヤニスティックな編曲だ。これ、演奏効果が上がりそうである。

ベートーヴェンは、2曲とも編曲者の記載なし。まだ全部見終わっていないので、誰の編曲だか推定もできない。でも、ちょっと見た限りは、とても面白そうだ。ブルックナーも同様。

チャイコフスキーは、シャエファー(?)という人の編曲で、これもちょっと見ただけだが、なかなか良くできている。

思わぬところで、思わぬ楽譜に出逢ったものだ。特に、ドヴォルザークは、探しても探しても見つからなかったのでとても嬉しい。ラフマニノフは、あと第1番があれば、すべて連弾で揃うことになり、これも嬉しい。


...... 2005年 3月 23日 の日記 ......
■[ NO. 550 ]
小包から出てきた人
雨。

今日も朝から降り続く。でも、寒くはない。蕾をふくらませ、眠った木の芽を起こす、春の雨だ。

帰宅したら、ゆみこが「これ、届いたよ〜」。お友達の「くるくるぱみん」さんからのゆうパック。

開いてみると、「鎌倉に遊びに行って見つけました」のメッセージとともに、こんな人が出てきた。

こんな人が出てきたよ


中は籠になっていて、首のところが開く。わたくしたちは、このシリーズが大好きだ。何とも嬉しい次第である。


...... 2005年 3月 24日 の日記 ......
■[ NO. 551 ]
行きたいけれど…
晴れ。夜になって雷雨。

明日から「愛・地球博」が始まる。ゆみこが公式サイトを見ながら、「行きたいなぁ」。

わたくしだって行きたい。冷凍マンモスやいろんなロボットを見てみたいし、「サツキとメイの家」だって行ってみたい。普段、ずっと家にいる、ゆみこを連れていってあげたい。だけど、連弾庵には「ぱぐたち」がいて、置いていったら可哀想。ゆみこだって、ぱぐたちを置いていったら心配になるのは目に見えている。

それに、相当混みそうだ。

先日報道機関向けのプレビューがあって、わたくしの社からも何人も行ったのだが、「報道向けなのに、30分以上並ばなければならない展示が、たくさんあるのですよ。みんな、“手際が悪いぞ〜っ!”って、ブゥブゥ文句を言っていました」(参加した記者の弁)。

この手の報道プレビューには、こじつけでも理由をつけて参加する、わたくし。しかし、今回は叶わなかった。まあ、報道プレビューで、この状態である(普通は、そうした状態には、まずならない)。一般公開で行ったら、余程綿密に計画を立てない限り、見たい物も見られずに帰ってくる可能性が高い。

特に今回は、多くのパビリオンで「予約整理券」方式を導入しているので、これを相当うまく活用しないとダメの模様。「サツキとメイの家なんて、ずっと先まで予約ぎっしりで、とてもじゃないけど入れないよ」(ゆみこ)。

今回は、諦めかなぁ…


...... 2005年 3月 25日 の日記 ......
■[ NO. 552 ]
春の寒さの暖かさ
晴れ。冬が一瞬、戻ってきたような寒さ。

わたくしのサイトでも告知しているが、「急募! うさぎさんの里親」である。とにかく、3羽のうさぎさんの里親を見つけなければならない。

実は、わたくしの社内掲示板にもメッセージを出してみた。そうしたら、知ってる方、知らない方、大勢の方からメールや電話を頂いた。そのほとんどは「自分の家では飼えないけど、誰か飼えそうな人を探してみます」。いや、それだけでも有り難い。

ところが昨日になって、ある方がわたくしを訪ねてこられて「もしかしたら、1羽飼えるかも知れません」。これは嬉しい。さらに今日になって、その方が「もしよろしければ、今週末に、そのうさぎさんと面会させていただけませんか?」。

即座に「飼い主」に電話。明日の約束を取り付ける。

この「縁談」、うまく行くといいな。「うさぎさんを引き取ってもいいかな」と仰って下さっているのは、とても良い方なので、是非とも良い結果になってほしい。

さあ、明日は、わたくしも頑張るぞ!


...... 2005年 3月 26日 の日記 ......
■[ NO. 553 ]
ある旅立ち
晴れ。

本当に心地よい、春の一日。

朝から所用でバタバタした後、早めに昼食、そして早めに散歩。春の陽光を浴びて、ぱぐたちも楽しそう。

辛夷が咲いたよ


14時半、連弾庵を出発。うさぎの里親を募集している「ろーべると」さんのお宅に伺うためだ。昨日の「日乗」で書いた通り、里親候補が現れた。候補の方と、ろーべるとさん、そしてうさぎさんを引き合わせようというのである。

あとら
ろーべると邸のすぐ脇まで来たら、タイミング良く里親候補のMさんご一家が登場。ろーべるとさんも現れて、いざ、うさぎさんのところへ。

Mさんご一家は、写真で見た「あとら」がご希望だった。気に入っていただけるかな? 祈る気持ちで、Mさんご一家と「あとら」が対面。嬉しいことに、一度で気に入っていただけたようだ。あとはろーべるとさんとMさんご一家が、いろいろ相談。その上で、最終的にMさんご一家が「あとら」の新しい飼い主に決まった。

Mさんご一家は、うさぎを飼うのは初めて。そこで、ろーべるとさんに様々質問をしていた。ただ、ご主人が動物好きで、いろんな生き物を飼ったことがあるので、とても安心だ。「この方々なら、とても可愛がっていただけるな」、ろーべるとさんも、わたくしたちもそんな感触を持った次第である。

こうして「あとら」は、新しい飼い主の元へと去っていった。自分のお家、餌やお水のお皿と一緒に。

さて、それからは、「あとら」の前途を祝し、亡くなった「さくらちゃん」の想い出話をするために、亀戸の料理屋に出撃だ。ネットで、それに相応しい料理屋を探して、席を取っておいた。実はこの料理屋、幻的存在の焼酎「百年の孤独」を、ボトルで提供してくれるのだ。この焼酎、大変に美味しいが、地元の宮崎でも滅多に入手できない。東京でも置いてある飲食店は少数ながらあるが、ボトルで提供してくれるところは、恐らくほとんどない。数日前、席と一緒に「百年の孤独」も予約しておいたことは言うまでもない。

百年の孤独


わたくしたちは、たくさん、たくさん、お話をした。とても素敵な想い出ばかりを遺してくれた、さくらちゃん。話は汲めども尽きない。話をしているうちに、わたくしたちがどれだけさくらちゃんのことを好きだったのか、そして、ろーべるとさんが、いかにさくらちゃんを愛していたのかを、改めて認識した。

お店の雰囲気は良かったし、お料理も美味しい。そしてもちろんお酒も。

そうした話題を進めていたら、ついつい呑みすぎてしまった、わたくしである。「また一緒に呑もうよ」と、ろーべるとさんに「さよなら」を言ったわたくし、ゆみこにタクシーへ放り込まれた。「あなた、もうそれじゃ、電車で帰れないよ」。

珍しく泥酔して沈没だ。


...... 2005年 3月 27日 の日記 ......
■[ NO. 554 ]
もうすぐ
晴れ。

昨日に続いて、素敵な春の日。東京は、今日が桜の開花予想日。でもニュースで何もやっていなかったところを見ると、開花しなかったのだろう。ちなみに気象庁が「東京で桜が咲いた」と宣言するのは、九段・「靖国神社」の境内にある桜を基準としている。

ちなみに連弾庵近辺の桜も、まだ。ほとんどの木は、蕾も姿を見せていない。ごく一部だけ、「もうすぐ開くよ」と宣言している。

もうすぐ開くよ


桜はまだだけど、花でいっぱいの街を歩くのは楽しい。梅は見頃だし、雪柳、辛夷、木蓮なども咲き始めた。あるお宅の庭では、濃い朱の木瓜がそれは鮮やかに咲いている。春の柔らかな陽光の中を歩くと、心が和む。

春だぞ、春ぢゃっ!



...... 2005年 3月 28日 の日記 ......
■[ NO. 555 ]
ケチンボ!
雨。

かなり前から、ちょっと気になるキャラクタがあった。オレンジ色のからだに、半眼の眠そうな顔。だけど、何だがとても愛らしい。

ひょんなことから、そのキャラクタの正体が分かった。「Die Maus」(ディー・マウス)という、ネズミである。そのものズバリのネーミングだ。ドイツでは30年以上にわたって大人気のキャラクタなのである。「日本におけるドイツ 2005/2006」の公式キャラクタにもなっているのだ。

どうしても、このぬいぐるみが欲しくなった。

ダメもとで、いつも利用している「amazon.de」に行ってみる。そうしたら、あった、あった! Die Mausが! 身長25cmと、なかなかの大きさで、9.99ユーロ。とっても可愛い。

Die Maus


これは、いいぞ! と買い物籠に入れる。タール&グロートホイゼンの新譜(モーツアルト:ピヤノ・デュオ全集の1巻目)と、ペキネルの新譜(J.S.バッハ:2台のピヤノのための協奏曲集:正確にはクラヴィアとすべきなのだが、ピリオド楽器を使っていないのであえてこのように表記する)を購入する都合があったので、丁度良い。

Die Mausを買い物籠に入れたら、「こんなのもあるよ」と、可愛い縫いぐるみが、後から後から表示されるではないか!



こんなのやら、



こんなのやら。

あまりに可愛かったので、この他にも次から次へ、ボコボコと買い物籠に入れた。

さて、チェックアウト。

こちらにはユーザー登録してあるので、いつものように処理を進める。ところが最後の精算になってこんなメッセージが!

「! Wichtige Nachricht !」

こんなのが出るの、初めてだ。で、その下の方を見ると、CDには何もメッセージが出ていないが、Die Mausを含むぬいぐるみには、すべて「申し訳ないが、貴殿のご住所にはお届けできない。ゴメンネ」。ぬいぐるみ、日本には送ってくれないのである。恐らく、CDなどとは送料の体系が異なるのと、外国への梱包が面倒なのだろう。

amazon.deめ! 散々買い物しているのに、縫いぐるみはダメなのか! せっかく楽しみに買い物をしていたのに。もの凄く、がっかりした。

amazon.deの、ケチンボ!


...... 2005年 3月 29日 の日記 ......
■[ NO. 556 ]
突然来襲
朝は雨。午前中は晴れ。午後から曇り。

「かずみさん、準備はよろしいでしょうか?」

編集者の星川さんからのメールだ。

「???」

仕方ない、電話する。

「何のこと?」

「ほら、加藤浩子さんと組んでの新連載ですよ。今週から始まります。加藤さんからは、もう原稿を頂いており、かずみさんの締め切りは来週火曜日ですよ」

「そんな! だって、加藤さんも“いつから始まるの?”って聞いていたじゃない」

「ああ、加藤さんの原稿は、これまでの連載でやっていた最後の分を、そちらに回すことにしました。というわけで、かずみさん、よろしくね」

ぎゃぁー。

確かに、20本分のネタは考えてある。しかし、わたくしにだってスケジュールがあり、いきなり言われても困る。執筆に当たっては、調べなければならないことだってあるし。一応、2週間のスパンで考えていたのに、締め切りまで、あと1週間だ。

仕方ない。何とかスケジュールを調整して準備するとしよう。

最初から、ちょっと苦しいスタートだ。

近所の公園
車止めの柵に突如現れたオブジェクト



...... 2005年 3月 30日 の日記 ......
■[ NO. 557 ]
ゆみこの安堵
晴れ。

amazon.de、ぬいぐるみの発送ができなくて安心したよ」。

一昨日の「日乗」を読んでの、ゆみこのコメントだ。

「これ以上、ぬいぐるみが増えたら、あなた、どうするつもりなのよ? ただでさえ、家中にぬいぐるみが溢れているというのに!」

確かにそれはそうなのだが、やはり欲しい物は欲しい。これらのぬいぐるみ、「Schmidt Spiele GmbH」というドイツの会社の製品なのだが、オンラインで販売しているのは、amazon.deだけの模様。ずいぶん探したのだが、ここしかなかった。オンラインで購入できるところがあったら教えて頂きたい次第だ。

ただし、「Die Maus」だけは、期間限定で六本木ヒルズにて購入できることが分かった。よーし行くぞ、六本木ヒルズ。何としても「Die Maus」を入手してやる!

街は、お花でいっぱい


...... 2005年 3月 31日 の日記 ......
■[ NO. 558 ]
開花宣言
晴れ。

明日から個人情報保護法が施行される。わたくしの勤務する社も、万全の体制を敷いた。だけど最後は神頼み。法務部門の主要メンバーが揃って近所の大きな神社様にお参りに行く。「何事もありませんように」と。

今日は、本当に春らしい1日。街を歩いていて、とても気持ちよかった。春の陽光を浴びて、幸せを感じる。でも、感じるのは幸せだけではない。察していただきたい。

気象庁は、東京都心での、桜の開花宣言をした。これから約2週間、春のお祭りだ。連弾庵近辺の桜も、早い樹では、この週末にも開花しそうである。いつになっても、この季節は楽しいね。

皆様の周りでは、いかがですか?

近所のお宅に咲いている木瓜