曇り。ちょっと冷え込む。
妻が「目黒雅叙園に行こう」という。何でもここには宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」で出てきた湯屋のモデルになった部屋があるという。建物の見学とお食事とのセットでちょっとお高めだが、妻が行きたいと言っているし、たまにはいいか、と思った。それに拙者も建物には興味がある。あまり寝てばかりいるのも良くないので、午後からふらりとでかけることにする。
目黒の前に銀座・ヤマハに寄った。音楽関連の書籍を探すためだ。和書は良いのが見つかったのだが、何冊も持って帰るのは重くてかなわない。書名だけ控えて、後はamazon.co.jpで購入することにした。これなら無料で家まで届けてくれる。一方、以前人に貸したまま行方不明になってしまった指揮法の教科書(英文)を探すが、残念ながら見つからず。
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銀座ですれ違った人たち。
モデルになって下さったワンちゃんと飼い主さん
ありがとうございました。 |
さて、銀座で用事を済ませた拙者たちは目黒に出現だ。建物のガイドツアーは1時間強。これはなかなか面白い。
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映画「千と千尋の神隠し」の湯屋・宴会場の
モデルになった部屋。映画の雰囲気そのものだ。
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建物そのものは昭和初期の成金趣味で建てられたものなので様式的にどうの・・・というものはないが、装飾や建築方法、構造などの説明はとても楽しめた。確かに映画で見た湯屋の宴会場そのものだったし(映画ではもっと広く描かれている)、湯屋の従業員たちが寝泊まりする宿舎のモデルになった部屋などもあって、映画を楽しんだ拙者たちとしては面白く見ることができた。これはこれで満足だった拙者たちである
ただ、その後のお食事が良くなかった。拙者たちは中華料理のコースを選んだのだが、値段の割に内容が貧弱。おまけに味も今ひとつ。特に「野菜鍋」は最悪だった。妻がついに爆発。途中から「これ、不味くてたまりません。下げて下さい!」。久々の「マグニチュード6」である。それにコース料理だというのに、コースメニューは提示されないし、運ばれて来るお料理の説明もない。個々の従業員のマナーは良いのだが、レストランとして根本的なところができていない。これではサービス業として失格だ。これでは「また来よう」という気には、とてもではないがならない。
そもそもサービス業は、リピータが来なければ基本的に継続できないはずだ。そのあたりのことを抜本的に見直さないと、ここの経営は危ういだろう。もっとも雅叙園そのものが御存知の通り経営難だ。バブル崩壊後、設備更新などに伴う多額の借入金が経営を圧迫し、2002年8月に会社更生法の適用を申請した。その後、米国の投資会社・ローンスターグループが再建を試みていたが、この会社もついにギブアップ。挙式サービスのワタベウェディングに保有する全株式の売却を、この4月に決めたばかりだ。過大投資の失敗は(建物内部に入ってみればよく分かる。あまりにバブリーだ)もちろんだけど、入ったレストランのサービス内容にも、雅叙園が内包する問題の一端が表れていたような気がした。
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