Duo T&M 連続連弾コンサート
開催趣旨
 近年再びピアノアンサンブルが盛んとなっていおります。これまで、内外の多くの演奏家によって、さまざまなピアノアンサンブルの魅力が聴衆に届けられてきましたが、演奏行為そのものが、他の音楽に対する積極的な関与を求める方法のひとつとして、ピアノアンサンブルの果たす役割が広く認識されてきたことが、その一因と考えられます。

 とりわけ、同一鍵盤上で二人の演奏者が音楽を構築する「連弾」は、親密な印象とも相まって手軽にピアノによる合奏を楽しむことができる究極の姿と言えましょう。

 また、この連弾という言葉、他言語ではピアノアンサンブルの一分野として捉えられていることに対し、1台4手の形態を一単語で言い表す日本語独特のもので、わが国の国民性とも妙にマッチしたスタイルと言っても過言ではありません。

 しかしこの分野、長い間、教育的な目的における有用性が注目されてはいましたが、演奏会プログラムのレパートリーの拡充、そして聴衆への曲の紹介という点では、ソロに比べて必ずしも十分ではありませんでした

 実際のところ、楽譜やCD等、必要な資料についての情報が、思いのほか入手しがたいのが現状です。

 いまだ広大な未開拓の領域が残されているこの分野に、もっと踏み込みたい..。

 そんな思いをいつも抱いていた中、かずみ・ゆみこご夫妻との出会いが、連弾奏者である我々にとって、今後の活動にひとつの示唆を与えてくれました。

 我々は連弾にかかわって20年余です。その中で出会った、私たち同様にその魅惑の世界を探求してこられたご夫婦との交友を通じて、存在こそは知られていながら資料入手困難な珠玉の名曲を、可能な限り一人でも多くの方にお伝えする機会を創出することが、この連続演奏会の目的です。私たちのこれからの活動にとっても、日本の聴衆の方々に普段は聴くことが困難な名曲を紹介するという点で、深い意義を持つものであると考えております。(Duo T&M =豊岡 智子・正幸)
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