オーベールの作品 
Louis-Francois-Marie Aubert
(1877〜1968)


☆イマージュの一葉☆
Feuille d'Images:Cinq pieces enfantines
作曲年代:1930
演奏形態:連弾
原曲:連弾オリジナル
参照楽譜:Dudand


 それは楽しい連弾曲。プリモに要求する技術レヴェルは、バイエル修了程度。副題に「子供のための5つの小品」とあるのですが、どうしてどうして。大ホールでの演奏会に持ち出すことができる、華やかな演奏効果の、非常に充実した作品です。もちろん、先生と生徒、初心者と上級者の「楽しい連弾タイム」やレッスンにも最適。

 5曲で構成。それぞれ演奏時間は3〜4分。いずれも楽しいいタイトルが付いています。(1)内緒の話(Confidence)、(2)進軍の歌(Chanson de route)、(3)セレナーデ(Serenade)、(4)遠い国(Des pays lointains)、(5)くまの縫いぐるみの踊り(Dance de l'ours en peluche)−−−といった具合に。

 各曲とも、プリモは1つのポジションで弾くことができます。それぞれ左手/右手の順に、第1曲:C-D-E-F-G/A-B-C-D-E、第2曲:G-A-B-C-D/左手の1オクターヴ上、第3曲:E-F(あるいはF#)-G(あるいはG#)-A(あるいはA#)-B/左手の1オクターヴ上、第4曲:G-A♭-B♭-C(あるいはC♭)-D♭/E♭-F-G♭-G-B♭、第5曲:E-F-G(あるいはG#)-A-B//左手の1オクターヴ上。こうした指使いからもお分かりかも知れませんが、プリモの左右は独立し、ほとんどユニゾンでは動きません。

 ちなみに、セコンダの技術レヴェルはソナタ・アルバム修了程度です。アンサンブルを制御するのもセコンダの役目。セコンダにとっては、ちょっと損な役回りですね。このあたり、アンドレ・カプレの「小さなこと、いろいろ」(A.Caplet:Un tas de petites choses)と同じです。

 何故、こうした「プリモが楽」な作品が、いくつも手元にあるかと申しますと・・・。ずっと以前、わたしたちデュオの下手な方(夫・かずみ)は、「いかにして自分が楽な立場で、連弾を成立させるか」ということに執念を燃やしていた時期がありました。長いことピヤノを弾いていなくて、そして弾きたくなって、連弾も本格的にやりたくなって。だけど単純な練習曲では面白くないし。そこで「相手に負担を押しつけて、自分は楽に弾ける、そして演奏効果の上がるコンサート・ピースを」と探し出したのが発端です。自分勝手の権化みたいな、曲の探し方ですわ。

 なお、この楽譜(Drand版)、表紙が実にお洒落。2人の女の子が並んで鍵盤に向かっていて、そのピヤノの上ではくまの縫いぐるみがダンスをしています。ピヤノの横では、ワンちゃんとニャンコさんと、小鳥さんが演奏を聴いています。これは楽しい! ただし難を言えば、中綴じがないため、油断をすると楽譜がバラバラになってしまうこと。Durand版は、他にも中綴じしていない楽譜がいくつもあったな、確か・・・。