...... 2004年 9月 01日 の日記 ......
■[ NO. 345 ]
ピヤニストからのメール
晴れ。時々曇り。相変わらず蒸し暑い。

今日から9月、この前お正月だと思っていたら、1年の3分の2が、あっという間に過ぎてしまったことになる。少々疲れ気味。

ピヤニストの「佐々木素さん」からメールを頂く。何カ月か前、佐々木さんと山内知子さんが弾いた佐藤敏直氏の、ピヤノ・デュオばかりを集めたCDを入手した。なかなか良い演奏だったので、「今週の1枚」で紹介しようとした。ところがレーヴェルが全然分からない。ググろうが、Yahoo!しようが、まったく手がかりがない。そこで本サイトの「更新情報」のところに、「演奏者の方の連絡先を御存知ありませんか?」とのメッセージを出しておいた。そうしたら、今日になってそれをご覧になった佐々木さんご本人からメッセージを頂いたのだ。

それによれば、このCDはプライベート盤とのこと。ただし、銀座のヤマハと山野では店頭で販売しているし、佐々木さんにご連絡すれば購入できるとのことだった。これなら大丈夫。後日「今週の1枚」で紹介することにしよう。

佐々木さん、メールをありがとうございました。でも嬉しいな。こうして演奏者ともお話しできるなんて。やはりネットの力は凄いと思う。


...... 2004年 9月 02日 の日記 ......
■[ NO. 346 ]
不快な残暑
晴れ。時々曇り。まだまだ蒸し暑い。

多忙。疲労が募る。午前1時に仕事を終えて、やっと数件のメールに返事を書いて、沈没。


...... 2004年 9月 03日 の日記 ......
■[ NO. 347 ]
落雷
晴れ。時々曇り。夜半から猛烈な雨と雷。

午前中は、眼科の定期検診のため、病院へ。しっかり見ていただいたが、やはり左目の経過がよろしくない。良い状態とは、言えない。危険が大きいため治療はできず、投薬で症状を抑えていくのがやっとだ。何だか目の前が真っ暗になる。物理的にも左目視野の「ぼんやりと黒い煙がかかった領域」が濃く、広くなっているし、視野の歪みも酷い。どうなるのかなぁ・・・。

午後から夕方にかけて一仕事した後、誘われて暑気払いの第5弾。今日のお相手はシステム・エンジニアでオペラ大好き男の「宇宙の風」氏。もう、14年くらい付き合っている。彼も、パソコン通信で知り合い、意気投合して今まで付き合いを続けている。「宇宙の風」は、パソコン通信時代のハンドルだ。暑気払いの舞台、今日は東京の下町・湯島。学問の神様「湯島天神」のある湯島である。疲労が激しかったが、思い切り呑んでしまった。終電には間に合ったが、とてもではないが電車で帰れる状態ではない。タクシー帰宅となる。ただ、「かずみ2号」を駅前に停めてあったので、駅前でタクシーを降り連弾庵へ戻る。

戻った途端、猛烈な雨、そして雷が鳴り出した。しばらくしたら、「ドーン」と大きな音がして、連弾庵が激しく揺れた。ごく近所に落雷があった模様。次の瞬間、家中の電気が消え、パソコンがダウンし、空調も止まった。2〜3秒して再び電気はついたが、パソコンが「電源投入の初期状態」になり、ルーターとエアコンが暴走を始めた。2台のパソコンは幸い無事だった。仕方なくルーターとエアコンを再立ち上げしたが、ルーターは通信機能は正常のようだが「DIAG」の赤いランプが点滅して、どこかに異常があることを示している。マニュアルがないので何が何だか分からない。エアコンはうまく動かないので停めた。

パソコンに異常がなかっただけでも幸いである。これがダメになると、仕事できないからね。とにかく落雷でこんなことになったのは初めてだ。


...... 2004年 9月 04日 の日記 ......
■[ NO. 348 ]
「M8(エムエイト)」読了
曇り、時々雨。夜になって激しい雷雨。

今日は完全休業。読書とぱぐたちの散歩以外、何もしないことにする。

午後3時過ぎ、ぱぐたちの散歩に出た。蒸し暑く、不快な残暑。滝のように汗が出る。もう蝉は鳴いていない。ただただ蒸し暑いだけである。

散歩から帰って書斎に籠もり、高嶋哲夫先生の新作「M8(エムエイト)」(集英社)を一気に読む。

巨大地震をコンピュータ・シミュレーションで予知できるかどうかは別として、小説としては完成度の非常に高い作品だった。リアリティーと迫力がある。登場人物が「生きて」いる。災害小説としては、第一級の出来であろう。それに「地球シミュレータ」など実在の施設が次々登場、臨場感を盛り上げる。災害や対策の描写も実にリアルである。これは、素晴らしい小説だ。是非多くの方に読んで頂きたい。


...... 2004年 9月 05日 の日記 ......
■[ NO. 349 ]
麦酒と空振り
雨、時々曇り。

主治医から処方された睡眠薬と抗ヒスタミン剤をアルコールで呑み降ろしたところ、爆睡した。午後は用事があるので午前10時くらいに起きようと思ったが、猛烈に眠ってしまい、妻から起こされたのが11時20分である。10時間近く眠っていたことになる。

午後からは恵比寿の「麦酒記念館」に出現。友人の「でゅお・ぽんかん」のミニ演奏会を聴くためだ。曲目は以下の通り。

・モーツアルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク(連弾版)
・モーツアルト:レクイエム(抜粋:連弾+混声合唱)
・ラフマニノフ:6つの小品

楽しい演奏だったけど、ラフマニノフでは「走り過ぎ」も見られた。若いから、とにかく指が回ってしまうのだろう。そのあたり、今後、彼女たちが伸びて行く上での重要な課題だろう。妻も同じことを言っていた。

モーツアルトのレクイエム。妻によれば「比較的小さな会場だったら、合唱も少人数で十分な演奏ができるね」。この日の合唱編成は、2+3+2+3だったが、意外とイケル。この連弾版のレクイエムは「うさぎ連弾隊」が、パリあたりで見つけてきたちょっとアヤシイ楽譜(合唱は、まともな楽譜を使っていた)。アヤシイものが大好きな拙者にとっては、なかなかそそられる。

約1時間の演奏会を楽しんだ後、ホールの裏手にあるビアハウスで、うさぎ連弾隊の「さくらちゃん」(相方のローベルトは日曜なのに仕事が入って欠席)、ふらわぁさん燐寸先生、拙者たち夫婦の5人で真っ昼間から麦酒。デュオとピヤノレッスン談義で大いに盛り上がる。楽しい時間は、あっという間。1時間ちょっとお喋りして散会だ。

拙者たちは、その足で銀座へ。いつも利用している某ブティックから「9月3日に全面改装してリニューアル・オープンです。お買い物にいらしてね」というカードをもらっていたので行ってみた。拙者は、リュックサックと雨傘が欲しかったのだ。ところが拙者の担当さんがお休み。・・・と言うわけで、何も買わずに帰ってきた拙者たちであった。それから「ぶらぁぼ」も欲しくて、ヤマハミュージック東京銀座店山野楽器銀座店に行ったのだが、どちらも品切れ。ああ、銀座は空振りだった。疲れた。


...... 2004年 9月 06日 の日記 ......
■[ NO. 350 ]
よく分からないこと
曇り。

昨日の日記で書き忘れたのだけど、恵比寿ガーデンプレイスには、ワンワンを連れた人が大勢いる。ぼーっと歩いていたら、大きな黒いラブラドールのしっぽを踏みそうになった。何せその黒ラブちゃん、かわいいTシャツを着ていたので、一瞬、人間の子供さんがいるのかと思ったのである。はっと見たら、ワンワンだった。ほんの数センチのところでしっぽを踏まずに済んだ。人間にはしっぽはないからね。デジカメを持っていたのに撮影して来なかった、愚かな拙者である。面白い写真が撮れたのに・・・。

しかしなぁ、恵比寿にしろ銀座にしろ、どこから大量のワンワンが出てくるのか、疑問である。よく分からない。

昨日は、南海トラフで2つの大きな地震が起こった。起こった場所と最初に発表された震源の深さ(10km)から、拙者は浅い角度の逆断層型かと思っていた。そうしたら、今日になって、深い角度の逆断層型、深さは40kmとの発表があった。この位置で深さ40kmだったらプレート内地震だ。ちょっと予想外である。うーん、こう言うこともあるんだ。地震って、よく分からないね。


...... 2004年 9月 07日 の日記 ......
■[ NO. 351 ]
新記録、そしてデュオのこと
曇り、そして断続的に雨。

風の音が聞こえる。台風18号の東側の風だ。この風は未明にかけて、ますます強くなるらしい。

それにしても、新記録だ。別にオリンピックではない。日本本土に年間で上陸した台風の数である。この18号で7個目。1951年に正式な台風観測が始まって以来の新記録だそうだ。それでも今日は、まだ9月の初め。まだまだ台風が発生して上陸する可能性がある。

台風ができるメカニズムについてはかなりのことが解明されているが、なぜそうした物理的条件が発生するのか、未解明な点が多い。台風なんて身近なものですら、まだまだ分からないことがたくさんあるのだ。せっかく国家予算を使うなら、こうしたことにバンバン使ってもらいたいものだね。

そうそう、今週の「週刊朝日」で、またも馬鹿げた記事があった。「暑い夏には地震が多い」。気温と地震が関係ないことなんて、ちょっと地球科学を囓れば、誰でも分かること。「週刊朝日」と言えば新聞と同じ、天下の公器だ。そんな下らないことに紙面を割いてほしくない。読んでみたけど、まともな雑誌が取り上げるような内容ではなかった。天下の朝日がこう言うことを記事にするから、迷信まがいのことを叫ぶ奴がいい気になるのである。メディアとして反省すべきだ。

・・・早めに帰宅できたので、新たに入手したCDを、ちょっとだけ聴いた。曲はルイ・オーベール「小組曲」とフローラン・シュミット「3つのラプソディ」。良い演奏だったので、後日、本サイトで紹介しよう。


...... 2004年 9月 08日 の日記 ......
■[ NO. 352 ]
物欲とスッポン
晴れ。

もの凄い熱風である。台風一過はいいけれど、こんな置き土産は御免被りたい。テレビで見ていたが、本当に凄い被害だった。青森の方で、収穫間際のリンゴが地面に散らばっている風景を見て、とても悲しくなった。せっかく美味しくできたリンゴがメチャメチャだ。大切にリンゴを育てた農家の方のこころを思うと、いたたまれなくなる。広島の「厳島神社」の被害も凄まじかった。ここまで破壊されて、再建は可能なのだろうか?台風の被害はこれだけではないけれど、映像で見てショックだったのは、この2つである。

今日は、「暑気払い」の第5弾。お相手は、いつも取材でお世話になっている某超大手コンピュータ・メーカーの渋いおじさまヒロアキさんと、美貌の才媛ユミコさん。

本当はこの2人に、食材を伏せて「すっぽん」のフルコースを召し上がって頂くつもりだった。最後になって「お二人が召し上がったのは、カメさんだよぉ〜」とやるつもりだったのである。ところが、「すっぽん」のフルコースを出してくれる行きつけの料理屋は、よりによって臨時休業。次善の策で、銀座の某会席料理店を予約。この料理屋は、とても美味しいのだけど、「すっぽんパンチ」を差し上げられなかったことは何とも残念。食材を伏せて「すっぽん」出したら、絶対に当てられないって。それほど美味しいんだよ、すっぽん。

そんなわけで夕方から銀座に行く予定になっていたのだが、午後3時過ぎ、銀座の某ブティックから電話。担当のMさんだ。この前来店したときに不在だったことを詫びる電話。そして「いつでもいらして下さいね」。で拙者、「今日、行きます」。

何度か書いているが、このブティックでは買い物に時間がかかる。小さなもの1個買うにも、最低40分はかかる。で、拙者、早めに仕事を切り上げて銀座へ向かった。

・・・で、拙者、買ってしまった。リュックサック。欲しかったんだよ。お店には、凄いでっかいリュックが展示してあって、それ欲しいなぁ・・・と思ったけど、もの凄く重たいし、値段も凄い。こんなの買えない。カタログやいつも頂く商品案内になかったので担当のMさんに「これ、特注でしょう?」って聞いたら、やはりコレクターズ・アイテムだった。拙者が買ったのは、もっと小さくて、安いリュックだよ。それにしても物欲に負けてしまった。

結局、リュックサック1つ買うのに、50分以上ブティックに滞留してしまった拙者だった。

この日、ヒロアキさんとユミコさんには、加賀料理の会席を堪能して頂いた。「とっても美味しかったです」と言われて、嬉しかった拙者。「今度、スッポン、行きましょう!」という拙者に興味を示して下さったのは、ユミコさん。上司のヒロアキさんは、全然乗り気じゃなかった。明らかに「カメを食うのか」という顔をなさっていた。スッポン、美味しいのになぁ。

で、帰りが大変だった。ブティックではリュックサックを箱に入れてくれたのだけど、半端じゃない大きさ。あんなでかい物を、地下鉄+自転車で家に持って帰れたのが不思議である。帰宅して沈没だ。


...... 2004年 9月 09日 の日記 ......
■[ NO. 353 ]
争奪戦
晴れ。時々曇りと雨。

今日から、夏休みである。たった2日の夏休み。からだを休めるのが精一杯。しかし、ここで「戦い」が待っていたのである。

あのアルゲリッチさまが、来年1月に後来日なさる。室内楽とコンチェルトの演奏会をなさる。その演奏会のチケットの発売日だ。妻に「室内楽とコンチェルトと、どっちがいい?」と聞いたところ、「コンチェルト」。さあチケットゲットだ。

コンチェルトではメインがベートーヴェンの「皇帝」である。アルゲリッチさまが日本で初めて「皇帝」をお弾きになられるのだ。これを聴かずとして何とやら。

正午に受け付け開始。11:59分50秒くらいに電話したら、もう完全にふさがっていた。右手に携帯電話、左手に固定電話の送受話器。ダブルでやっても、いくらかけても通じない。ようやく電話が繋がったのが、0:20。しばらく待たされてオペレータにつながったら、「すみだトリフォニー」の1階席はあらかた埋まっていた。確保できたのは、前から23列目である。

ま、確保できただけでも幸せかも知れない。アルゲリッチさま、予定通りいらして下さればいいのだけれど。


...... 2004年 9月 10日 の日記 ......
■[ NO. 354 ]
香を聴く
晴れ。

今日も、ささやかな休暇。明日、某住宅情報誌の取材があるので、部屋を片づけることにする。連弾庵は大抵の場所は綺麗なのだが、1カ所だけ例外がある。拙者の仕事場だ。一応掃除機やはたきをかけて掃除はしているのだが、いろんなものが部屋のあちこちに堆積している。これでいつも目的のものがちゃんと見つかるから不思議だ。でも、取材で写真撮影となるとやっぱりこのままではダメだ。意を決して(?)完全に片づけることにする。

・・・3時間後、異様にさっぱりとした仕事場が出現。廃棄物が大きなゴミ袋、まるまる1つ出た。さっぱりするはずだ。さっぱりしたところでお香を焚くことにする。これも久しぶり。3カ月くらい前に「鳩居堂」で求めたのがあったので、それを香らせることにした。久しぶりで焚いたお香。何だか気持ちが休まってくる。あんまり気持ちが良いので、連続でいくつも焚く。お部屋(仕事場と、それに隣接する拙者の寝室)はシックな香りでいっぱいになった。


...... 2004年 9月 11日 の日記 ......
■[ NO. 355 ]
あの日から…
晴れ。

やや暑いけど、爽やかな1日。ミンミンゼミやツクツク法師の声が聞こえる。夏の名残。どこかしら淋しげに響く。

あの衝撃的な事件から、丸3年が経った。それまでもテロはあちこちで起こっていたが、非戦闘地域で非戦闘員をターゲットにした無差別テロは、あれ以来加速化したように思える。もはや我々一般市民と言えども、テロとは無関係ではいられなくなったのだ。もっとも日本では「地下鉄サリン事件」というテロを経験している。これは憎むべき犯罪であるし、我々の記憶から決して消してはいけないものだと思う。

ただ、グローバルな観点で一般社会とテロとの本格的な対決が始まったのは、やはり9.11からだろう。もはや誰もがテロとは無縁ではいられない情勢になった。

おそらく世界の大多数はテロなどないにこしたことはない、と思っているだろう。拙者だってそうだ。しかし世界を見るとどうだろう。テロは連続して起こっている上、収まる気配はない。残念だけど、きっと当面はこうした状況が続きそうだ。

テロのない世界ってありうるのだろうか・・・9.11の犠牲者を追悼しつつ、そんなことを思った。


...... 2004年 9月 12日 の日記 ......
■[ NO. 356 ]
恐竜
晴れ。やや涼しくなる。

午後からは気晴らしに「幕張メッセ」でやっている「驚異の大恐竜博」というのを見に行く。拙者、恐竜だの怪獣だのが大好きだ。この種の展示会をやっていると、たいてい見に行くことにしている。

今日は最終日で、それほど混んでいないとのことなので、幕張へ Let's go !

今回も見て分かったのだが、恐竜研究の世界も日進月歩だ。ほとんどが拙者の全然知らない恐竜ばかり展示してあった。こんなの昔、教科書や図鑑で見たことないぞ。

特に今回は中国の恐竜展示が目玉だった。恐竜研究と言えば、まず欧州、そして南北アメリカ大陸が主流だった。ところがこの10年で様変わりしたらしい。最近ではこの分野への中国研究者の進出がめざましい。展示してあるいろいろな資料を見たが、中国では恐竜の化石が山のように出るそうだ。それに世界の第一線で活躍する学者も増えているとのこと。

知らない恐竜ばかりだったが、なかなか面白かった。展示も分かりやすいし。これなら大人も子供も楽しめる。ただ唯一の不満は入場料。あれだけの展示をするから採算を考えると仕方ないのかもしれないが、大人1人2500円はちょっと高い。スポンサー企業を募るなどして、もっと何とかならなかったのかな。

ただ、この入場料で、7月16日〜9月12日の間に50万人以上が来場したそうな。展示会としては大成功の部類だろう。

何はともあれ、あんな大きな連中が、地上をウロウロしていたことを想像させられると、何とも楽しいものがある。恐竜にはロマンがあるね。



...... 2004年 9月 13日 の日記 ......
■[ NO. 357 ]
地震について
晴れ。

今日発売の「週刊朝日」を見ていたら、「政府の地震調査委見解に学者から異論続出・近畿で震度5弱が2回 東南海地震とのホントの関係」という記事が出ていた。またまた先週のようないい加減な内容かと思ったら、今回は比較的まともだった。取材先もまともな先生方ばかり。よりによって、拙者の恩師・J.K.先生のコメントまで出てる。

先生は9月5日に紀伊半島沖で発生した2つの地震に関して「今回の地震は、地震学のデータでは想定されていなかった。しかし、われわれの持っているわずかな知識では異常なだけで、過去にはあたりまえのようにこんな地震があったのかも知れない」とコメントしている。その上で「東南海地震とは、必ずしも無関係とは言い切れない」との見解を出している。我が恩師らしい、非常に謙虚なコメントだ。

要は、地震のことなんて、まだまだ全然分かっていないことが多いということだ。

そうそう、同じ記事の囲みコラムで、作家の高嶋哲夫先生へのインタビューが出ていて驚いた。高嶋先生の受け答えも誠実で好感が持てる。先生が地震災害小説「M8(エムエイト)」(集英社刊)を上梓されたばかりなので、それも踏まえてのインタビューだ。ちなみにこの「M8」、前にも書いたけどとても面白い。防災という観点からも、是非多くの方に読んで頂きたい小説だ。


...... 2004年 9月 14日 の日記 ......
■[ NO. 358 ]
届いたことは届いたが
晴れ。

帰宅すると、ドイツから楽譜が届いていた。いつも利用しているネット楽譜ショップ「musia.com」からだ。8月末に、友人のコレペティトル・のりこちゃんと送料折半で共同購入した楽譜が届いたのである。

だが、パッケージを持つと妙に軽い。開けてみて「ガーン」。のりこちゃん用の「ラ・ボエーム(ヴォーカルスコア)」しか入っていなかったのだ。拙者が頼んだのは1つも入っていない。

この書店は、入荷したら五月雨的に送って来るので、多分拙者が頼んだ楽譜は後から来ると思うのだが、何冊も頼んで拙者のだけ入っていないとは・・・。ま、いいか・・・と思いつつ、musia.comに「残りの楽譜は、いつ届く? 早く送ってくれ」と文句メールを出した拙者であった。

せめて送り状に、何らかの情報を載せてくれればいいのだが。前は「残りは、後で送るよ」みたいなメッセージが必ず入っていた。手を抜くようになったのかしら?

ちょっと疲れ気味なので、いろんなメールだけ書いて沈没だ。


...... 2004年 9月 15日 の日記 ......
■[ NO. 359 ]
ミュンヘンコンクール
晴れ。

仲良しの友人からメール。「来年のミュンヘンコンクールの要項が出ました」。ピヤノ・デュオのカテゴリで出場を予定している友人だ。「要項をみると、何だか大変そうですね」。

で、実際に要項を見てみた拙者。なるほど「これ(pdfファイル)」は大変だ。読むだけで目が回ってくる。

しかし、よくもここまで考えた・・・と言える内容だ。1次予選でロマン派の課題曲から1曲、近代から1曲、それにカーゲルの新作。2次予選はシューベルトから1曲、現代から1曲、それに自由曲。

セミファイナルは、モーツアルトの2台か連弾のソナタ。ファイナルは、メンデルスゾーンかモーツアルトの「2台のピヤノのための協奏曲」。

このうち、1次予選のカーゲルと2次予選の現代物・自由曲を除くと「全部暗譜で弾け」。

これだけ網羅すれば、古典から現代までの表現性について、全部把握できるだろう。挑戦者にとっては過酷かもしれないけれど、何だか良くできた課題である。妙に感心してしまった拙者だった。


...... 2004年 9月 16日 の日記 ......
■[ NO. 360 ]
撤退
晴れ。少々疲れ気味。

一時期、ほとんど本を読む気力がなかったが、最近少しづつ読書にも復帰だ。大抵は通勤中の車内で読むことになるが。

いろいろ読んでいるが、たまには最近話題になったものを…と、いま評判の市川拓司氏「いま、会いにゆきます」(小学館)を読んでみた。「読んでみた」と書くと読了のイメージがあるが、実は小生、読み切らなかったのである。



切なくて先に進めなくなったのか、って? いや、逆だ。著者やファンには申し訳ないが、書かれている文章が生理的に受け付けなくなったのだ。あまりこの種の本を読み慣れていないせいもあるのかも知れないけれど、とにかく読めなくなった。

どうやら著者の思考次元と拙者の思考次元には、相当の捻れがあるようだ。ブッシュと金正日が握手するのが無理なように、拙者と著者とは---正確に言えば、拙者の受け付ける文章と著者の文章は---相容れないものがある。

もちろん、文章が下手だとか、物語の進行がまずいというつもりはない。そのあたりは誤解してほしくない。ただ、感性の面で受け入れがたいのである。純愛物などけっこう好きな拙者であるにも関わらず。

・・・ということは、拙者、妻が奨めるようにこの分野への進出は無理ということだろう。だって、今は、こういうのが売れるのだから。そして拙者には、この手のものは書けないからだ。


...... 2004年 9月 17日 の日記 ......
■[ NO. 361 ]
フィッシング
晴れ。さらに疲れ気味。

また届いた。これで何通目だろう。いい加減、馬鹿馬鹿しくなる。ウイルス・メールのことではない(ウイルスは、毎日たくさん届くが)。フィッシング・メールである。

フィッシングという言葉に馴染みのない方に若干説明しておくと、クレジット会社や銀行などを装いメールなどを利用して、巧みにクレジットカードやキャッシュカードの番号などを不正に取得しようという、一種の詐欺である。

最初に届いたのは、今年の5月頃だった。差出人は「偽JCB」。「おめでとうございます。×××が当たりました! つきましては、こちらのサイトにアクセスして、あなたのカード番号をお知らせ下さい」という代物。

フィッシングに関しては昨年くらいから米国を中心に流行っているので、手口が分かっていた。だから「偽JCB」からメールが来ても、すぐフィッシングだと判断したのだ。それにテキスト・メールで、いかにもちゃっちい。「余程のことがないと、騙される人なんかいないのでは?」というようなメールだった。

それからしばらくはフィッシング・メールが来なかったのだが、今月に入って、またも盛んに入るようになった。今度は「偽シティバンク」である。こちらはHTMLメールで、かなりよく出来ている。これがそのサンプル。

偽シティバンクからのメール(部分)。よく出来てる。


一瞬、本物のシティバンクから来たかと思わせるほど、出来がいい。でも「親愛なるお客様へ」とあるが、拙者はシティバンクの顧客ではない。それに金融機関がメールで個人情報を確認してくることなど、まずありえない。良い出来(?)だが、すぐにフィッシングと分かる。

面白そうなので、どんな画面が出てくるのかとURLをクリックしたら、「そのポートはセキュリティ上の危険があるため使用できません」というブラウザからの警告メッセージが出てアクセスできなかった。

しかし、ここまで良くできていると、引っかかる人の1人くらいはいるかも知れない。とにかく怪しいメールにはご用心である。


...... 2004年 9月 18日 の日記 ......
■[ NO. 362 ]
奇妙な物体
晴れ。

朝から仕事だったが、多少寝坊できたので、気分は爽快だ。

妻が「農家の野菜直売所に、変なものがぶら下がっている」というので、仕事の合間をぬって見に行った。なるほど、妙なものがいくつも屋根からぶら下がっている。

ぶら下がるもの。長さは1.5mくらい。


大きさ(長さ)は、だいたい1〜1.5mはある。とにかく大きい。糸瓜にしては色が薄いし格好も変。直売所にいた農家の方に聞いたら、何と瓢箪とのことだった。瓢箪というと、もっとずんぐりしているもの・・・と思っていたのだが、こういう形のものもあるとのことだった。

いくつもぶら下がっている。


しかし、不思議な形の瓢箪もあるものだ。初めて見た。みなさん、こんな瓢箪、御存知でしたか?


...... 2004年 9月 19日 の日記 ......
■[ NO. 363 ]
ホームパーティで連弾を
晴れ。時々曇り。

今日は連弾庵恒例の「暑気払い」だ。もう9月なので暑気払いではなかろう…と思ったのだが、もの凄い蒸し暑さ。秋の気配はするけれど、「暑気払い」ということばがぴったりの1日となる。というわけで、「秋風に浸る会」が「暑気払い・第6弾」になった。連弾庵は、朝からお料理を作るわ、お掃除はするわで大忙し。

実は拙者、仕事があったのだが、ちょっとだけサボらせてもらった。それでも携帯電話を身から離さず、メールとロイター通信の配信画面も1時間に1回確認していたのだから許されよう。

午後2時。お客様が次々到着。あっという間にアルコール炸裂モード…となるかと思いきや、お客様のお一方が食材を持ち込み、お料理を1品作って下さることになった。いつも仲良くしている「ぽんかんご一家」のご主人「まがもさん」である。「前回は“作る”と言って酔っぱらってしまったので、今日は酔う前に作ります」とのこと。

お料理が揃ったら、アルコール本番! メンバーは、ぽんかんご一家のほか、リスト研究の「燐寸せんせい」、室内楽大好きご夫婦の「うさぎ連弾隊」、アマチュア写真家にてピヤノ挑戦者である「ふらわぁさん」のゲスト7人に拙者たち2人の総計9人。うさぎ連弾隊はご夫君の「ろべるとさん」が仕事で欠席、美人妻「さくらちゃん」おひとりでご参加。

一通りおなかがいっぱいになると、ピヤノが炸裂だ。連弾庵でパーティーをやると、まずピヤノが鳴りやまない。燐寸せんせいがリストの小品で「楽器慣らし」をした後、女性軍に捕まったのは、ふらわぁさんだ。

ふらわぁさん、大人になってから、それも去年、ぽんかんご一家の美人妻「ぱみんさん」に刺激(?)されて、ピヤノのレッスンを開始した。何と楽譜がまったく読めない状態からスタートしたのだから凄い。しかも、1年間のうち、写真撮影のため登山をした数日を除いて、朝の出勤前に1時間、夜は眠る前に1時間、必ず練習していたのだから見上げたものである。毎日毎日、休むことなく。

「これ、いま、やってる課題なんですよ」と、ふらわぁさん。先生との連弾である。連弾と聞いて、参加者が放っておくはずがない。ゆみこ、ぱみんさん、さくらちゃんが入れ替わり立ち替わりセコンダを弾いて、ふらわぁさんの「無料特訓」が始まった。ふらわぁさんは、男の先生と女の先生に習っているのだけど、女性の先生が苦手とのこと。「じゃ、みんなで慣らしてあげましょう」と、3人が寄ってたかってレッスンだ。後は野となれ、山となれ。

弾いては食べ、弾いては呑み…弾かなかったのは「まがもさん」だけ(お料理、1品作って下さったのだから、それでOK)。代わる代わる、相手を変え、曲を変えて、大騒ぎ。夜8時まで、目一杯ピヤノが鳴り響いた連弾庵だった。ホームパーティで、連弾して遊ぶって、とっても楽しい。気軽にアンサンブルが楽しめるし、上手な人も、初心者の人も、一緒になって楽しめるから。これも、連弾の効用のひとつだと考えている。

音楽でホームパーディをする方は多いだろう。そうした中で、連弾や室内楽を取り入れたら、とっても楽しいよ。ソロをみんなで持ち回って弾くのも面白いけど、気軽に相手をとっかえひっかえして、アンサンブルを楽しむのも格別だ。アンサンブルにもいろいろあるけど、ピヤノ弾きばかりだったら、連弾が便利。だって、ピヤノ1台あれば、みんなで楽しめるのだもの。

ご参加下さった皆さんに感謝である。


...... 2004年 9月 20日 の日記 ......
■[ NO. 364 ]
土俗的なる光景
曇り。ときどき晴れ。

相変わらず、蒸し暑い。今日も仕事だ。

我が連弾庵は、都心から電車で35分という距離にある。完全に通勤圏なのだが、近所には結構「土俗的なもの」がある。これも、その1つだ。パグたちの散歩の途中で見つけていたのだが、やっと写真に撮れた。

小さな祠。いったいこれは何だろう? 祠は筐体が風雨で劣化しているため、書かれている文字がまったく読めない。何か御利益でもあるのだろうか?

いったい、これは何だろう?


祠の中には、小さな人がいる。何とも柔和なお顔で、手を合わせていらっしゃる。いったい、どなたであろう?

祠の中にいる人



...... 2004年 9月 21日 の日記 ......
■[ NO. 365 ]
土俗的なる光景 Part II
晴れ。時々曇り。

いったいいつになったら涼しくなるのだろう? いつかは涼しくなるのだろうけれど、この蒸し暑さだけは何とかして欲しい。からだに応える。拙者は上海や香港や昭南島に住んでいるのではないのだ。

さて、連弾庵の近所には、まだまだ土俗的なものがある。その1つが、これだ。

これ、誰だろ?


道路がカーブしているあたり(正確に言うと、そのカーブには古い道があって、元は四つ辻だったと思われる)に、こんもり盛り上がった場所がある。そこにはいろんなものが置いてあって、それらからそこが「庚申塚」であることが分かる。そこに、この人が立っているのだ。顔の3分の1ほどが破損しているので写真では分かりにくいが、恐いお顔をしている。それに手が何本も出ている。

いったいこれは、誰だろう? 皆様の近くにも、同じようなものがありますか?


...... 2004年 9月 22日 の日記 ......
■[ NO. 366 ]
雷鳴
曇り。時々晴れ。後、猛烈な雷雨。

都内のオフィスで仕事をしていたら、外から帰ってきた同僚が「凄い雨ですよ」。ブラインドを上げてガラス越しに外を見たら、激しく雨が降っていた。傘は持ってきていなかったが「そのうち止むだろう」と放っておいた。

・・・帰宅しようとしてオフィスを出たら雨は上がっている。ははは、天は行いの正しい者の味方をするのだ、と「これから帰宅する」と連弾庵に電話したところ、「こっちは雨が降りはじめたよ」と妻。何だか悪い予感がした。

最寄り駅まで着くと、猛烈な雨。それに凄い雷だ。これではずぶ濡れになるし、買ったばかりのリュックは濡らしたくない。仕方ないので、大枚500円も払って駅のところにあるコンビニで傘を買った。500円、もったいなかったな。

何とか帰宅したものの、雷は酷くなるばかり。先日近くに落雷して、パソコンは落ちるはルーターは狂うはで、とんでもない目にあった拙者。できることなら、電子機器関係の電源は全部抜いておきたかった。

ところが最悪なことに、深夜当番。嫌でもパソコンを立ち上げてネットワーク経由で仕事をしなければならない。激しくなる雷鳴を聞きながら「いつ落ちるか」と、ヒヤヒヤしながらパソコンに向かっていた拙者であった。以前、買ったばかりのパソコンが落雷でお釈迦になった友人のことを思い出しながら…。

スリルとサスペンスは好きだけど、こう言うのは心臓に良くないね。パソコンが吹っ飛ぶならまだしも、「その晩の仕事ができない」のは話にならないから。


...... 2004年 9月 23日 の日記 ......
■[ NO. 367 ]
未知なるものが
曇り。時々晴れ。

秋分の日である。墓参りに行きたかったのだが、どうせ墓地周辺は混んでいるだろう。ご先祖様には申し訳ないが、行くのを止めた。仕事の当番にもなっているので、自宅かオフィスか、どちらかにいなければならないし。

仕事の合間、ちょっと理由があって、先日こちらで書いた来年9月に行われる「ミュンヘンコンクール」の課題曲について調べていた。もちろん、ピヤノ・デュオ部門の曲に関してである。調べることはいろいろあったのだが、難儀したのは2次予選で演奏しなければならない現代曲だ。以下の曲から1曲選べ、とある。

John Adams : Halleluja Junction
Georges Auric : Partita
Jacqubeline Fontyn : Spirales
Ulrich Leyendecker : Sonata
Lowell Libermann : Variations on a theme by Mozart
Gyorgy Ligeti : Three Pieces
Manfred Trojahn : La Folia
B.A.Zimmermann : Perspektiven

いずれも2台ピヤノ用の作品である。何と、情けないことに、Ligetiしか楽譜を持っていない(Zimmermannは曲が面白くないので、あえて買わなかった)。それに何らかの形で聴いたことがあるのが、Adams、Auric、Ligeti、Zimmermann。存在を知っていたのはLibermannだ。Fontyn、Leyendecker、Trojahnは完全に未知の作品。こうしたものを突きつけられると、自分がいかに無知であるのかが、よく分かる。

それでもいろいろ調べ、Fontynだけが、どこの出版社から出てるかが分からなかったところまでこぎ着けた。でも、1曲だけでも、ほとんど何の手がかりも得られなかったことは、実に悔しい。名だたるコンクールで課題曲になっているのだから、きっと有名な曲なのだろう。

うーん、拙者、まだまだ修行が足りないな。皆さんは、このうち何曲を御存知でしたか?


...... 2004年 9月 24日 の日記 ......
■[ NO. 368 ]
音楽代と昼食代
曇り。のち雨。

今夜も雷に怯えながら、これを書いている。気象庁のレーダーによれば、連弾庵近辺にも強烈な雷雲が迫っているという。そいつらが来るまでに、これを書き終えなければならない。

銀行に記帳に行った。拙者の普段使っている口座は4つである。そのうち3つまでは何ともなかったのであるが、1つを見て「ガビーン」。某カードから大金が落ちている。しかもこの口座は、音楽関係以外に使わない口座だ。

帰宅してカードの明細を見て「ガビーン」。つい油断して、買い物をしすぎてしまったのだ。コンサートのチケットと楽譜代。そもそもがビンボなくせに、つい誘惑に負けてしまう。

「あたしゃね、ベルリンフィルの演奏会に行くより、温泉に行ってのんびりしたいんだよ。そんなチケット買った、あんたが悪い」、と妻。

そりゃ、拙者だって温泉旅行や海外旅行に行きたいよ。だけど、家に老いたパグパグたちがいる。この子たちを置いて、旅行なんて行けないじゃん。だから、せめて良い演奏会を・・・と思った次第である。

え? 理由になっていないって。ははは。

仕方ないわ。またお昼は、380円の弁当か、1個115円のムスビ2つで、当分を過ごすことになりそうだ。


...... 2004年 9月 25日 の日記 ......
■[ NO. 370 ]
アンプ、逝く
曇り。時々雨。

ステレオのメイン・アンプが逝ってしまった。1年ちょっと前から音の出が悪くなり、ノイズが入ったり音が出なくなったり。それでも騙し騙し使っていたのだが、遂に音が出なくなった。これは連弾庵にとっては死活問題である。

死活問題というのは大げさ、というご意見も出よう。しかし我々は、ご飯と一緒に音楽も食べて生きている。でなければ、「連弾庵」は成立しない。だって、この家、音楽をみんなで楽しむために作った家なのだから。

丁度、ある家電量販店が「店内改装」と称して、いろんな物の投げ売りをやっている。連弾庵から車で15分ほど行ったところは、家電量販店の墓場・・・じゃなかった激戦区である。そのうち負けが込んでいた店舗が投げ売りを始めたのだ。メーカー希望価格が10万円くらいのが、半額近くで買える。

妻の「買おうぜ」という声に押されて、1つ買う羽目になった拙者である。まあ、逝ってしまったアンプは10年以上使っていたのだから、仕方ないかと思うのである。妻はこれで音楽を楽しめるし、連弾庵を訪れたお客様にも楽しんで頂ける。

ちなみに、いろいろあってビンボになった拙者は、某ブティックで雨傘を買おうと思ってとっておいた資金をアンプに充てた。もちろん、雨傘よりアンプの方が高価だったことは言うまでもない。

またひとつ、ビンボになった。

ちなみに連弾庵のCDプレーヤも挙動が不審だ。これ以上、壊れてほしくない。さらにビンボになるだけだ。


...... 2004年 9月 26日 の日記 ......
■[ NO. 371 ]
ヨンさまと角野先生
雨。

髪が伸びてきた。妻は「鬱陶しいから、綺麗にしろ」という。そこで散髪に出かけた。

最近、「ヨンさま」というのが人気だそうである。拙者も人気者になりたくて、「ヨンささま」の写った某家電メーカーのパンフレットを持って散髪所に行った。そしてパンフレットを出して「こういう風にしてちょうだいな」。

髪を切る人は、「うーん、サイドとバックの長さが足りませんねぇ、どうしましょ」。で拙者。「じゃ、ちょっと伸びたら、こんな風になれば良いわ」。まあ、ヨンさまでなくともいい。東京芸術大学助教授でピヤノ・デュオ演奏で有名な角野裕先生みたいな髪型でも良いわ。そんな風にカットしてもらってきた。

髪を切って帰ってきた拙者が、何故その髪型にしたのか言ったら、妻はバカにした。「ヨンさまみたいにカッコイイわけでもないし、角野先生みたいにピヤノが上手なわけでもない」。

悪かったな。

ちなみに「ヨンさま」は、髪を茶色に染めているそうである。拙者は10年以上前から白髪が目立っていて、半年に一度、染めていた。今回は思い切り明るい色に染めてやった。この髪型で染めず、ヨンさまや角野先生みたいな髪型にしたら、白髪混じりの妙な格好になってしまう。

髪を染めている拙者を見て、妻は「また、妙な色気を出そうとしているな」と憎まれ口をたたく。

良いではないか。拙者だって色気出したって!

悪いか!


...... 2004年 9月 27日 の日記 ......
■[ NO. 372 ]
手かざしの魔法
雨。

月曜の朝から、面白いものを見せて頂いた。



この女性、銀行のATM(現金自動預け払い機)に手をかざしている。何をしているのか、お分かりになるだろうか?

念力で暗証番号を打ち込んでいる? 手かざしでATMを修理している? いずれも違う。手のひらの静脈を赤外線センサーで読み取らせて、本人確認をしているところである。

これは東京三菱銀行が10月から始める新サービスだ。このところ、クレジットカードが盗難に遭って、現金がATMから引き出される事件が相次いでいる。こうした事故を防ぐために東京三菱銀行が編み出した手段だ。

このサービスに対応したカード、登録した静脈パターンを持つ本人でなければ、ほぼ絶対に預金を引き出すことはできないのだ。手のひらの静脈パターンは、個人個人によって全部異なる。そしてある程度からだが成長した後には、ほとんど変化しない。このサービスではそれを利用した。しかも認証までの時間は、わずか5〜6秒。凄いのが現れたものだ。これなら預金者にとっても安全である。

しかも東京三菱銀行は、このサービスの宣伝の意味もあってか、「静脈パターンを登録されたお客様のカードが盗難に遭って、もし現金が引き出されたら、1億円まで保証しお返しします」と宣言した。

ちなみに拙者もデモに参加させて頂いた。最初にデモをしたお嬢さんのカードを拙者が盗んだ・・・という設定でやってみたのだ。カードをATMに差し込むと液晶画面に「手のひらをかざして下さい」というメッセージが出る。拙者が手のひらをかざす。ちょっと待つと画面に「あなたは本人確認ができませんでした」というメッセージが出た。これを3回繰り返すと、そのカードは使えなくなるのである。

世の中ではいろんな技術が日々生み出される。それが日常生活の安全に使われるのは、とても良いことだ。そんなことを感じた拙者であった。


...... 2004年 9月 28日 の日記 ......
■[ NO. 373 ]
沈没
曇り。時々晴れ。

体調不良。這うようにして出勤する。休めば良かったが、事情により、そうもいかず。勤め人の辛いところである。

ほとんど「ゾンビ状態」で「沈没」だ。

調子の悪いときは出勤などせず、わしらと「ぱぐぱぐ」していればいいではないか!



...... 2004年 9月 29日 の日記 ......
■[ NO. 374 ]
メキシコから来た、お友達
雨。

からだがだるくてたまらない。本当に休みたいくらいだ。しかし、今日も這うようにして出勤する。

今日は、夕方からラファエル・ゲーラ+掛谷勇三のピヤノ・デュオ・リサイタルがある。仕事を早めに終えて東京文化会館に駆けつける。

プログラムは以下の通り。全曲、ラフマニノフの2台ピヤノ作品だ。

・ロシヤ狂詩曲
・交響的舞曲
・組曲第1番
・組曲第2番
 アンコールは、作曲者自編:前奏曲「鐘」(2台版)

ひとことで感想を言おう。大変に上品で、作品の細部までを熟慮した演奏だった。どれだけダイナミクスを広げても、決して粗野になることはない。丁寧に、ひとつひとつの音を紡ぎ出すような演奏だった。

音質はゲーラ氏と掛谷氏では、まったく違い、ゲーラ氏が柔らかくまろやかな音質であったのに対し、掛谷氏は比較的線の細い硬い音質に終始した。ただ、こうした音質の違いがアンサンブルにおいて、面白い結果を出したことは、十分に評価されよう。そして、曲の解釈という点では、ぴったり息が合っていた。

上品で叙情的なラフマニノフ。きっと賛否両論があるだろう。拙者は「こうした演奏があっても、いいかな」と思った次第である。結果的に、面白い演奏として楽しめたのだから。

ただ、「交響的舞曲」でアンサンブルが乱れたこと、「組曲第2番」では譜めくりのお嬢さんが2ページ一緒にめくってしまい、アンサンブル崩壊か! と思わされたところはスリルがあった。あまり良いことではないけれど。いずれも、演奏者2人が上手にカヴァーしていたのは、デュオの神髄を見るようで、好感が持てた。

今日演奏されたのは、デュオの名曲中の名曲ばかり。従って、たくさんの演奏を耳にしている。だから、「これが最良」と言えないのが残念である。ただ、とても高度な演奏で、聴いていて楽しめたことだけは確実だ。それで十分だと思っている。

それにしても、メキシコ出身、ゲーラ氏の音は、いつも明るくて爽やかだ。そうしたラフマニノフがあってもいいと思う。

終演後、ゲーラ氏に挨拶に行った。そうしたら「アレ、今日ハ、一人ナノ?」。拙者が一人で演奏会に来たのが不思議だったらしい。いつもは妻と一緒だから。そして「イチバン前ノ、真ン中ノ席デ、コワ〜イ顔シテ、ジーット聴イテイタネ。アレ、トテモ緊張シタヨ」。その会話を聞いていたヤマテピアノ商会の竹越社長が「ダメじゃん。演奏者にプレッシャをかけちゃ」。

へっ。拙者がいるくらいでは、プレッシャにはならないわ。拙者、そんな大物ではない。

何はともあれ、楽しい演奏会だった。誘って下さってありがと、ラファエル。


...... 2004年 9月 30日 の日記 ......
■[ NO. 375 ]
嬉しいメール
晴れ。台風一過だが、熱風が吹いている。

今日もあちこちからメールを頂いたが、中に楽譜販売サイト「di-arezzo」の日本語担当・Mutoさんからのがあった。拙者が先日発注した楽譜の中で未発送が3冊あり、そのうち1冊をエアメールで発送したとの連絡。それだけでも嬉しいのに、さらに次のことがメールに記されていた。

「ベルギーの作曲家、FONTYN, Jacqueline (1930) の Spirales pour 2 Pianosに関してですが、Melchior のCD-ROM(19-20世紀のフランス語圏の作曲家6000人のデータベースでとても優れものです)で調べると、Peermusic から出ているようです」。Mutoさん、拙者が先日、その楽譜を探していることをこちらに書いたのをご覧になって、探して下さったのだ。そして「作曲家のことに関しては“こちら”に出ています」。さらに「まるで三越の社員が伊勢丹への道案内をするみたいですが」と、その楽譜を販売しているサイトまで教えて下さった(こちら)。

うーん、何という親切な方なのだろう。ここまで親切にされると、「またdi-arezzoで楽譜を購入させて頂こう」と言う気になる。こうしたメールを頂いて、本当に嬉しかった拙者である。早速、Mutoさんに御礼のメールを書いたことは言うまでもない。Mutoさん、ありがとうございました。

このほか今日は、溜まっていたメールの返信を一気にする。10通ほど書いて力尽きる。でもこうして、いろいろな方とメールのやり取りをするのは楽しい。いろいろな方と繋がりができるから。メールを下さっている方には、いつも感謝である。