連弾庵主人日乗
2004年2月


...... 2004年 2月 01日 の日記 ......
■[ NO. 130 ]
空振り:その2
晴れ。ときどき曇り。

ウイリアム・ボルコムという米国人の作曲家がいる。1938年生まれで現存だ。時代的に見ると「バリバリ現代」なのだが、その作風は非常に浪漫的でお洒落。拙者も大好きな作曲家だ。ピヤノを始め、様々な分野の作品を書いている。面白いところでは、ベートーヴェン:ピヤノ協奏曲第4番のカデンツア…なんていうのまであって。

このボルコムが「想い出--3つの伝統的なラテンアメリカのダンス」という2台ピヤノのための作品を書いている。「今週の1枚」で2度ほど取り上げているので、覚えていらっしゃる方もあるだろう。

元々は「マレイ・ドラノフ・国際2台ピヤノ・コンペティション」の本選課題曲として書かれたものなのだが、コンペの課題曲の域を超えて、素晴らしい2台ピヤノ作品になっている。是非、多くの方に弾いて頂きたい作品なのだが、最近になって拙者たちの友人が、この曲をステージに上げることが分かった。慶賀の至りである。

そのことを聞いた妻、「楽譜を見せてよ」。そして「素敵な曲だけど、こりゃ、ちょっと無理だわ」。妻のレベルなら決して無理ではないと思うのだが、最初から“退却”している。戦争でもビジネスでも、最初から退却してはお終いだ。せっかく素敵な曲だと思うなら、挑戦すればいいのに…と思った拙者である。楽譜は「Hal Leonard」から出ており現役。第一/第二の楽譜がペアで15ドルである。




拙者、とっても欲しい「縫いぐるみ」があった。可愛くて面白い。それに、この日記の写真素材としても使えそうだ。Webで調べたところ、連弾庵から車で20分程のところにあるショッピング・モールに、メーカーの直営店があるというではないか。

昨日、必要とするバッグが買えなくてクサっていた拙者。今日は気晴らしに縫いぐるみを買おう…と夕方からショッピング・モールに出かけた。

巨大モールなので、ちょっとは迷うと思った。だけどWebの情報を手がかりに探したのだが、いつまでたっても見つからない。案内ボードにはちゃんと出ているのだが。そのブロックへ行っても全然見つからないのだ。

で、そのブロックにある別のお店の人に聞いたら「ああ、そのショップでしたら、閉店して撤退しましたよ」。道理でないはずだ。

しかし人をバカにしたメーカーだ。別に閉店するの構わないが、古い情報をいつまでもWebに載せておくな! バッカモーン! 無茶苦茶頭に来た拙者である。

こうした会社、企業としてダメだね。これだけでカスタマに悪い印象を与える。情報発信はいいが、それが不正確だったり古くて使い物にならない情報だったら、何もならないのだ。かえってカスタマの怒りを誘うだけだ。情報発信はすればいいだけではないという典型を見たような気がした。

昨日に続いて、今日も空振りだ。明日になったらこの会社の広報・宣伝部門にクレームをつけてやろう。

ああ、損した。

ぱぐとあかね
2人で乗ると、さすがに窮屈だぜ!



...... 2004年 2月 02日 の日記 ......
■[ NO. 131 ]
雨ぞ降る
雨。久しぶりの雨である。

年が明けて1月に東京で降った雨は約4mm。記録的に少ない雨だ。今日は11mmちょっと降った。わずか1日で、前1カ月の3倍近い雨が降ったことになる。山沿いを除く関東の冬は乾燥している。それでも月に4mmとは、相当に少なかったわけだ。毎日のように「乾燥注意報」が出ていたが、火災が例年より多かった…という話は聞いていない。これ幸いなことである。

業務から帰宅して、久しぶりに所有楽譜のデータをアップデートした。それから、頂いた演奏会情報もアップ。これだけやったらくたびれた。

オフィスではちょっと風邪らしい症状が出ていた拙者。同僚のKくんも同じ症状で、具合が悪いので早めに退却していった。拙者は帰宅して薬を飲んだらだいぶ楽になって、こうしてWebの更新や日記書きなどやっている。でもちょっと心配なので、今夜は早めに眠ることにしよう。

何事もなく、無事に過ぎていった1日だった。

雲固してんだ 文句あっかっ!



...... 2004年 2月 03日 の日記 ......
■[ NO. 134 ]
街を歩けば
曇り。ときどき雨。

久しぶりに管理業務から開放される。こうした日は、街に出るのがいちばんだ。朝から取材に出向く。

午前中のある記者会見。開始15分前に行ったのだが、ほぼ満席。新聞・通信社や雑誌だけでなく、テレヴィ・クルーまで大勢でごった返している。拙者、こういう雰囲気が大好きだ。

拙者、会見だと、必ず最前列に座ることにしている。しかし最前列は満席だ。そこで知っている若い記者を見つけ「おう、貴様、良い席だな。だがな、そこはお前の座る場所ではない。席ならば後ろの方にもあるぞ」と、とっても優しい言葉をかけて、何とか最前列を確保した拙者である。

会場でゴソゴソしていたら、旧知の同業者・テレビ朝日のKキャスターが「お、かずみ御大、自らご取材ですか!」。「何を仰る、Kさんそ、何でこちらに?」。「たまには現場に出ないと、ニュース取材感覚を忘れるのでね」。うん、偉い! Kさんは元々Y新聞の科学技術系ではスター級の大御記者で、もう20年近く拙者とお友達なのである。競合他社であるが、本当に尊敬できる立派な方だ。「おススメ博物館」(文春新書)という楽しい本も書いていらしゃる。

さて、その記者会見だ。

カード型携帯電話


モデルさんが手にしているカード、何だかお分かり頂けるだろうか? 実はこれ、NECが開発した、クレジットカードと同じ大きさの携帯電話機だ。30万画素CCDカメラ付きで、幅85×奥行き54×厚さ8.6mm。重さは70g。NECによれば、世界最小で最薄の携帯電話機となる。

こう言うのを見ると、楽しいね。日本の技術が世界を席巻していることが、本当によく分かるから。会見に出ていても何だか、とっても嬉しくなる。

午後は、ちょっと普段とは違った取材。JAL国内線の新サービスだ。

運輸業界は拙者の取材範疇から外れるが、JALグループ最高経営責任者の兼子勲さんのご尊顔を久しぶりに拝めるし、女優の矢田亜希子さんも登壇なさるというので、(もちろん、ちゃんとした記事を書く目的で)フラフラと取材に行った拙者である。

不肖かずみ、オンライン・ニューズメディアの担当になってから、レポーター、記者、カメラマンの3役をこなしている(もちろんデスク:編集部次長の仕事が中心だが)。普段はこの3役を完璧にこなすのだが、今日は失敗した。

カメラマンだけで200人以上いる会場で、撮影ロケーションの確保に失敗したのだ。御存知の方もいらっしゃるとは思うが、この手の撮影は修羅場だ。「バカヤロー、邪魔だ!」「頭、引っ込めろ!」「テメー、邪魔するんじゃない!」と罵声が飛び交う。殴り合ってる奴もいる(<バカだね)。

普段は経済・産業記者界のお公家様と言われ(実は完全にバカにされているのだ)、上品でもってなる拙者だ、しかしこうしたケースでは邪魔な奴はけっ飛ばし、自分の撮影を邪魔しようとする奴には「バカヤロー、邪魔だ、糞たれて死ね!」「テメーの腕と頭が邪魔なんだよ」と思い切りぶん殴り自分の場所を確保する。そうやってやっと撮影したのが、これだ。

兼子さん矢田さん


それなのに完全に失敗である。折角、兼子さんと矢田さんがこちらを向いたショットは、失敗してしまった。いちばんうまく撮れたのでも、この様だ。こんな酷い写真を撮ったのは初めてである。

でもね。矢田さん、本当に綺麗だったよ。写真やテレヴィで見るよりずっとずっと素敵。こんなに素敵な女性だとは思わなかった。それなのに、こんな写真しか撮れなかった拙者。ああ、情けない。JALの兼子さんも、とってもすてきなおじさまなんだよ。


...... 2004年 2月 04日 の日記 ......
■[ NO. 135 ]
何をやっても
晴れ。

珍しく、仕事で何をやってもうまく行かない1日だった。原稿は巧く書けない、アポイントメントは入らない、寄稿のお願いに行ったらばっちり断られる。

夕方からレセプションをひとつこなす。その時は何ともなかったが、終わって会場を出てきたら、どっと疲れがでた。

帰宅しても、何もする気が起こらない。疲れた。読まなければならない判決文だけ読んで眠ることにする。

要するに「沈没」だ。

机上



...... 2004年 2月 05日 の日記 ......
■[ NO. 136 ]
飛翔する才能
晴れ。

久々に、外で飲酒をする。今夜のお相手は、桐朋出身の作曲家でピヤニストの加藤真一郎さんだ。加藤さんが「マレイ・ドラノフ・国際2台ピヤノ・コンペティション」からお帰りになったので、慰労会も兼ねての飲酒である。

加藤さん、とてもお若いながら、大変に折り目正しい方だ。しかも話題も豊富で思考も明晰。年齢は離れているが、良いお友達ができた。

話は面白いし、こちらの発言に間髪入れず応答する。うん、こうした人は楽しいね。しかも音楽に関するしっかりした考え方をお持ちだ。これには感心した。

あまりに話が面白く、加藤さんも「呑める」ので、不肖かずみ、爆発してしまった。手始めに拙者は2合徳利、加藤さんは生ビール(500ml)。それから、1杯200mlのグラス冷酒を1人各5杯。話が弾まなければ、まずここまで呑まない。22:30頃、その料理屋「T」の女将さんが「看板ですよ〜ぉ」。ここは上品なお店で、いわゆる「酔っぱらい」はいない。お料理がメインなので、閉店時間も早い。拙者、ここの常連なので、「呑み時間」をいつも延長してもらっているのだ。案の定、拙者たちが店を出るときには、もう誰もお客はおらず、店の掃除が始まっていた。

でも、まだ呑み足りない。

で、「まだまだ行くぞっ!」と、加藤さんのご迷惑も考えず、近くの大衆酒場「H」へ突入。ここでも300mlの冷酒を2人で4本空けた。「T」から積算すると、日本酒一升瓶換算で2人で2本近く空けたことになる。そこを撤収したのが午前0時。延々5時間呑んでいたわけだ。

この間、拙者のお喋りにお付き合い下さった加藤さんに、深く感謝する。しかし凄い。これだけ呑んでも加藤さんはびくともしない。「地下鉄の入り口は、どちらですか?」と聞かれ、案内する拙者。もう拙者は「電車で帰ろう」などという気は失せていた。

加藤さんをお送りして、タクシーを捕まえたところまでは覚えている。そこから記憶が飛んだ。次に気付いたら、連弾庵の前だった。どうやら無意識のうちに、きちんとタクシーに道案内をしていたらしい。しかも25分で連弾庵まで帰れたところを見ると、ちゃんと最短距離を通ってきたみたいだ。

帰宅した拙者、気分が良いので軍歌「日本陸軍」(天に代わりて不義を討つ・・・というの)を大声で歌っていたら、寝ていた妻を起こしてしまい、滅茶苦茶叱られた。おまけに「こんな馬鹿に付き合わされた加藤さん、可哀想」と重ねて叱られた。

何とか何通かのメールを返信し、沈没した拙者である。

とても楽しかったですよ、加藤さん。ありがとう。

しかし、いいね。若くて素晴らしい才能に触れることができるって。

由美子とチビパグ
アルバムの1ページから



...... 2004年 2月 06日 の日記 ......
■[ NO. 137 ]
著作権の行方
晴れ。

昨夜は、呑みすぎたらしい。頭は痛くないのだが、胃の調子が悪い。あの程度呑んで、調子が悪くなるなんて、拙者も呑めなくなったものだ。

「うーん、苦しいよ」と言っている拙者に「だから呑んだくれは始末に負えないのよ。こんな馬鹿に付き合わされた加藤さん、本当に気の毒だわ。あなたが相手じゃ、逃げたくても逃げられなかったでしょうね。ホント、加藤さんに同情しちゃうわ」と毒づく妻。

胃は苦しいが、それでもしっかり仕事に出る拙者である。ビジネス・パーソンとして当然のことだ。




ある方から、「仕事で撮った写真をこちらで載せても大丈夫なの?」とのコメントを頂いた。まことにもっともなご意見である。

実はグレーゾーンなのだ。

確かに、いくつかは仕事の中で撮影した写真だ。これが会社の機材を使っているのであれば、間違いなく問題である。ところがだ。デジタルカメラとそのアクセサリ、それに銀塩一眼レフカメラは、拙者の個人所有物なのである。

これらの機材。持っていないと仕事にならない。まさに必需品だ。ところが会社からは、これらのものは一切支給されない。仕事で必要だというのに、全部自費で揃えなければならないのだ。もちろん、会社には備品としての請求は出せない。モバイル取材用のパソコンだって同様。もっと言えば、これを書いてるデスクトップ・パソコンだって半分は仕事に使っているのだが、会社からは何の補助も出ない。自宅にパソコンがなければ通常業務ができないというのにである。

それだったら、せめて自己所有の機材で撮影した写真をこちらに載せてもいいのではないか・・・と思っている拙者である。取材の機会を与えてくれているのは会社だが、実際に機材を提供しているのは拙者なのだから。もちろん、取材で撮影した写真は、会社のメディアにしっかり使っている。だけど、機材の提供にまったくの援助がないならば、それを自費で購入した拙者にも(商売にしない限り)ある程度の使用権はあるはずだ。

もし「取材で撮影した写真の著作権はすべて会社にある」というのなら、機材も全部会社が提供すべきなのだ。

ローテンブルクから来た人
ローテンブルクから来た人



...... 2004年 2月 07日 の日記 ......
■[ NO. 138 ]
お台場
晴れ。ときどき曇り。

チャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」を聴いている。もちろん管弦楽ではなく、連弾版だ。編曲手法の善し悪しもあるのだろうけれど、リムスキー=コルサコフ夫人によるこの編曲、大変に面白い。「連弾」という演奏形態を最大限に生かしている編曲である。大変にピヤニスティックで華麗だ。

モスクワのJurgensonから出ていたこの楽譜、現在入手は大変に困難である。もう著作権が切れているので、どこかの出版社から再版しないだろうか? 埋もれさせておくのは、あまりに惜しい編曲である。もっとも連弾の楽譜は残念ながら絶対数が出ないのでパーマネントの出版は無理だろう。だから、せめてオンデマンドでの対応をして下さるところはないかな…と思っている。




夕方から外出。お台場の「パレットタウン」に出撃だ。以前、ここが最初にできたとき、「どんなところかな?」と行ってから久々の訪問である。最初のときは凄い人出だったが、今回はそうでもない。それでもなかり賑わっている。やはりリピータがいるのだろう。

たくさんのお店があるし、近くには「大観覧車」や「大江戸温泉物語」など人気施設がたくさんある。その気になれば、丸一日遊べる場所だ。

パレットタウン


今回の目的は「ぱぐグッズ」を購入するためだ。いちばん欲しかったのが「クネクネしわパグ」というお人形なのだが、残念ながら品切れだった。これは別のところで購入するしかない。

今回、連弾庵に連れて帰ってきたのは、カゴを抱いたしわパグ、しわパグのペットボトルケース、それから小さなしわパグだ。しわパグの抱いたカゴには、携帯電話やテレビのリモコンなどを入れることができる。それからNHK出版が出しているしわパグの写真絵本「探犬しわパグ」。この本は欲しかったのだ。

ぱぐの縫いぐるみ


大観覧車にも乗りたかったけれど、連弾庵ではぱぐたちが拙者たちの帰りを待っているので、乗らずに帰ってきた。

観覧車には、また乗ることにしよう。


...... 2004年 2月 08日 の日記 ......
■[ NO. 139 ]
麻婆豆腐
晴れ。

昨日同様。気温が低い。こう寒いと、からだもにぶにぶして布団からも出たくない。できれば1日、お布団に潜ってぱぐぱぐしていたいのだが、なかなかそうも行かぬ。何をするというのではないけど、きちんと起きる。




注意すべき園児。どんな凶暴な園児なのだろう?
この間から妻が弾いているR.R.ベネットの「4つの小品組曲」、だいぶ様になってきた。今日は第1曲「悲しみのサンバ」を、妻が第2ピヤノのパートを、拙者が第2と重ならないような音域でちょこっと弾いてみた。何せ連弾庵にはピヤノが1台しかないので---電子ピヤノがあるのだが、グランドとは別のところに置いてある。何分部屋が狭いので2台置けない---1台のピヤノでのちょこっと合わせだ。まあ、これだけでもいろんなことが分かって面白い。

妻がJ.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」のM.ヘスによる2台用編曲も弾いている。ヘスの編曲、連弾よりも2台用の方が面白いかも知れない。




昨日、中国料理店で「麻婆豆腐」を頂いた。拙者、辛い物は好きでないのだが、「北京家鴨」のセットを頼んだら付いてきたのだ。

普通「麻婆豆腐」というと「豆板醤」とやらを大量に放り込み、真っ赤になって出てくるものなのだが、この店のは豆板醤はそこそこ、というよりほとんど気持ち入っているだけ。辛さは山椒で出していた。うん、これなら食べられるよ。なかなか美味しかった。

大体、唐辛子調味料をボコボコ放り込むなんて、品がない。ただ辛いだけだ。好き好きはあろうが、ただただ辛い物を食べて喜ぶなんて、信じがたい。今回のは、それほど辛くなくて上品な麻婆豆腐だった。もっとも「辛いの大好き」の妻が「うーん、辛い!」といっていたので、味覚とは当てにならないものだと思った次第である。

ただ、北京家鴨、美味しいことは美味しかったのだが、以前、某ホテルで頂いたものの方が、はるかに美味しかった。これはちょっと残念だったな。ま、そこそこのお値段だから仕方ないか。

拙者、中国料理はそれほど好きではないが、四川風よりは北京風の方が合うようである。四川風は、何だか、ただ辛いだけのような気がする。

あかね
真冬の日の散歩は辛いぜ!



...... 2004年 2月 09日 の日記 ......
■[ NO. 140 ]
怒りは続く
晴れ。ときどき曇り。

またまた拙者、怒っているのである。何に怒っているかというと、1月29日の日記にも書いた「ウイルス」である。あれから11日もたつのに、ウイルス・メールの攻撃は止まない。

拙者、先週金曜日(6日)はオフィスに不在だった。1日中、外部で仕事だったからだ。そんな訳で、金曜〜月曜朝まではオフィス宛てメールは読めなかった。

通常の週末だと、金曜日〜月曜朝までに来るメールは、大体300通だ。これでも読むのは苦しい。しかし今朝出勤してメールボックスを開けて驚いた。未読が500を超えているのだ。何だ、これは! 実はこのうち200通以上が「ウイルス・メール」なのである。

またまた怒りが蘇ってきた拙者だ。もう許せん。業務妨害も甚だしい。

これはもう、ウイルスを作った奴以上に、ばらまいている奴の責任だ。ウイルスが拡散を始めてから10日以上。その間、何の対策も取らなかったのか! 不用意に感染した者たちよ!

拙者は前に書いた。(1)ウイルス対策ソフトを自分のパソコンにインストールしておき、定義ファイルを常に最新の状態にしておく、(2)怪しげな添付ファイルは絶対に開かない---これだけで、今回のウイルスの拡散は防げる。それなのに何だ! この程度のこともできない奴がパソコンをインターネットに接続して使っているのか!

はっきり言って、こうした連中は、犯罪者である。例えて言えば、交通ルールも知らず、無免許で自動車を運転しているのに等しい。それで人身事故を起こしているようなものだ。大変な愚者で迷惑者である。この連中、今度はこんなウイルスではなく、パソコンに取り付いたら、ディスクのデータを全部消去するようなウイルスにでも感染して、自分が痛い目に遭うがいい。

最低限のマナーを守っていない感染者たちよ。あなた達にインターネットなど利用する資格などない!

・・・と、行き場のない怒りを募らせる拙者であった。

これをお読みの皆さんは、そんなマナー違反はしていないだろうから、この日記でこうしたことを書いても無駄だろうけど。とにかく頭に来たので書いてみた。

林の中で丸まっている人



...... 2004年 2月 10日 の日記 ......
■[ NO. 141 ]
しわパグ登場
晴れ。

朝、7時から仕事。眠い。

出勤しようとして、自転車「かずみ1号」を軽快に走らせていたら、途中でチェーンが外れ、どうにもならなくなった。カバー付きのチェーンなので、その場では直せない。仕方ないから「かずみ1号」を押して、いったん家に戻る。

今度は「かずみ2号」に乗って、家を出たところで気が付いた。タイヤの空気が全部抜けてる。もう、入れている時間はない。さらに仕方ないので「ゆみこ号」を借りて駅まで急ぐ。途中の交差点で2度ほど車にぶつかりそうになった。「ゆみこ号」はブレーキの効きが素晴らしいので、何とか助かった。「かずみ1号」だったら、間違いなく車とぶつかっていただろう。

忙しいばかりで生産性の低い1日だった。日本時間午前2時。ようやく仕事が終わって「日記」を書き始める。書きたいことは山のようにあるのだが、もうダメだ。

そうそう、今日リリースの雑文がある。それをご紹介して「おやすみ」にしよう。




ACCSサイト不正アクセス犯人逮捕は当然の結末だ

 2月4日、京都大学の研究員が不正アクセス禁止法違反と威力業務妨害の容疑で、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターと池袋警察署に逮捕された。

 容疑者は、2003年11月6日から8日までの間、前後7回にわたって自分のパソコンからコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)のWebサイトを管理する大阪市内のプロバイダのサーバーに侵入。サーバー側CGIプログラムの欠陥を突いて、サーバーに格納されていた1200人分の氏名や住所、ACCSへの情報提供内容などの個人データに不正アクセスし、これらを入手していた。

 さらに容疑者は11月8日、東京都渋谷区で開催されたイベントで、これらの個人データや不正アクセスの方法について公開した。加えて、これらの内容をACCSに対して電子メールで送信するなどしてACCSの業務を妨害した。このためACCSは同協会サイトのうち、個人情報漏洩のあった相談サイトの閉鎖を余儀なくされた。

不正アクセス禁止法の乱用か?

 さて、この逮捕劇をめぐって、各方面で議論が沸騰している。記者が閲覧しているメーリング・リスト(複数)でも、この話題で持ちきりだ。さまざまな意見が取り交わされているが、それらは大きく2つに分けられる。

 ひとつは「CGIの欠陥を指摘したのだから一種の功労者。逮捕は行き過ぎで、不正アクセス禁止法の乱用とも言える」といった論調。もうひとつは「逮捕は当然」という見方だ。

 まず、私としての“結論”をはっきりさせておこう。この場合、逮捕は当然の結末と考えている。不正アクセス禁止法違反と威力業務妨害の適用も正しい。

 まず不正アクセス禁止法の適用だが、容疑者は「本来アクセス権限のないコンピュータに対してアクセスしている」という点に着目してほしい。厳密に言えば、これだけで犯罪の構成要件に該当している。

 加えて容疑者は「故意に、何度も」アクセスしているのだ。しかも本来なら入手してはならない(その権限がない)個人情報までダウンロードしているのである。

 もちろん偶然や過失で、アクセス権限のないマシンにアクセスしてしまうことだって十分に考えられる。しかし、今回の件は明らかに「故意」であり、そこにある情報まで入手している。こうなるともう、不正アクセス禁止法を適用する条件としては十分である。

 容疑者を擁護する人たちは、この事実をどのように考えているのだろうか。

 コンピュータ・システムのセキュリティのぜい弱性は、ハッカーたちによって発見されるケースが多い。しかし良識があるならば、本来の管理者に無断で何度もアクセスし、個人情報まで引き出すだろうか。これが犯罪でなくて何であろう。

 もし良識あるハッカーならば、まず本来の管理者に対してセキュリティのぜい弱性を伝えれば済む話ではないか。それで十分なはずだ。何らかの故意(悪意)があったからこそ、管理者に通知する前に、何度も不正にアクセスしたとしか解釈できない。

サイトの継続を断念

 続いて威力業務妨害についてである。容疑者はACCSにCGIの欠陥を通知する前に、公開のイベントでこの欠陥を公開してしまった。しかも不正入手した個人情報をプレゼンテーションの資料として使ったのだ。

 ここまでされてしまうと、ACCSとしては個人情報保護の観点からCGIプログラムの修正だけでは済まず、当該サイトを閉鎖しなければならなくなる。

 加えて、ACCSは容疑者に対して、入手した個人情報を廃棄するよう何度も要請したが、これも拒否された。こうなるとACCSに対する業務妨害とされてしまっても仕方ないことだろう。威力業務妨害の適用は当然のことだ。

管理者の責任か?

 容疑者を擁護する人の中からは「そもそもセキュリティにぜい弱性のあるシステムなどを運用している方に責任がある」との意見も出されている。確かにシステム管理者には、セキュリティのぜい弱性を放置していた責任はある。

 しかし、情報システムというものは本来人間が作るものだ。もちろん完璧であるにこしたことはないが、管理者や開発者だって気がつかない欠陥が出てしまうことも十分にあり得る。そうしたぜい弱性に気づくのは、とても重要なことだろう。問題は、その後の行動なのだ。

 先にも述べたように、良識があるなら不正アクセスを繰り返したりしないだろうし、データの持ち出しもしないだろう。まして、管理者に通知する前にぜい弱性を公表し、不正アクセスで得た情報を公開することなどもってのほかだ。

 たとえ話をしよう。「ちょっと工夫すれば手の届くところ」に財布があったとしよう。そんなところに財布を置く人も悪いが、これを持ち主に無断で自分のものにしたらもっと悪い。

 この場合、立派に窃盗罪または遺失物横領罪が成立する。今回の不正アクセスも、これとまったく同じことだ。「手が届くから」といって不正にアクセスしたりデータを引き出したりすることが許されるはずがない。

 今回の容疑者は、単なるハッキングの域を超えていたからこそ逮捕に至ったのだろう。目立ちたがりで良識がなかったから、容疑者は一連の行為に及んだのだろう。

 もちろん多くのハッカーは良識を持ち、このような行為をしないと私は信じている(もちろん厳密にいうと、ハッキング行為そのものが不正アクセス禁止法に触れてしまうのだが)。

・・・と言うわけで、「沈没」である。

しわパグ
ボクは「しわパグ」今日からこの家の住人だよ



...... 2004年 2月 11日 の日記 ......
■[ NO. 142 ]
風邪をひいた
晴れ。

昨夜は午前2時まで働いていたので、午前中は沈没だ。

しわパグ
ボクは「しわパグ」だよ
 朝9時頃、一度起きたら、「ぱぐ」が来た。「一緒に眠ろう」という。布団の中に潜り込んでくるので、一緒に眠ることにした。

ある方が「ぱぐって、おやじみたいないびきをかくのですよね」と書いて来てくださったが、その通りだ。ちっちゃい身体をしているのに、ものすごいいびきをかく。でも「ぱぐ」なんか、まだましな方だ。「あかね」に至っては、地の底を這うような恐ろしいいびきをかく。

午後は、ぱぐたちの散歩の後、原稿執筆だ。今日は本来の仕事で家を離れられない。おまけに夫婦揃って風邪をひいたので、どこへも出かける気にならない。熱は出ないが、身体は痛いし、喉も痛い。もう家でぱぐぱぐしているしかないのだ。

その原稿、本来業務とまったく関係のないもの。「北欧圏の作曲家が書いたピアノ・デュオ」がテーマだ。書くに当たっていくつかどうしても音にして聴いておきたいものがあったのでピアノに向かう。2台ピヤノ用の作品は、仕方ないので妻が片方のパートだけ弾く。

シンディングに「2台のピアノのためのデュエット」という素晴らしい作品がある。作品41というやつだ。これをどうしても音にしたくて、妻に弾いてもらう。作品41bは、大きなグリッサンドの連続。これを初見で弾いた妻、「こんなもん弾いたら、指、ぶっ壊すわよっ!」。無茶苦茶叱られた。「申し訳ない、申し訳ない」と、腰を低くして謝った拙者であった。こんなもん書くなよシンディング。

字数制限は2800字だったが、編集者の要望を全部取り入れて書いたら、3200字になった。まあ、優秀な編集者がついているので、適当に端折って下さることだろう。しかし3200字書くのに、2時間半もかかった。400字詰め原稿用紙にして8枚分だ。ちょっと時間がかかりすぎである。それに、多少くたびれた拙者である。

ま、いいか。

早く風邪が治るといいな。

あかね
こら、しわパグ。生意気言うとバラバラにしてやるぞ!



...... 2004年 2月 12日 の日記 ......
■[ NO. 143 ]
続・風邪
晴れ。

朝7時から仕事開始。例によってとても眠い。

昨日に引き続き風邪。熱はそれほど高くないのだが、咳が出る、頭痛がする、体中の関節が痛い---などの症状が出ている。出勤後、診療所で診察を受けるが、軽い風邪で気管支も悪くないそうだ。薬を処方してもらってくる。

ちょっと疲れたので、19:00に仕事を上がらせてもらう。

薬を飲んだらだいぶ楽になった。

しかし、こんなに風邪ばかりひいている冬は初めてだ。幸い仕事には差し支えていないが。ずいぶんと体力が落ちているものである。

なお、本サイトの読者の方から「あなたの捕獲したメンデルスゾーンの交響曲の連弾譜は、作曲者自編ではないのではないか」とのご指摘を頂いた。不肖、メンデルスゾーンの交響曲に関しては、あまりよく調べず「自編」としてサイトにアップしてしまった。これは失敗である。もっと良く調べるべきだった。

読者で作曲家の「近藤浩平」さんから、演奏会のご案内も頂いた。これらのアップは、また明日にする。

今夜はこれで「沈没」だ。

頭が重たいので、何かに乗せてないと辛い。
これでも脳味噌、詰まっているんだぞ。文句あっか!



...... 2004年 2月 13日 の日記 ......
■[ NO. 144 ]
13日の金曜日
晴れ。のち曇り。さらに雨。

13日の金曜日である。「何か、いいことあるかな?」と思ったけど、結局何もなかった。

今日は朝から眼科へ通院だ。「中心性漿液性網脈絡膜症」の診察と治療のためである。このところ、すこぶる…とまでは行かないが、状態はかなり良い。視野の歪みも、あまり気にならないところまできた。検査の結果、状態は良好とのこと。網膜に吹き出していた水も止まったそうだ。まだ当分は通院が必要だが、もうあまり心配する必要はないとのこと。一安心である。皆様には、ご心配おかけしました。このようにご報告させて頂く次第であります。

ただ、診察で瞳孔を開いてしまったため、夕方になるまで眼がほとんどまともに見えなかった。それでもオフィスにもどってパソコンのディスプレイを見ながら仕事をしていたら、もの凄く疲れた。

帰宅後、午前1時過ぎまで仕事をしていたら、さすがに疲れた。誰にもメールを書ける状態ではなく、音楽を聴く気持ちにもなれない。しばらくぼーっとアルコールを摂取した後、「沈没」である。

ぱぐ



...... 2004年 2月 14日 の日記 ......
■[ NO. 145 ]
情人節のオフライン
晴れ。のち曇り。さらに雨。

情人節」。これ何を意味するか、お分かりだろうか? 拙者も最近まで知らなかったのだが、中国語で「バレンタインディ」のことを意味するらしい。こうした漢字を充てると、なんだか意味ありげな日に見えてくる。

さて数日前、銀座の某ブティックから「注文されたバッグが入りました。取りにいらして下さい」との電話があった。丁度今日は銀座に出る用事があったので、その「集まり」の前にブティックまで行く。

お目当てのバッグは、なかなか良かった。だけど、日本では昨日出たばかりの素敵なバッグも発見。思い切って両方購入してしまった拙者である。まあ、拙者の場合、バッグでもお財布でも何年も大切に使うから、良いのであるが。

待ち合わせの時刻にはかなり余裕を持って出てきたのだが、このブティックは買い物に大変に時間がかかる。ゆったり品物を見て、ゆったりお買い物をするのがこのブティックの良いところなのであるが。今回も予想外に時間がかかり、皆さんには先に目的のお店に入って頂くことにした。

今日は、いつもお世話になっている「くるくるぱみん」さん主催の「ちょっと遅めの新年会」だ。参加者は、「ぱみん」さん、「デュオぽんかん」、ぱみんさんの夫「まがも」さん、リスト・マニアの「燐寸」さん、アマチュア写真家でKGB研究者(追跡者か?)の「ふらわぁ」さん、そして拙者たち夫婦の総勢8人。みんなで、それぞれが持ち寄ったプレゼントを交換したりして、和やかな雰囲気。

そう言えば、このメンバー、全員がネットで知り合った人たちばかり。一種のオフライン・ミーティングである。オンラインでは毎日のように顔を合わせているが、オフラインはまた格別だ。

いろんな話題で盛り上がったが、いちばん湧いたのは「ふらわぁ」さんが今回集まったメンバーの影響でピヤノを習い始めたことだ。電子ピヤノまで買い込んで、本格的なレッスンに通っている。うん、嬉しいね。こうした話を聞くと。また一人、音楽の仲間が増えたよ。

みんな
ぱみんさん、ゆみこ、ふらわぁさん


アルコールも浴びるように呑んだ。気が付くと4時間以上もお喋りしていたことになる。楽しい時間はあっという間に過ぎるものだ。

いやいや、嬉しい。またやりたいな。集まって下さった皆さん、ありがとうございました。

ネットでどんどん、人の輪が広がるね。


...... 2004年 2月 15日 の日記 ......
■[ NO. 146 ]
春を見つけた
晴れ。

昨日も今日も風が強い。だけど方向が違うのだ。

昨日の風は、暖かい南風。関東地方では「春一番」になった。前の晩、雨がかなり降ったのに、ぱぐたちの散歩をしていたら、もの凄い埃。関東南部は、こうした埃が舞っても仕方ないね。雨が降らなかったら、もっと凄い埃になっていただろう。

今日は北東の風。ちょっと冷たい。だけどぱぐたちお散歩をしていたら、あるお宅で、紅白の梅が3分咲きになっていた。春は、もうそこまで来ているんだね。皆様の回りでは如何ですか?

梅




...... 2004年 2月 16日 の日記 ......
■[ NO. 147 ]
道を訊かれた
晴れ。

朝起きたら、脳貧血を起こした。昨夜、あまりよく眠れなかったためかも知れない。もともと睡眠は浅いのだが、一晩中ウトウトして、寝覚めが激しく良くない日は、脳貧血を起こしやすい。這々の体で出社した拙者であった。

午後、オフィスビルの入り口で同僚のK君と、例によって煙草をふかしていた。すると1人の外人さんが「▲▼▲へ行クニハ、ドウシタラ良イノデスカ?」と道を尋ねてきた。自称「外人恐怖症」(というより英語恐怖症か?)のK君が「固まって」しまった。そこで拙者、彼(外人さん)が持っていた地図を見ながら、丁寧に道順を教えてあげたのである。

最近は出歩くことが減っているのでそうでもないが、拙者、外人さんに道やら鉄道の乗り換えやらを尋ねられることが結構ある。もちろん、その都度、丁寧に教える。拙者も外国で見ず知らずの外人さん(外国だから拙者の方が外人なのだが)にいろいろ親切にしてもらったことがあるので、やっぱり親切になるのかな。

で、「何故、拙者、よく外人さんに話しかけられるだろう?」とK君に言ったところ、「顔立ちが日本人じゃないみたいだから、相手も話しかけやすいのじゃないですか?」だって。これでも最近は老けて(?)かなり日本人らしくなっているはずなのだが。もっとも以前、外国のある街で、道を聞かれたり地下鉄の乗り換えなどを聞かれたことが何度もあったっけ。その時はさすがに「外人の拙者に聞くなよ」と言いたかったけれど。でもちゃんと丁寧に教えたよ。

…と言うわけで、今日は何となく早めに帰宅して、「沈没モード」である。

お玉杓子
おたまじゃくしが、たくさんいるよ



...... 2004年 2月 17日 の日記 ......
■[ NO. 148 ]
馬鹿騒ぎ
晴れ。

本当に馬鹿じゃないかと思った。

何かと言うと、米国でのBSE発生を受けての牛丼チェーンの相次ぐ牛丼販売中止に対する一連の報道と、それに踊った一般市民の行動だ。こんなことでマスコミも愚かな一部市民も大騒ぎするなんて、馬鹿馬鹿しいのひとことに尽きる。

そもそも、今回の騒動で、永久にチェーン店から牛丼が姿を消したわけではない。米国からの輸入が再開すれば、また食べられるわけだ。さらに言えば、たかが牛丼である。これが「国内の米が不作で例年比で5%の供給量」とか「小麦の輸入、全面中止」とかなったら、そりゃ一大事であろう。我が日本国民の主食供給が停止になり大混乱を引き起こすからだ。いわば「原油の輸入量が20%減になった」くらいのニュースではあろう。

それが何だ。たかが牛丼ではないか。そんなものがなくなっても、壊滅的打撃を受ける消費者などいない。「280円で食べられる食事がなくなった」って? 同じ価格帯で代替の食料はいくらでもある。拙者なんて昼食代が足りなくなったら、100円の「むすび」を2つ購入して、お腹が空いたら思いっきり水を飲んで生きてるぞ。

そう、別に牛丼がなくなっても、本当の意味で困る消費者などいないのだ。「牛丼好きがいるだろう」って? それはそいつらが勝手に牛丼を食しているだけに過ぎない。それが何だ、この馬鹿騒ぎは。呆れて物が言えない。

せいぜい困るのは牛丼のチェーン店だけだ。そいつらにしても原材料調達に関するリスクヘッジが適切にできていなかったら、メインになるメニューを供給できないでいるのだ。これは経営方法論の失敗でしかないのである。

「視聴者は馬鹿だ」と思っているマスコミが過剰報道し、それに踊らされた愚かな市民が騒いでいる。何と愚かな光景だろう。こんな下らないことにカメラを回し映像を流し、貴重な紙面を使っているマスコミ。あんたたちには、もっとやることがあるだろう。本当に報道すべきことは何かを、しっかり考えてもらいたい。せめてこのことを報道するのであれば、牛丼チェーン経営におけるリスクヘッジの失敗について、しっかり伝えるだけでいい。

・・・とここまで書くと「お前もマスコミだろう」という突っ込みが来るはずだ。拙者たちもBSEそのものについてはかなりのニュースを配信したよ。だけど拙者の媒体では、馬鹿騒ぎはしなかったぜ。せいぜい吉野屋や松屋などの経営に対する影響についてくらいのニュースを流しただけだ。牛丼を食べなくても餓死する者は出ないからである。

たかが牛丼でこの騒ぎ。本当に日本は平和だよ(…と同じことをどなたかが書いていらした)。拙者も決して利口ではない(むしろ馬鹿の部類に入る)が、今回の馬鹿騒ぎには本当に呆れたね。

金沢
金沢・冬



...... 2004年 2月 18日 の日記 ......
■[ NO. 149 ]
会話の余韻
晴れ。

とあるとことで、上場企業の次期社長になる方とお話をしていた。その中で出たことば。

「これだけ経済が低成長になると、“どの業種・業態の業績がいい”といった、マクロな見方でビジネスをしていたのでは決して成功しない。むしろどの企業が、どの組織を相手にすればいちばん収益が上がるのか、それを見極めてピンポイントで攻撃しないとだめですね。ほら、同じ“電機”といった業種のくくりでも業績の差が激しいでしょう? 当然設備投資だって差が出てくるわけです。同じ商品を売り込むのだって、業績の良い、すなわち設備投資意欲の強いところを集中して狙っていかなければ効果はでないのですよ」。

「同じことが私たちにも言えます。私たちの業界も全体を見れば低成長。だけど、その中でも業績の良し悪しは差が相当にあるのは御存知ですよね。これからその差はますます開くと考えています。私たちはそうした環境下で、いわば連戦連勝でなければ生き残って行けません。それを実現させるために、どんな施策を打つかです。いいですか? あなたはもちろんマクロの視点を持つことは重要です。でも個別の企業・組織についてしっかり同行を見極め分析できる力を持たないと、全体を見誤りますよ」。

うーん、普段から拙者がいろいろと考えていたことを、その方は綺麗に整理して下さった。普段、自分で考えていても、第三者から指摘を受けると、改めて考えさせられ、反省させられるものである。




夕刻からは、懇意にしている取材先のFさん、S女史と会食。お二方とも話題が豊富で、実に愉快。楽しい時間を過ごす。ある程度アルコールは呑んだものの、まったく酔わなかった拙者である。なぜ酔わなかったかって? 拙者、ある程度緊張すると、なぜか酔わないのである。別にかしこまるお相手ではないのだが、ちょっとばかり「いい子」になっていた拙者だ。

帰宅しても、全然素面だった拙者なのである。素面では寂しいので、ひとり焼酎を呑む拙者であった。楽しい会話の余韻にひたりながら。

金沢・冬 Part II



...... 2004年 2月 19日 の日記 ......
■[ NO. 150 ]
思いがけない出会い
晴れ。

木曜日・・・というと週の半ばで、いちばん疲れが出る曜日だ。何をするわけでもないのに疲れた。心なしか眼の調子も良くない。妻の話では、拙者の通勤経路に非常に立派な白梅の大樹があるお宅があるのだが、今年もその花が開き始めたとのこと。拙者、ちっとも気付かなかった。木曜日は、それほど気持ちに余裕がないのである。週末辺り、また写真を撮りに行くことにしよう。




妻があるところから、J.S.バッハ「クラヴィーアのためのソナタ ニ短調」の「アンダンテ」を2台ピヤノ用に編曲した楽譜を頂いてきた。編曲者は英国のC.スコット。スコットというと、あのグレインジャーが素晴らしく華やかな2台ピヤノ用に編曲した「3つのシンフォニックダンス」が有名だ。そのスコットがJ.S.バッハのクラヴィーア・ソロを2台に編曲している。妻が「これ、とっても素敵な編曲よ」というので、早速「音」にしてみる。うん、これは見事。2台ピヤノ曲として、とても効果的で楽しく弾ける。スコットにこんな編曲があるなんて知らなかった。ちなみに楽譜の出版元はロンドンの「Elkin」という出版社。ひょっとしたら現役かも知れない。もし楽譜店やネットで見つけたら、購入をお勧めする。とても素敵でお洒落な編曲ですよ。

40数年、連れ添った人



...... 2004年 2月 20日 の日記 ......
■[ NO. 151 ]
「帝都」が消える
晴れ。

ちょっと疲れ気味の金曜日。でも明日からささやかな週末になるので、何とか頑張る。

首都圏近郊の方は御存知だろうが、この4月1日から「営団地下鉄」が民営化される。それに伴い組織名を変更するだけでなく、変てこな「愛称」まで付けた。

営団地下鉄は正式名称が「帝都高速度交通営団」。何という立派な名称であろう。この「帝都」というのが、たまらなく良い。ところが新会社の名称は「東京地下鉄株式会社」。ちょっと情けないな。確かにそのものズバリなのだが。せめて「帝都地下鉄」にしてほしかった。

「帝都」。ああ、なんという堂々たる響きであろう。この「帝都」の文字が消えるのは、何とも寂しい次第である。

ただ、これならばまだいい。許せないのは「愛称」を付け、例えば「地下鉄・銀座駅」の看板から「地下鉄」の文字を外すというのだ。その愛称とやらは「東京メトロ」。そして駅の入り口には「東京メトロ・銀座駅」のような看板が立つという。

「東京メトロ」。センス悪いね。おまけに駅の看板から「地下鉄」の文字を消すとは。何が「メトロ」だ。東京はパリではないんだぜ。何もフランス語を使う必要などあるまい。はっきり言ってセンスなしの馬鹿だ。「地下鉄・銀座駅」で十分ではないか。その方がカッコイイ。さらに看板からは「Subway」の文字まで消して「Tokyo Metro」にするらしい。馬鹿じゃん。多くの外人が分かる英語を消して、何でフランス語にするのか。

いいか。パリのメトロも便利だが、清潔感と安全性からいったら営団地下鉄の方がずっと上だぞ。それなのになんでパリの真似をするんだ? まったく愚かだね。新しいシンボルマークもダサくて間が抜けている。

民営化するのはいいのだが、誰だろね、こんなダサいネーミングしたり看板表示にしたりするのを考えた奴は。拙者にしてみると許し難いセンスである。ああ、イヤだ。「帝都地下鉄・銀座駅」の方が、堂々としていて格好いいぞ。へっ、浅はか者どもめ!

ワシが誰だか、分かるかっ!
分かっても、何もやらんけどな。



...... 2004年 2月 21日 の日記 ......
■[ NO. 152 ]
小春日に沈没
晴れ。時々曇り。

異常に暖かい1日。気温からすると5月初旬の陽気である。しかし…。

朝、起きあがると、喉がひりひりと痛く、頭もずきずき痛い。とてもではないが、起きていられない。風邪薬と鎮痛解熱剤と喉の腫れを鎮める薬を飲んで、もう一度眠る。昼、薬が効いたのか、何とか起きあがる。

本当は秋葉原に仕事で必要なものを買い集めに行かなければならないのだが、とてもその気力はない。頭痛は止まったが関節は痛いし、喉も相変わらず痛い。微熱も続いている。「今週の1枚」を書くためにCDを聴いたり楽譜を調べたりしなければならないのだが、これもパス。

ぱぐたちの散歩だけは何とか行けたが、できたことと言えば、これだけ。夜も起きていられない。とにかく横になりたい。午前0時に「沈没」である。

散歩は草臥れるから、ワシだって車にのるのじゃっ!
文句あっかっ!



...... 2004年 2月 22日 の日記 ......
■[ NO. 153 ]
さらに沈没
晴れ。時々曇り。夜になって雨。

昨日に続いて異常に暖かい1日。しかも南風が強く吹く。

昨夜は早めに眠ったのに、喉が痛くて熟睡できなかった。普通なら薬が効くはずなのに、一晩中苦しい思いをした。朝になるまで、起きているのか寝ているのか分からないような状態が続く。とにかく苦しかった。

朝7時前に起きあがると、昨日と同様に喉がひりひりと痛く、頭もずきずき痛い。風邪薬と鎮痛解熱剤と喉の腫れを鎮める薬を飲んで、もう一度眠る。

昨日よりは多少状態が良いので、ぱぐたちの散歩の後、強引に秋葉原まで買い物に行く。しかしいつものように調子が出ず、買う物だけ買って、食事だけして、早々に帰宅。薬はしっかり飲んでいるのだが、喉の痛みがどうしてもとれない。関節も相変わらず痛い。おまけに微熱も消えない。

読者の方から頂いた演奏会の情報をアップするなど、若干サイトを更新。それがやっとだ。とてもではないが「今週の1枚」は書けない。申し訳ないが休載にさせて頂く。

今夜も「沈没」だ。(喉が痛い、苦しいよぉ〜)

大木の枝に…



...... 2004年 2月 23日 の日記 ......
■[ NO. 154 ]
動けなくなる
晴れ。

体調はさらに悪い。だけど朝7時から勤務。

ついに夕方に至って動けなくなる。微熱も続くし声も出なくなってきた。オフィスの診療所に行って診察していただいたところ、扁桃腺が腫れているとのこと。「これでは喉が痛くて発熱しても無理はないですねぇ」とドクター。抗生物質だの解熱鎮痛剤だのを大量にもらう。

残っていた仕事を何とか終えて、早めに帰宅。そのまま「沈没」。ああ、写真も選べない。


...... 2004年 2月 24日 の日記 ......
■[ NO. 155 ]
ゾンビ
晴れ。

朝、起床したら、声が出なくなっていた。喉が激しく痛い。猛烈な頭痛もする。体中がだるくて痛い。遂に出勤を諦め、すべての業務を自宅でやることにする。

拙者の書斎のシステム環境は、オフィスと完全に同一にしてあるため、業務上はまったく支障がない。ただ、本来ならアシスタントがやるべきことまで自分でやらなければならないだけだ。

本当なら寝ているのが一番良いのだが、そうも行かない。このご時世だ。休んだりしたら、どんなことになるか分からない。

途中、休憩を何度かはさみながら、ゾンビのようになって深夜1時まで仕事。終わって即座に沈没だ。

インフルエンザに罹らなかっただけでも、幸せなのかも知れない。

今日も写真が選べない。


...... 2004年 2月 25日 の日記 ......
■[ NO. 156 ]
続・ゾンビ
晴れ。

まだ声は出ないが、何とか動けるようになった。薬が効いたためか、熱は下がっている。・・・といっても苦しくて朝4時に目が覚めて解熱鎮痛剤を飲んだのであるが。一応、朝7時から仕事。

10日前にドイツから来るはずの「宿泊予約確認書」が一向に届かない。一昨日「文句メール」を書いたら、すぐに「即座にファクシミリで送ります」という愛想のいい返事が来たのだが、現物が一向に届かない。前金制で、拙者の宿泊代・21万円は、すでにクレジットカードで引き落とされている。確認書がないと宿泊できないばかりか、出張申請も出せない。

頭に来て、「早くよこせ」と強いクレーム・メールを送信。そうしたら、何と1泊分だけの確認書を送って来たではないか! バッカモーンっ! ドイツ人のくせに、やることが抜けてる。しかもこの代理店、州政府の資本が入っている会社だ。頭に血が上って(?)、文句メールならぬ「ケンカメール」を書いてやった。さらに強い調子で滅茶苦茶書いてやった。同じ内容をファクシミリでも送ってやった。

確認書が来るまで待とうと思ったが、日本時間で午後9時近く。朝7時から働いているので眠くて仕方ない。せっかく体調も良くなりかけているのに。・・・というわけで、確認書の到着をほっぽって帰宅した。明日の朝、出勤して届いていなければ、もう電話攻撃しかない。しかし・・・ケンカできるほど電話での外国語はできない・・・困ったな。

帰宅して、何もする気が起こらず、アルコールを呑んで「沈没」だ。こののところ、「沈没」の何と多いことか。トホホ・・・。


...... 2004年 2月 26日 の日記 ......
■[ NO. 157 ]
ゾンビIII
晴れ。

ようやく体調が復活してきた。何とか仕事もできそうである。

昨日連絡したドイツ人。一向に返事を寄こさない。「電話でケンカ」する前に、とあるところへ状況を報告し、圧力を掛けて頂く。CCで頂いたメールでは、先方にかなり強い調子で、クレームをつけて頂いた。

そうしたら程なく「予約確認書」が届いたではないか! 不肖かずみ、ドイツ語でメールを書かなかったばっかりに、完全に馬鹿にされていたようである。ドイツ人は昔のよしみで、日本人にはとても親切なはずだ。拙者の接していたドイツ人は、みんなそうだった。それが何だ、今回の対応は!

相当に頭に来た、拙者である。まあ、何はともあれ、一件落着したので、安心した拙者だ。

例によって午前1時までお仕事。それで「沈没」だ。またも写真が選べない・・・トホホ。



...... 2004年 2月 27日 の日記 ......
■[ NO. 158 ]
ゾンビIV
晴れ。

今日も朝7時から仕事である。病み上がりで、辛い。

夕方からは第二東京弁護士会のY先生、C先生と仕事の打ち合わせ。両先生とも実に爽やかな方で、打ち合わせも一気に進む。

そんな拙者を見て妻は言う。「あなたを相手にしたら、コワイわね。いろんな分野の弁護士先生がバックについているのだから」。そうかも知れない。顧問のN先生を初めとして、敏腕弁護士の先生数十名といつも連絡を取り合っているのだから。良い弁護士の先生をたくさん知っているのは、仕事の面でもプライベートでも、とても安心感があるのだ。

で、Y先生の事務所で打ち合わせをした後、そのまま帰ろうと思っていたのだが、前日に社内のHさんから電話。Hさんの部署が社長表彰を受けてパーティーをやるのでゲストとして来て頂けないか、そしてスピーチしていただけないか。

拙者、パーティーは苦手である。スピーチも苦手だ。だけど、地味な仕事で表彰されたHさんたちのことを考えて、パーティーに出て喋ることにする。これは拙者としては、まことに珍しいことだ。何せ、自分が表彰されたときだって、表彰金を全部部署に寄付してしまい、それを使った飲み会にも出なかったくらいだから。

パーティーが終わって、主立った人たちが「2次会」に行くことになった。同じ部署の人がいないので、拙者も行くことにする。・・・・で、4次会まで付き合った。

拙者、アルコールに弱くなっている。実は「4次会」がどこで行われたのか、分からない。記憶がとぎれとぎれになっているのだ。4次会の途中で時計を見ると、もう午前1時過ぎだ。失礼させて頂く。お店を出たのはいいけれど、自分がどこにいるのか分からない。仕方ないので大きな通りへ出てタクシーを捕まえた。

何だかよく分からないけど、自宅まで無事に戻って、そのままおとなしく眠った拙者であった。そのまま「沈没」である。



...... 2004年 2月 28日 の日記 ......
■[ NO. 159 ]
見慣れた人の…
晴れ。

昨日、呑みすぎたこともあり、午前中は沈没だ。午後ものんびりして過ごす。まったく久しぶりにピヤノを弾いて遊ぶ。シューベルトの「軍隊行進曲第1番」だ。ある方が、とても面白い弾き方をしているのを聴いて、それをちょっと真似してみる。有名で平凡な曲でも、時折「あれっ?」と思う演奏に出会う。そんな瞬間て、とても楽しい。見慣れた人の、知らない姿に出会ったようで。

裏庭の片隅で「春」を見つけた


...... 2004年 2月 29日 の日記 ......
■[ NO. 160 ]
漂う香り
曇り。暖かい1日。



ぱぐたちが「北側のバス通りの向こうへ行こう」という。この通りを超えて、しばらく行くと、桜が名物の公園がある。でも今の時期、桜はまだまだ冬ごもり。公園の中に何本か植えられた梅が見事に香っている。心がなごむ(写真撮影には見事に失敗した)。ぱぐたちも桜の木々に「今年も、きれいな花を咲かせろよ」と疾呼をかける。

その向こうにある雑木林は、まだ冬の光景だ。でも、枯れ葉を踏みながら歩いていると、どこかに春を感じる。もう明日は3月だ。空の色が、どことなく柔らかい。

街に香る沈丁花